子育て・教育特集

【連載#3】子どもを叱るとき/家族イベントをしているか

『よい親 ダメ親 ふつうの親』より一部抜粋

【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介
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著者 清水克彦

目次

  1. 子どもを叱るとき
    1. 子どもが反発するだけ、感情的な叱り方はやってはいけない
    2. 自分からやってみようと思うようになる「叱り方」とは
  2. 家族イベントをしているか
    1. 松下幸之助流「人生を成功に導く条件」を実践するには
    2. 家族っていいものだと子どもが感じる家庭にするには

子どもを叱るとき

【連載#3】子どもを叱るとき/家族イベントをしているか
(画像=siro46/stock.adobe.com)

子どもが反発するだけ、感情的な叱り方はやってはいけない

「もっと早く起きなさい」「何度言ったらわかるの?」「いつまでテレビ見てるの? ちゃんと勉強しなさい!」
わが子を見て、いろいろ言いたくなることはたくさんあるはずです。わが家でも過去、何十回、いや何百回となく繰り返してきたフレーズです。しかし、冷静に考えてみれば、こうした感情的に発した言葉で子どもの態度がよくなることはほとんどありません。
ダメ親は、つい、目の前の子どもの態度を見て、思いついたことをそのまま口にしてしまいますが、それによって一時的に改善されることはあっても、「叱られたくない」という気持ちからくるものなので、サスティナブル(持続可能)な改善にはなりません。反抗期にある子どもだと強く反発されるのがオチです。

自分からやってみようと思うようになる「叱り方」とは

叱り方の基本形としてお勧めしたいのは、次の3つです。

  • 子どもに考えさせる言い方をする
  • 全否定は避け、なぜ、そうしなければいけないのか、きちんと説明する
  • 兄弟姉妹や優秀な友だちと比較しない

たとえば、何度言っても早起きが苦手な子には、「今、何時だっけ? 何をする時間かな?」と声をかけたり、「どうして起きられないのかな?昨日は何時に寝たの?」と考えさせる言い方をしてみます。「眠いのはわかるけど、ギリギリまで寝ていて、あわてて学校に行こうとすると、忘れ物をしたり、交通事故に遭あっちゃう確率が高くなるんだよ」など、どうして早めに起きなければいけないかを説明することも大切です。
もちろん、一度や二度では効果は表れないかもしれませんが、折に触れて、考えさせたり、きちんと説明していると、子どももしだいに早起きするようになってきます。
このとき、「お兄ちゃんは、ちゃんと起きてこられたけどなあ」とか「同じクラスの○○くんは、朝起きて勉強してから学校に行くらしいよ、えらいよね?」といったように身近な誰かと比較しないこともポイントになります。
比較されると、自分の劣っている部分だけでなく人格まで否定された気分になるばかりでなく、「どうせ僕(私)にはできないんだよ」という気持ちになるからです。
先の項で述べた「飽きっぽい」「すぐ投げ出す」「打たれ弱い」「自分から進んで行動できない」というケースはもちろん、「約束を破る」「乱暴な言葉づかいをする」「けじめがない」 といった場合も、感情で叱らず、どのように言えば子どもの心に届きやすいかを考えて言葉を発するように留意してみましょう。
ベターなのは、お父さんやお母さんの子ども時代の体験談を交えて話してみることです。
「お父さんも変な言葉づかいをしていたけど、それってかっこ悪いとわかったんだよ」
「みんなの前でお話しするのは恥ずかしかったけど、せっかく思いついたのだから、みんなに教えてあげようと思って言ってみたら、とっても喜ばれて気持ちよかったよ」
こんなふうに、「最初はできなかったけど、○○したらできるようになった」と語れば、子どもも「じゃあ僕(私)もやってみようかな」と考えるようになります。

