子育て・教育

「どうしてお父さんがいないの?」に答える先輩ママの名回答

 

シングルママの大きな悩みの1つが「どうしてお父さんがいないの?」という子どもからの素朴な質問です。離婚はデリケートな問題でもあり、安易に説明できるものではありません。ここは先輩シングルママの知恵を借りて、事実を伝えながら子どもを傷つけない名回答を紹介しましょう。

著者 永嶋泰子

子どもは「理解できるような説明」を求めている

「どうしてお父さんがいないの?」に答える先輩ママの名回答
(画像=ANURAK PONGPATIMET/Shutterstock.com)

子どもが乳幼児期に離婚した場合、離婚の事実をどのように伝えるのかは難しいところです。幼稚園や保育園にいけば、お友だちに「どうしてお父さんがいないの?」と聞かれ、子どもとして困ることもあるはずでしょう。しかし、お父さんのいない理由に離婚を説明しても理解できる年齢ではないため、どのように受け止めるのかわからない不安もあります。また、生活・仕事・人間関係など環境が大きく変わる離婚は、親にとってもデリケートな問題であり、安易に子どもに説明できない場合もあります。

東京大学大学院による面接調査によると、子どもに離婚の説明をした親は101人中71人でした。説明しなかった理由は子どもの年齢層によって異なりますが、子どもの年齢が低い場合は「よくわからないと思って」や「離婚当時には説明せず、数年後に説明」という回答結果となっています。

そして子どもからは、「子どもでも理解できるような説明をする」ことを求める声があることも記されています。生活・転校・人間関係など環境が変わるのは子どもも同じであり、精神的な不安が大きいからです。子どもも自分なりに状況を理解し、受け止める必要があるのです。

子どもの心を傷つけずに理由を伝える、先輩ママの名回答

上手に、そして、子どもの心を傷つけずに「お父さんがいない」ことを伝えたい。そのためには、どのような言い方があるのでしょうか。今回は、昔からよく使われている先輩シングルママの名回答を3つお伝えします。

名回答1:「遠くにいるから、なかなか会えないの」

お父さんに会えない事実をそのまま「遠くにいるから、なかなか会えないの」と伝えます。対してよくありがちなのが、亡くなったことにすることですが、これは成長すれば、どこかでウソだとわかってしまいます。善意からのウソだったとしても、事実を伝えられていなかったことで傷つくこともあるかもしれません。信頼関係を一瞬にして失いかねないウソをつくよりも、シンプルに事実を伝えるほうが、後々の親子関係にプラスになると考えましょう。

名回答2:「お父さんとお母さんは、別々のお城に住むことになったんだよ」

子どもに大きな安心感を伝える言い方があります。「お父さんとお母さんは、別々のお城に住むことになったんだよ。〇〇ちゃん(君)はママと一緒にお城をつくっていこうね。」というものです。

生活や学校、人間関係など環境が変わり不安を感じているのは子どもも同じです。むしろ自分で決められないことが多い分、先行きへの不安は大人より感じているかもしれません。「一緒になにかをする」と伝えることで子どもに安心感を与え、親子の信頼関係を深めるきっかけとすることができるでしょう。

名回答3:「お父さんのいる家族も、いない家族もあるんだよ」

多様な家族のかたちを伝える、という視点から「お父さんのいる家族も、いない家族もあるんだよ」と伝える例があります。このとき、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に住んでる友だち、兄弟がたくさんいる友だち、一人っ子の友だちと、様々な家族のかたちがあることもあわせて説明します。幼稚園や保育園での問いかけから質問がある場合は、子どもはすでにいろいろな家族のかたちを知っているので、素直に聞き入れ、納得するはずです。

家族や身近で大切な人との別れは、離婚に限らずあるものです。様々な家族のかたちがあり、さらには様々な生き方もあることを伝えていくことで、子どもの視野が広がるきっかけになることでしょう。

お父さんの不在を伝えることは、子どもの視野を広げるチャンス

離婚は、ママにも子どもにもデリケートな問題です。今回は、子どもが事実を受け止められるためのメッセージ例をお伝えさせていただきました。ここで大切なのは、ママが自分自身の選択に自信を持つことです。多様性が当たり前の現代では、様々な家族のかたちがあって当然です。臆することなく、子どもに伝えていきましょう。

そして忘れてはならないのは、“ママはあなたを愛している”という事実を伝える機会とすることです。「どうしてお父さんがいないの?」という答えに窮してしまうのも、子どもを愛しているからこそです。子どもからの難しい問いかけに対し、先輩ママの名回答に加えて、子どもに対するママの思いを伝えることが、親子の深い絆を作り上げることにつながるのではないでしょうか。