子育て・教育

「ステップファミリー」とは?新たに築く家族のかたちを考えよう

 

連れ子がいて結婚した家族のことを「ステップファミリー」と呼びます。連れ子との関係や家族としてのあり方など、初婚にはないさまざまな悩みやストレスを抱えている人が多いとされています。日本では認知度が低く支援態勢も整っていないことから、精神的に追い詰められたり、孤独に陥ったりするケースも目立ちます。どのようにすればポジティブな形で新たな家庭を築いていけるのか、改めて考えてみましょう。

著者 渡辺友絵

さまざまなかたちがあるステップファミリー

ステップファミリーとは?新しい家族のかたち
(画像=Versta/shutterstock.com)

「ステップファミリー」とは、子連れでの再婚や子連れ相手との結婚で誕生した家族のことを指す言葉です。「ステップ」は英語で義理の関係や継父母などを表しますが、新しい家族を継続してつないでいくという、前向きな言葉であるとのとらえ方もできます。

いろいろなかたちがあり、配偶者と離別や死別をして子どもがいる場合や、未婚のシングルマザーやシングルファザーが結婚・再婚する場合も「ステップファミリー婚」といえます。中でも多いのは離婚経験者による子連れの再婚とされ、相手が初婚の場合でもステップファミリーと呼ばれます。離婚がごく一般的になっている近年では、多くの男女がステップファミリーになる可能性があるといえるでしょう。

連れ子との関係など、悩みやストレスを抱えている実態も

ステップファミリーは増加しているとはいえ、やはり初婚とは違い、家族としてさまざまな問題を抱えており、それぞれ悩みやストレスがあるのが現状のようです。子連れで新たな家庭を築くことになるため、子どもの気持ちや家族同士のコミュニケーションにいっそうの配慮が必要といわれています。

多くの親たちが最も悩んでいるのが、相手の連れ子との関係だとされています。子どもとの信頼関係を築くことがステップファミリーの基盤となるわけですが、パートナーの連れ子に心を開いてもらうことが簡単にいくとは限りません。一方で、自分もその子をどれだけ理解することができ、家族としての愛情を持てるのかという問題もあります。

子どもがまだ幼いならば、ある程度なじんでくれる可能性もあるかもしれませんが、年齢が上がり思春期に差しかかった時などは、関係性を築くことはいっそう難しくなりそうです。特に女性の場合は、家族が急に増えたことによる育児や家事の負担の重さも、疲れやストレスの原因になるのではないでしょうか。

また、互いの連れ子とうまくコミュニケーションをとれないことから、パートナー同士がギクシャクしてしまうこともあるかもしれません。夫婦のいさかいに発展してしまえば、再婚を悔やむ人も出てくるのではないかと危惧されます。

ステップファミリーが抱える問題の解決策はある?

ステップファミリーならではのさまざまな悩み。解決のためのステップとして、まずは考え方からアプローチしてみましょう。

連れ子とうまくいかないのは当然と考える

連れ子と上手に関係性を築いたり、スムーズにコミュニケーションをとったりできれば理想的ですが、誰でもそう簡単にはいかないのだということを、まずは理解しましょう。

家族ではあるものの、実の親子ではないという事実を自分なりに受け入れ、焦らずゆっくりと時間をかけて、つき合っていくことも1つの手段といえます。

親として認識させることを子どもに強制すると、かえって反発を招いてしまう可能性があるようです。まずは、「自分を理解してくれて信頼できる大人」であると子どもに感じてもらえるような接し方を心がけることが大切です。

一般的な父親や母親の呼称ではなく、パートナーや友人が使っている愛称やニックネームで呼んでもらうことも、子どもの抵抗感を軽減するのではないでしょうか。

連れ子との関係性と同じくらい重要なのは、パートナーとの信頼関係とコミュニケーションです。お互いに子どもが懐かないなどの愚痴をこぼしてしまう時もあるでしょうが、言い合うだけでは問題は解決しません。どうすれば子どもの気持ちに寄り添えるのか、ポジティブな形でのコミュニケーションを心がけることが解決への糸口となります。

悩んでいるのは自分だけではないことに気づく

欧米と違って日本では「ステップファミリー」の認知度がまだ低く、理解や支援も進んでいません。ひとり親への公的支援は増えてきていますが、ステップファミリーにまでは追いついていないのが現状です。そのため、誰かに悩みを聞いてもらって気持ちを楽にしたいと思ってもなかなかその機会や受け皿がないことが、当事者たちのストレス増長につながっています。

必要なのは、同じような立場で悩んでいるのが自分だけではないと気づくことです。世の中にはたくさんのステップファミリーがいて、ほとんどの当事者がストレスや息苦しさを感じていることを知ってほしいと思います。

数は少ないものの、専門の支援団体も存在します。無料の電話やメールの相談窓口を設けていて、経験や知見がある専門員によるカウンセリングやセミナー、ステップファミリーだけの交流会なども開かれていることを覚えておきましょう。

今はSNSも活発になっているため、サイトを通じて当事者同士で話したり共感し合ったりすることで、ストレス解消につながる可能性もあります。また、ステップファミリーを目指したいと思っている人向けに、ひとり親同士が子連れで交流できる支援サークルも登場しています。

自分が前向きになりたいと思えば、同じような立場の人たちとつながることができるということをぜひ知っておいてください。まずはお手元のスマホを使い、情報収集してはいかがでしょうか。

初婚にはないプラス面も見つけポジティブ思考で

難しさもあるステップファミリーですが、一方で初婚にはなかったようなプラス面もあるでしょう。ある程度人生の苦楽を知ったパートナー同士が力を合わせて居心地のよい家庭を築いていくことで、人生はより味わい深いものとなる可能性があります。

連れ子の苦労はあるものの、家族が増えることで、にぎやかで活力のある日々を過ごせるというプラス思考も必要ではないでしょうか。また、もし新たな命を授かるようなことがあれば、家族のあり方や連帯感によりよい変化が生まれるかもしれません。大切なのは、自分が選んだ人生をいかにポジティブに過ごしていくことではないかと思います。