お金・養育費

私立高校の授業料が無償化!シングルマザー向けに制度の要点をやさしく解説

 

教育費は家計にとって大きな負担。だからといって、わが子の将来の選択肢を狭めたくない……。そんな悩みをもつシングルマザーも多いことでしょう。こういった悩みを受け、2020年度から、私立高校の授業料が実質無償化されました。今回は「本当に無料なの?」「条件や制約はあるの?」といった疑問に答えられるよう、制度の内容を丁寧に解説していきます。

著者 緒川 棗

目次

  1. 2020年度から私立高校の授業料が実質無償化された
  2. 支援金はいくらもらえる?年収の目安を紹介
  3. 支援金の申請手続きの方法は?
  4. 授業料の無償化は養育費には影響しない
  5. 授業料以外の費用は計画的に貯金しよう

2020年度から私立高校の授業料が実質無償化された

私立高校の授業料が無償化!シングルマザー向けに制度の要点をやさしく解説
(画像=BillionPhotos.com/stock.adobe.com)

2020年4月から、私立高校の授業料が実質無償化となりました。私立高校の学費は決して安くはないため、このニュースのインパクトは大きいことでしょう。じつはこの制度、今回新たに始まったのではありません。もともとあった「高等学校等就学支援金」制度の金額が増額されたものなのです。

高等学校等就学支援金制度とは、授業料を支払うのが困難な生徒を支援する制度です。一定の要件を満たす生徒が申請すれば、都道府県が生徒に代わって修学支援金を学校に支払ってくれます。これにより実質的に無償化がなされ、生徒が授業料を学校に支払わなくても、他の生徒と同じように学校に通うことができるのです。

この制度により、2020年3月以前も、公立高校の授業料は無償化されていました。当時から私立高校の学費についても、公立高校の授業料相当分に加えて、一定の加算額を受け取れるようになっていました。

しかし、私立高校の学費は高く、加算額を含めても学費のすべてをまかなうことはできませんでした。これでは、私立高校に通いたくても公立高校を選ばざるを得なくなってしまいます。

そこで、今回の制度変更で、加算額の増額が行われました。これによって、2020年4月からは、私立高校の授業料も実質無償化されたのです。

支援金はいくらもらえる?年収の目安を紹介

文部科学省のリーフレットによると、受け取れる支援金と年収の目安は下記のとおりです。

▽高校生の子が2人おり、両親のうち一方が働いている場合

  • 年収約640万円未満:39万6,000円支給
  • 年収約950万円未満:11万8,800円支給

▽高校生・大学生の子が2人おり、両親のうち一方が働いている場合

  • 年収約650万円未満なら、39万6,000円支給
  • 年収約960万円未満なら、11万8,800円支給

なお、通信制の私立高校の場合は29万7,000円、国公立の高等専門学校の場合は23万4,600円が支給上限額です。

また、全日制の支給期間は36ヵ月(3年間分)、定時制・通信制の支給期間は48ヵ月(4年間分)です。休学や留年によっては、支援金を受け取れない期間が発生する可能性があるため、注意しましょう。

支給額や年収要件はあくまで目安です。家族構成や副業の有無によって変わることがあります。また、自治体によっては、独自に補助金や助成金を支給している場合があります。

そのため、支援金を受け取る前は自治体のホームページや学校によく確認しましょう。

支給対象となるのは、2014年度以降に高校等に入学する生徒です。そのため、現在在学中の生徒も対象となります。ただし、すでに卒業している場合は対象にはなりません。

支援金の申請手続きの方法は?

支援金の申請手続きについては、入学時や入学前に学校から案内があるので、忘れずに手続きをしてください。その後、都道府県が書類をもとに受給資格の認定を行います。なお、申請した月から支給開始となるので、手続きが遅れないよう注意しましょう。

▽必要書類

  • 申請書
  • 保護者等のマイナンバーがわかる書類
    (マイナンバーカードの写し、マイナンバー通知カードの写し、マイナンバーが記載された住民票の写し等)

他にも、都道府県が指定する必要書類があるケースがあります。学校からの案内に従って手続きしましょう。

なお、支援金は学校に直接振り込まれます。保護者や生徒が受け取るものではないため、注意しましょう。

また、学校によっては先に授業料を徴収し、その後支援金が支給されてから、還付されるケースがあります。その場合、一度は授業料を学校に支払わなければなりません。気になるときは、事前に学校側によく確認しておきましょう。

授業料の無償化は養育費には影響しない

私立高校の授業料が無償化されれば、家計の負担は軽くなります。それによって、養育費が減額になるのではないかと心配になるシングルマザーもいるでしょう。

裁判所はいまのところ、「授業料の無償化は養育費には影響しない」という姿勢をとっています。そのため、ただちに養育費が減額されるという心配はないでしょう。

一方で、あくまでこれまでの裁判は「公立高校の授業料無償化」について争われたものなので、今後裁判所がどのような決定をするかはわかりません。養育費減額に関する裁判が起きた際には、注意して見ておく必要があるのでしょう。

授業料以外の費用は計画的に貯金しよう

公立高校だけでなく私立高校の授業料も無償化されたことで、進学先を幅広く選択できるようになるでしょう。

一方で、無償化されるのはあくまで授業料だけで、その他の費用までカバーされるわけではありません。授業料以外の課外活動費や教科書代等は家計から捻出する必要があるため、授業料以外の費用については十分に学校側に確認しましょう。やはり計画的に貯金しておくことが大切です。

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