【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

おたがいが再婚生活になにを求めているか、知っておく

再婚前のカップルは恋愛に夢中で、自分が望んでいることを相手も望んでいるものと思い込み、毎日の生活のことなど考えないまま一緒に暮らしはじめることになりがちです。

ところがいざ結婚してみると、相手との考えの違いに気づいて腹を立てたり、ストレスを抱えたりすることが多いものです。「愛があれば大丈夫」という根拠のない自信を捨て、2人でステップファミリーの問題を知り、ともに向きあう覚悟をしておきましょう。

本書を読んでいる方は、すでに問題意識をもって子連れ再婚を学ぼうとしている方だと思いますが、いくら話をしてもパートナーがこの問題を自分のこととして考えてくれない場合があります。そんなときには、再婚の時期を少し先延ばしにしてでも、一緒に学んでくれるように説得したほうがいいと思います。再婚してから「こんなはずじゃなかった」と思っても、取り返しがつかないことが多いからです。

子連れ再婚は自分たちだけではなく、子どもも巻き込んでしまいます。大人の都合で子どもを振りまわすことを最小限に抑えるためにも、これから起きるかもしれない問題を2人で事前に覚悟しておくことが必要です。

具体的に話し合って紙に書きだしてみる

まずは再婚してからの生活のことを2人で具体的に話し合っておきましょう。どんな家庭を築きたいかという考えは、その人のそれまでの経験が基準になっています。最初に築いた家庭が自分の理想どおりにならなくて、今度こそは理想の家庭を築きたいと思っている人が多いと思いますが、2人の理想が同じとはかぎりません。おたがいの理想や希望を理解しておかないと、さきざき衝突することになります。

じっくり話し合うきっかけとして、2人で相談しながら以下の項目を紙に書きだしてみてはいかがでしょうか?プレナップをつくる準備としてもおすすめです。

1−それぞれが思い描く理想のステップファミリー像

どんな夫婦になりたいか?継親と継子の関係をどんなふうに築きたい/築いてほしいか?どんな家族をめざしたいか?これらについて、おたがいの理想を知っておきましょう。

2−家庭のなかでのそれぞれの役割

パートナーや子どもにとっての自分の役割をイメージしたうえで、具体的な家事や育児の分担を相談しておきましょう。たとえばわが家では、継子の保育園の送迎は私が担当することに決めましたが、保護者としての責任はあくまでも実親である夫がもつことにしました。最初に話し合っておいてよかったことです。

3−再婚しても続けたいことについて

それぞれ以前から続けている習いごとや趣味があれば、再婚後の生活設計や家計にも影響するので、2人で話し合っておきましょう。仕事についても同様です。妻が共働きを望んでいるのに、夫は妻に専業主婦を望んでいる場合もあるので、確認をしておきましょう。

4−子どものしつけについて

一番もめやすい事柄であり、重要な部分でもあります。おたがいの子育てに関するこだわりを話し合っておきましょう。たとえば「礼儀正しくあいさつのできる子」 「嘘をついたり他人に迷惑をかけたりしない子」などという感じで、目標を具体的に書きだし、現在できていないことについて、どうしつけをしていくかなど話し合えるといいと思います。

5−子どもの養子縁組について

「する」か「しない」か、またその理由について、おたがいの考えを話しておきましょう。養子縁組のメリット・デメリットは、家庭の事情によっても異なります。よくわからないまま養子縁組をしてしまうことがないように、事前に理解を深めましょう。

6−再婚後に暮らす場所について

家計に大きくかかわる問題です。通勤や子どもの通園・通学を考慮して決めなくてはならないことなので、早めに具体的に考えていく必要があるでしょう。

7−再婚後の生活費の負担について

現在の貯金や収入などを開示しあい、これから再婚にともなって必要となる費用を予想し、どう分担するか考えます。再婚後の生活費まで計画的に考えましょう。

8−夫婦でかなえたい夢と実現に向けたプラン

2人で共有する夢が明確になっていると、多少の困難にぶつかってもがんばる気力が湧いて乗り越えられます。夢とその実現に向けたプランを話し合っておきましょう。

9−の配偶者との関係

離婚している場合は、再婚後の養育費や面会交流のことを確認しておきましょう。

10−元配偶者の仏壇や法事について

死別の場合は、これらが問題になりやすいので、きちんと話し合っておきましょう。

2人の意見が違うところがあっても、それはどちらかが悪いということではなく、すりあわせをしていけばいいことです。おたがいの意見の違いを知ることによって、いずれ解決の方法も見えてくると思います。

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【著者】新川てるえ(しんかわ・てるえ)
作家、家庭問題カウンセラー、NPO法人M-STEP理事長。1964年生まれ。離婚・再婚経験を生かし97年にシングルマザーのための情報サイト「母子家庭共和国」を立ち上げる。家庭問題カウンセラーとして雑誌やテレビなどで活躍。著書に『シングルマザー生活便利帳』(太郎次郎社エディタス)、『子連れ離婚を考えたときに読む本』(日本実業出版)など。