暮らし・ライフハック特集

【連載#3】ひとり親家庭のライフプラン

『新版 子連れ離婚を考えたときに読む本』より一部抜粋

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離婚したあと、生活が落ち着いてきたら、中長期の生活設計について考えましょう。計画的に備えておかなくてはいけないお金としては、子どもの教育費と老後資金があります。(本項執筆:ファイナンシャル・プランナー 豊田眞弓)

目次

  1. 落ち着いたら「未来の自分への仕送りプラン」を
  2. 進学費用は中学卒業までにめどを
  3. 教育費には自治体からの様々なサポートも
  4. 老後資金のため「年金分割」を忘れずに

落ち着いたら「未来の自分への仕送りプラン」を

【連載#3】ひとり親家庭のライフプラン
(画像=takasu/stock.adobe.com)

 家計に関して一度取り組んでほしいのが、「未来への仕送りプラン」の作成です。何のために、いくら貯めるべきかを整理したものです。仕送りの相手は、未来の自分です。  作成自体は難しくありません。次ページ表のように、貯めるべき目的と目標額を書き出します。誰にとっても絶対に必要なものが生活予備費です。何かの理由で収入が途絶えたり、養育費が滞ることもあるかもしれません。急な出費が発生する場合もあります。想定外の事態に備えるため、生活費の3か月分を目安に用意しておきましょう。  他にも、子どもの教育資金や親資金(親の入院・介護で駆け付ける交通費など)、老後資金、表にはありませんが、住宅を買う予定なら住宅資金も加えましょう。あとは、どうやって貯めるかなどをメモ欄に記入するだけ。  この「仕送りプラン」の実現に無理がありそうなら、支出削減や収入アップ、お金に働いてもらう投資を研究するなどの対策を考えましょう(投資にはリスクもありますが)。

▽未来への仕送りプラン

目的 目標額 どう貯める?
月額 メモ
生活予備費 30万円 5000円 普通預金。家計の防波堤として最初に貯めるもの。生活費の3か月分が目標。
教育資金 250万円 1万円 学資保険など。高校卒業後の学費。児童手当とお年玉等で近い額は貯められます。
親資金 30万円 5000円 自動積立定期。余力があれば。親の介護の際の備えにもなります。
老後資金 200万円 1万円 個人年金保険やつみたてNISA。人生100年時代、老後資金も大事。目標額は徐々に上げましょう。

 投資ビギナーさんであれば、「つみたてNISA」という制度を上手に活用するといいでしょう。年間40万円まで(最長20年)の投資信託の積立で、配当や運用益が非課税になります。コストが低い長期積立に向く商品が並んでいます。期間が長いので、インフレに備える意味でも、老後資金の積立などに活用するのに向いています。

進学費用は中学卒業までにめどを

 高校卒業後、大学や専門学校まで行かせたいと考えるなら、子ども1人につき「200万〜300万円」を目安に貯金を。足りない分は奨学金で補えばどうにかなります。最もラクな準備法は、毎月コツコツと貯めること。中学卒業までにある程度貯め終えることを目標にしましょう。難しいなら目標額を下げてもいいので、とにかく着手することです。
 ちなみに、児童手当を教育費としてキープしておけば、0~15歳で200万円弱になります。これにお年玉などの貯金を足せば、目標はほぼ達成可能です。
 貯めたお金は、職場の「財形貯蓄」や銀行の「自動積立定期」、または保険会社の「学資保険」などに入れておきましょう。インフレに備えて「つみたてNISA」を使うのも一案ですが、リスクのある商品は準備資金の1~3割以内に抑えましょう。

教育費には自治体からの様々なサポートも

 教育費は将来の準備とともに、目先でかかる分にも対応しなくてはなりません。しかし最近は、様々なサポートが増えています。  例えば、公立保育園はひとり親家庭は比較的入りやすく、所得によりますが費用は低く抑えられています。公立保育園に入れず、やむを得ず無認可保育園に入った場合でも、自治体によっては保育料の一部を補助してくれるところもあります。
 小・中学校時代は、所得によっては「就学援助制度」で給食費や学用品費などを援助してもらうことができます。高校も、国による「高等学校等就学支援金制度」で、所得が一定以下の場合、公立なら授業料月9900円が支給され、私立高校でも最大で2.5倍までの支給を受けられます。また最近は、都道府県ごとに、私立高校の入学金や授業料等を補助する制度も充実してきました。
 さらに、所得が低い世帯を対象に、「高校生等奨学給付金」として、国公立の高校等における授業料以外の教育費負担を軽減する支援制度もあります。他にも、東京都の例ですが、所得が一定以下の世帯に塾代や受験料を無利子で貸し出す「受験生チャレンジ支援貸付事業」という制度も。貸付といいながら高校・大学に合格すると返済が免除になります。
 大学時代については、ひとり親世帯は日本学生支援機構の無利子奨学金が借りやすいほか、所得が低い場合は、高校等の推薦があれば給付型奨学金も利用できます。また、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」を借りる場合でも、金利や返済期間の優遇があります。ほかにも、母子父子寡婦福祉資金貸付の「就学支度資金」や「修学資金」を無利子で利用することもできます。

老後資金のため「年金分割」を忘れずに

 人生100年時代などと言われ、老後が長くなっています。とくに男性より長生きの女性は老後にしっかり備えておく必要があります。末子が中学を卒業したら、自分の老後資金の準備も始めておきましょう。
 老後資金の貯蓄目標額は、簡単に言えば、リタイヤ後にかかる費用の累計から、年金などでもらえる額の累計を引いた額です。
 老後資金の目安としては、おひとり様の会社員で退職金を含め2000万円とも言われます。介護にもお金がかかる時代です。年々平均寿命が延び、人生が長くなっていますので、油断せずに老後資金の準備をしましょう。
 また、自分の老後に少しでも余裕をもたせるためにも、厚生年金に入っている配偶者と離婚をする際には、「年金分割」の手続きを必ず行ないましょう。結婚していた期間について、将来、受け取る年金額を一部付け替えてもらうのです。
 国民年金は夫婦それぞれなので、対象になるのは厚生年金の部分だけです。ただし、付替えはあくまでも記録上のことで、恩恵を実感するのは年金を受け取る時期になってからです。
 主婦やパートなどの「第3号被保険者」(サラリーマンの配偶者等)の場合、2008年4月1日以降の分は請求手続きだけで自動的に分割されます。2008年3月以前も結婚していた場合は、その分の分割については夫婦での合意が必要です。合意できないときは、家庭裁判所に申立てをして裁判所が按分割合を定めます。いずれの分割も離婚後2年で請求権がなくなるので、早めに手続きを!

新版 子連れ離婚を考えたときに読む本
新川てるえ(しんかわ・てるえ)
NPO法人Wink理事長。1964年東京生まれ。10代でアイドルグループのメンバーとして芸能界にデビュー。その後、2度の結婚、離婚経験を生かし97年12月にインターネット上でシングルマザーのための情報サイト「母子家庭共和国」を主宰。2002年、家庭問題に悩む女性の自立を支援するNPO法人Winkを設立。現在は、家族問題コメンテーター・カウンセラーとして、雑誌やテレビなどに多数出演。「子どもの健全育成のために大人世代の責任の全う」を目標に、活動を展開中。厚生労働省・母子家庭施策のオブザーバー、東京都DV一時避難施設の契約カウンセラーなども行なう。主な著書に『離婚後の親子関係サポートBOOK』(ひつじ書房)、『できる!シングルマザー生活便利帳』(山海堂)がある。

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