【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

自分を知る

三つの学びのなかでも最も大事な部分となるのが、「自分を知る」である。

男は狩りに出て命を失う可能性もあるなかで獲物を捕る。それには遠くまで見渡せる能力が命を守るためにも必要であった。女性は子どもを産み育て家庭を守る。それには子どもの小さな変化にも目が届くことが必要であった。

今では男性が命をかけて外で戦うこともない。女性も家庭を守ることに徹するという役割だけではなくなっている。また家電製品の普及、家事労働サービスの充実もあり、家事に費やす時間は少なくなっている傾向がみられる。

子どもの人数も少なく、教育制度もあるので、ある年齢になれば親の元を離れ、幼稚園や学校に通っていくことになる。家事労働だけでは時間が余るという事実とともに、情報が外からたくさん入ってくるため外へ刺激を求めることも増える。その解消の多くが仕事をすることで解決していくことになる。一部ボランティア活動や趣味に費やす人もいるが、最近はそれほど余裕のある家庭は少なくなっているのが現実だ。

情報量が多く、家庭の外に目を向けたときに、何をしてよいか分からない女性がとても多い。それは当たり前である、なぜなら教わってきていないからだ。情報が多く刺激的ではあるが、その処理の仕方を教わっていない。遠くまで見渡せる能力が今、女性に求められており、それを身につけた方が女性自身も楽に生きることができる。

例えば、会社に勤めたときに人間関係が辛くて辞めてしまうのは女性の方が圧倒的に多い。

私がよく伝えるのは、「お給料を払ってくれているのはその人ではないですよ」ということ。狭い環境に目線が行き届くので、細かいことまでが気になってしまう。しかも時間軸としての目標などが持つことがあまりなく、男性のように出世のために頑張る、というようなモチベーションも持ちづらい。どうしても目の前の反りが合わない人との関係が気になり、会社の良さや将来性までに目がいかないこともある。

その反面、男性ばかりだった職場に女性が入ることで、「職場がきれいになった」「活気が出た」という声が多く、女性が職場に増えるメリットを感じている人が多いのも事実である。女性が自分の人生を長期的に考える機会を得ることで、目の前の人間関係に捉われることが少なくなり、女性が職場にいることのメリットは生きていく。

自分を知るとは主にどのようなことか。

日本シングルマザー支援協会では独自のプログラムである「リライフ」を活用している。新しいことをはじめるときに、まず不安が浮かぶという思考が強く働き、その不安が行動を起こすときの足かせになりやすい。先ずは自分がどんなことに不安に陥りやすいのかを知ること。自分の不安の種が理解できたら、次は将来を時間軸で捉え、自分でデザインしていく。それをファシリテーターである、「ひとり親コンシェルジュ」と一緒に取り組む流れになる。

女性が今少し足りない部分を学ぶ。それにより女性が社会に必要な存在だということを、理解する人が増えていくことだろう。

日本シングルマザー支援協会の活用自体が、理解をしてもらうことからすべてが始まることが多い。まだまだ理解に達しないことも多いが、理解者となってくれた方々のパワーの大きさは、凄まじさを感じるほどだ。

私たち女性が、社会や環境に責任転嫁をせずに、自らイノベーションを起こそうと活動している姿を見てもらい続けることで、徐々にではあるが理解は深まってくれると信じている。

 
江成道子
1968年東京生まれ。5歳の時に両親が離婚。20歳で中学の同級生と結婚、3人の子供に恵まれるが27歳で離婚。営業関係の仕事で子供を育てながら、再婚するも2度目の離婚。営業関係の仕事で子供を育てながら、再婚するも2度目の離婚。2度の結婚と離婚を通じ、生活が安定した中でシングルマザーを取り巻く様々な問題を考え、一番必要なことは「自立」であり「支援」ではないことに気づく。
2016年シングルマザーサポート株式会社を設立。また、シングルマザー自立のために一般社団法人シングルマザー支援協会を設立、代表理事として現在に至る。2018年2月、全国で初めて横浜市との窓口協定について、斉藤たつや議員と連携し実現。2018年8月号、雑誌「Forbes japan」、日本に影響のある99名に選ばれて掲載される。※画像をクリックするとAmazonに飛びます