【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

Q:別れた相手を信用できない。面会交流は必要でしょうか?

先月離婚して、シングルパパになりたての23歳の者です。いまは2歳半の娘と実家に帰って暮らしています。悩んでることは面会交流についてです。

離婚の理由は、性格や考え方の違いでした。親権について話しあい、妻には収入もなく、実家も借金だらけで経済的に余裕がないことから、私が子どもを育てるということで合意しました。しかし、娘は母親といたほうが幸せになれると思い直し、話をしたところ、拒否されました。自信がないと言われたんですが、そのとき妻には好意をよせる異性がいたのです。

それを知って私は激怒して「今後、子どもは会わせないし縁を切る」と言ってしまいました。彼女は後悔し、すぐにその異性とは関係を切ったのですが、私からしてみれば一時でも子どもを捨てたことには変わりないので、信用はできません。しかし、それが子どものためになるかといえばわからないので困っています。

A:お子さんにとってもっともよいと思われる選択を考えていきましょう

子どもがいる離婚では、夫婦の縁は切れても、親同士としての新しい関係を築いていかなくてはなりません。しかにながら、相手を恨んで別れる人が多いため、すぐに親としての良好な関係を築ける人は少ないようです。

離婚による被害者は、当事者よりも子どもであるということを忘れないでください。子どもは自分もおかれる境遇を選べません。ある日突然、両親の勝手な意思で片方の親と暮らせなくなるのです。どんな親であれ、子どもにとっては大切な存在です。大人が大人として、子どもの立場や気持ちを尊重した対応ができることが望ましいと思います。

あなたのつらいお気持ちもわかります。お子さんにとってもっともよいと思われる選択を考えていこうとしている姿勢は、とてもすばらしいと思います。すぐに動けなくても、いつかお子さんにとってのよい選択をしてください。

Q:父子家庭になったら仕事と子育てどうするの?

はじめまして。シングルパパになって4ヶ月の初心者です。子どもを引きとって離婚したお父さんたちは、仕事と子育ての両立をどうされているのでしょうか?何かアドバイスがあればお聞きしたいと思い、相談します。

私は38歳、娘は4歳(現在保育園)です。娘の保育園は、延長保育をふくんで7時半~夕方6時半までです。私はいままでは、某店舗運営企業の経営幹部陣に名をつらねていたのですが、さすがに実際に仕事をする時間を考えると、移動(通勤など)を抜いての勤務時間が9時~17時くらいしか確保できません。そのため、多数の部下の手前まずいということで退職いたしました。まあ、解雇ですが……。

それは仕方がないとして、これからどうしようか、というところです。転職先を探すわけですが、転職の際に注意すべき点などをご助言いただければ幸いです。

A:父子家庭にも、母子家庭と同様の手当や支援があります

離婚の増加にともなって父子家庭も増えています。現在は核家族化や実家が遠いなどの理由から離婚後に親を頼れずに、自力で子育てと仕事を両立していかなくてはならないお父さんが増えています。

母子にできて父子にできないことはないといわれますが、社会的に男性が子育てをしながら働ける環境や制度が確立されていないため、父子には苦労があるのも現実です。

父子家庭のお父さんにはこれまで福祉の支援が何もないとあきらめてきましたが、2010年から児童扶養手当が支給されるようになりました。それにともない、母子家庭と同様にさまざまな支援が受けられるように改正が進んでいます。「母子及び寡婦福祉法」が「母子及び父子並びに寡婦福祉法」び改称され、本書に掲載されている母子家庭向け支援は、父子も受けられるようになりました。

ただし、これらの支援は待っていて情報が入ってくるものではありませんので、自分でアンテナを張ってとりにいかなくては生かせません。相談窓口に足を運び、父子家庭であることを伝えて利用できそうな制度を上手に生かしてくださいね。

また、ひとり親家庭向けの支援だけではなく子育て家庭も支援するファミリーサポートサービスなども利用できます。その他、民間がおこなっている地域の子育てサービスを上手に利用する。2重保育や放課後保育なども考え、上手に時間のやりくりをしてがんばっているお父さんもたくさんいますので、孤立しないで仲間とつながって上手に情報交換することもおすすめします。

家事、育児に関してはベビーシッターやホームヘルパーサービスをうまく利用しているお父さんもいます。少しずつですが「イクメン」が推進されて、男子絵の子育て参加に理解がある会社も増えているので、転職される際にはそのあたりを見極めることも大切です。

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【著者】新川てるえ(しんかわ・てるえ)
作家、家庭問題カウンセラー、NPO法人M-STEP理事長。1964年生まれ。離婚・再婚経験を生かし97年にシングルマザーのための情報サイト「母子家庭共和国」を立ち上げる。家庭問題カウンセラーとして雑誌やテレビなどで活躍。著書に『シングルマザー生活便利帳』(太郎次郎社エディタス)、『子連れ離婚を考えたときに読む本』(日本実業出版)など。

【著者】田中涼子(たなか・りょうこ)
フリー編集者&ライター。1960年生まれ。育児雑誌や幼児雑誌などを多数手がける。近年はインターネット・サイトの母親向け記事や、教育ソフトの企画・構成にも参加。著書に『女性のための離婚のマネー学』(主婦の友社)など。