家族イベントをしているか

松下幸之助流「人生を成功に導く条件」を実践するには

パナソニック(旧松下電器)創業者の故・松下幸之助氏は、人生を成功に導く第一条件として、「陽気さと素直さ」を掲げていた経営者です。
陽気、すなわち快活であることは、上司を含め周囲の人間からかわいがられる必須条件ですし、素直であることは、先達のアドバイスに真剣に耳を傾ける素地になります。
その陽気さと素直さをいつも実践できるようにするには、健康であること、そして、家族仲がいいことが重要になってきます。
「そんなの当たり前でしょ?」という方がいるかもしれませんが、この2つを重視する姿勢がなければ子どもは伸びません。私たちが毎年、神社仏閣や教会で「健康でありますように」と祈るのは、両親の健康は子どもにとって重要であり、また、子ども自身にとっても、これがなければ何も始まらないからではないでしょうか。
繰り返し述べますが、子どもの健康のためには、「早寝早起き、しっかり朝ごはん」が欠かせません。小学校の中学年以上になると、家庭によっては、中学受験などに備えた勉強で、夕食もろくに摂らせず塾に行かせ、勉強で夜更かしさせた挙げ句、翌朝は、朝ごはんも食べずに登校、というパターンに陥りがちです。
ゲームやインターネットで夜更かし→睡眠不足→朝食抜きで学校へ、などというサイクルは言うに及ばず、「子どもにはしっかり勉強させている」という家庭であっても、安定した睡眠時間の確保と栄養の補給は第一に考えてあげてください。
学力から見ても、 時間程度の睡眠と、朝夕、しっかり食べている子どものほうが、テストの正答率は高いものです。東京大学に多くの合格者を出すことで知られる筑波大付属駒場中・高等学校などは、保護者に対し、このことを最初に徹底させているほどです。
もう1つの家族仲も、「陽気で素直」な子どもに育て、これからの伸びシロを大きくしていくうえで大きなファクターになります。

家族っていいものだと子どもが感じる家庭にするには

「そうはいっても、仕事が多忙で、家族で何かをするという時間がなかなか取れない」という方もいるでしょう。厳しいようですが、これでは失格です。

「最近、子どもがあまり話してくれなくなった」
小学校高学年の子どもを持つ親からしばしば聞かされる言葉です。しかし、この言い方は半分間違いです。子どもがさかんに近寄ってきていた10歳くらいまでに、「今、忙しい から」などと、お父さんやお 母さんが、何度となく子どもを遠ざけてきた結果なのです。
筆者も、超多忙で勤務時間も不規則なマスメディアで仕事をしていますが、家族の誕生日、結婚記念日、クリスマス、年に数回のレジャーのための時間は確保しています。
それだけは「絶対に死守する」と考え、家族だけのイベントを予めカレンダーに大きく書き込み、自分の1年間のスケジュールの中から天引きしておけばいいのです。当日は盛大に盛り上がれば、子どもは「愛されている」と確信し、明るいキャラに育っていきます。
もっと言えば、誰かの誕生日でもないのにケーキを買って帰る、家族の誰かの日頃の努力に対して、ちょっとしたギフトを贈る、ときには奮発して豪華なディナーを食べに行くなど、サプライズを演出してみると家庭の雰囲気がパッと明るくなります。
配偶者への感謝なども、心の中で思っているだけでなく行動で示せば、子どもは「家族っていいものだ」と感じ、勉強などに身が入るようになります。

よい親 ダメ親 普通の親
清水克彦
1962年愛媛県生まれ。早稲田大学教育学部卒業、同大学院公共経営研究科(現・政治学研究科)修了。文化放送入社後、政治記者を経て米国留学。帰国後、キャスター、情報ワイド番組プロデューサー、江戸川大学講師などを歴任。現在は、報道部デスクとして政治と教育問題をテーマにした取材や特別番組を手がけるかたわら、育英短期大学現代コミュニケーション学科講師、南海放送「木藤たかおの日曜プレスクラブ」コメンテーターとしても活動中。著書はベストセラー『頭のいい子が育つパパの習慣』『頭のいい子が育つ祖父母の習慣』(ともにPHP文庫)をはじめ、『子どもの才能を伸ばすママとパパの習慣』(講談社)、『勉強好きな子が育つパパの習慣』(朝日文庫)、『ラジオ記者、走る』(新潮新書)、『「政治主導」の落とし穴』(平凡社新書)など多数。

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