【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

Q:未婚の場合の養育費、認知は必要ですか?

出産前に結婚の口約束はしていたのですが、結局入籍してもらえず、未婚で子どもを出産しました。しかし、胎児認知はしてもらっています。

現在、その男性とは別れています。養育費は払わないと言われていますが、認知の場合は離婚と違って、養育費はもらえないのでしょうか。もらえるとしたら、払わないと言っている人にどういうふうに請求したらいいのでしょうか?

A:認知があれば父親として養育費を支払う義務があります

認知があるのであれば、父親として養育費を支払う義務があります。相手に頼らずに自分ひとりで育ててみせると認知請求をしないで別れてしまう人がいますが、子を育てていく過程では、いつ、どんな理由で父親のサポートが必要になるかわかりません。そんなときのためにも認知はしてもらいましょう。認知の訴えは、父の生存中であれば、出生後何年たっても提起することができます。

ご相談の養育費についてですが、まずは書面などで子どものための権利であること、父親としての義務があることをお伝えになって話しあいをされることをおすすめします。

どうしても相手が話しあいに応じない場合には、家庭裁判所にて調停をおこない、審判で養育費の金額のとり決めをすることもできます。金額に関しても、相手の年収とあなたの年収を考慮して算定表に基づいて考えられます。

とり決めた金額は公正証書や調停調書にすることで債務名義になるので、支払いがされない場合には間接強制や強制執行により、相手の給料から定期的に支払われるようにすることが可能です。あなたのように未婚で出産するシングルマザーも増えています、どうかがんばってください。

Q:養育費が未払いになりました

私は4歳の男の子の母です。主人とは2年前に暴力が原因で調停離婚しました。その際、一括で支払いできないからと、解決金と養育費は合計5万円を毎月分割で払うという調停証書をつくりました。

いままでは毎月きちんと支払われていたのですが、ここ数ヶ月前から、給料が安いので払えないというメールがたびたび入るようになりました。そのたびに「親として義務と責任は果たしてください」と返信し、月末ぎりぎりに振り込まれていました。

ところが、仕事を辞めたから今月は払えないと一方的なメールがきて、返信しても返事も電話もありません。私だけの給料で生活もままならない状況で、考えると不安です。きちんと支払ってもらうためには、どうしたらいいでしょうか?仕事を辞めたということですが、本当がどうかもわかりません。

A:なんとかしなくてはと思わせる対応を考えてみて

養育費の未払いに関しては、債務名義(あなたの場合は調停調書)があれば間接強制や強制執行が可能ですが、状況に合わせて考えていかなくてはならないと思います。彼はこれまで2年間は、しっかりと責任を果たしてがんばってこられたとのこと、減給や転職で状況が変わって本当に払えない状況であるならば、現状は待つしかないとは思います。

ご自身の生活もままならないということで、苦しい状況をお察しします。ここはまず、母子福祉生活資金の貸付を利用することなどを検討され、彼に対しては「なんとかしなくては」と思ってがんばってもらえるような対応をしていくのが得策かと思います。人は追いつめても逃げずに誠意をもって連絡してくれるように、そしてがんばれるようにするためには、あなたの対応がどうであればいいと思いますか?考えてみてください。心より応援しています。

Q:父親に子どもを会わせたいけれど、直接交渉したくない

親権者が私で離婚が成立しました。2人の子どもがあり、離婚後、子どもたちは父親には会っていません。子どもたちの気持ちを考えると、離婚は親の都合なので、離婚後にも親子交流していけたらいいかなと思うのですが、嫌いで別れた相手なので直接交渉するのは気が重いです。

調停にて、面会交流について話し合いをしたいのですが、その手順を教えていただけますでしょうか?これは弁護士に依頼すべきでしょうか?

A子どもはこれまでどおり、両親と交流し、愛されて育つのが理想的

離婚まではいっぱいいっぱいで自分のことしか考えられなかったけれど、新しい生活に慣れたころに、子どもを父親に面会させたいと考える親もいます。離婚は親の都合にもよるものなので、子どもに罪はありません。これまでどおり両親と交流し、愛されて育つことが理想的ですが、さまざまなケースがあります。

離婚時のマイナス感情が高まったままだと、冷静に考えられずに、せっかく片方が会わせたい、会いたい気持ちになっても、面会交渉(=面会交流)を拒否する親もいます。また直接、相手方と交渉することが非常にストレスになる場合もあるので、調停をとおして話しあいをおこなうのはよい選択だと思います。

調整には弁護士はかならずしも必要ありませんが、アドバイザーが必要な場合もありますので、状況にあわせて考えていくことをおすすめします。

調停は、相手方の住む管轄の家庭裁判所に申し立てをします。詳しくは家庭裁判所にお問い合わせいただき、申請書類見本を参考に記入し、申請してください。

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【著者】新川てるえ(しんかわ・てるえ)
作家、家庭問題カウンセラー、NPO法人M-STEP理事長。1964年生まれ。離婚・再婚経験を生かし97年にシングルマザーのための情報サイト「母子家庭共和国」を立ち上げる。家庭問題カウンセラーとして雑誌やテレビなどで活躍。著書に『シングルマザー生活便利帳』(太郎次郎社エディタス)、『子連れ離婚を考えたときに読む本』(日本実業出版)など。

【著者】田中涼子(たなか・りょうこ)
フリー編集者&ライター。1960年生まれ。育児雑誌や幼児雑誌などを多数手がける。近年はインターネット・サイトの母親向け記事や、教育ソフトの企画・構成にも参加。著書に『女性のための離婚のマネー学』(主婦の友社)など。