ひとりで家計を支えるシングルマザーにとって、生活費の悩みは尽きません。この記事では、シングルマザーの生活費の内訳をくわしく解説します。あわせて、シングルマザーが活用できる公的支援や、生活費が足りない場合の見直しポイントも紹介します。
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シングルマザー(母子家庭)の生活費はいくらかかる?

総務省が公表している「家計調査(2025年公表データ)」によると、母子世帯の1か月あたりの消費支出(生活費)の平均は26万6,867円でした。この数字には、家賃や食費といった日常の支出だけでなく、教育費や娯楽費なども含まれています。
なお、これはあくまで全国平均であり、お住まいの地域や子どもの年齢、人数によっても大きく変動します。あくまでもひとつの参考としてご確認ください。
シングルマザーの生活費の内訳
総務省の「家計調査」をもとに、母子家庭における生活費の内訳を以下の表にまとめました。
| 支出項目 | 平均金額 |
|---|---|
| 食料(食費) | 6万4,576円 |
| 住居(家賃など) | 3万5,652円 |
| 光熱・水道 | 2万513円 |
| 家具・家事用品 | 8,237円 |
| 被服及び履物 | 1万1,624円 |
| 保健医療 | 9,180円 |
| 交通・通信 | 3万1,714円 |
| 教育 | 2万4,928円 |
| 教養娯楽 | 2万8,307円 |
| その他の支出 | 3万2,136円 |
| 合計(消費支出) | 26万6,867円 |
出典:政府統計の総合窓口 – 家計調査 家計収支編 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-6 世帯類型別 二人以上の世帯・勤労者世帯 年次
それぞれの項目について、くわしく見ていきましょう。
食料(食費)
母子家庭の食費の平均は6万4,576円、これには外食やお弁当代も含みます。育ち盛りの子どもがいる家庭では、食費の負担が重くなりがちです。ただし、安易に削ると健康面に影響するため、まとめ買いや節約レシピなどをうまく活用して賢く抑えたい項目です。
住居(家賃など)
母子家庭の住居費の平均は3万5,652円でした。ひと口に母子家庭といっても、実家暮らしの人や公営住宅に住んでいる人、住宅ローンを完済している人、民間の賃貸物件に住んでいる人など、さまざまな状況の人がいます。また、地域によっても必要な住居費は異なります。都心部の民間の賃貸マンションに住んでいる場合は、平均額よりかなり高い金額が必要です。
光熱・水道
母子家庭の光熱・水道費の平均は2万513円、これは電気・ガス・水道代の合計金額です。在宅時間の長い時期や、夏や冬などエアコンを多く使う時期は、これ以上に膨らむ傾向があります。基本料金を見直したり、支払い方法をクレジットカードにまとめてポイント還元を狙ったりするなどの工夫が有効です。
家具・家事用品
母子家庭の家具・家事用品費の平均は8,237円、これには日用品や調理器具、家具などが含まれます。日用品に関しては、単価は低いもののストックの買いすぎに注意が必要です。特売日やクーポンなどを上手く活用して支出を安定させましょう。
被服及び履物
母子家庭の被服及び履物費の平均は1万1,624円、子どもの服や靴、自分の衣類などの合計金額です。入学シーズンや季節の変わり目などは一時的に多くなる傾向があります。お下がりやリユース品の活用、セールでの購入ができれば節約につながります。
保健医療
母子家庭の保健医療費の平均は9,180円、これには病院代や薬代が含まれます。多くの自治体で「ひとり親家庭等医療費助成制度」が実施されており、窓口負担は抑えられます。ただし、対象外となる市販薬や検診代などは別途予算の確保が必要です。
交通・通信
母子家庭の交通・通信費の平均は3万1,714円、スマホ代やインターネット代、ガソリン代などの合計金額です。特にスマホ代やインターネット代は、子どもの成長とともに増加することが多く、家計を圧迫する要因のひとつです。
教育
母子家庭の教育費の平均は2万4,928円、子どもの学校に係る費用や塾代、学用品費などが含まれます。公立・私立の違いや学年によって大きく変動します。将来の進学を見据え、児童手当などを貯蓄に回したり、自治体の学習支援制度を併用したりして負担を軽減しましょう。
教養娯楽
母子家庭の教養娯楽費の平均は2万8,307円、レジャーや趣味にかかる費用のほか、習い事代が含まれます。心のゆとりに直結する項目ですが、生活費が苦しいときは削られがちです。予算内で楽しむために、自治体の施設や無料イベントなどを積極的に利用するのもおすすめです。
その他の支出
美容院代や交際費、雑費など、これまで紹介した費用に含まれないその他の支出として3万2,136円となっています。冠婚葬祭などの急な出費も、その他の支出(予備費)として確保しておくと安心です。
シングルマザーの生活費が苦しくなりやすい理由
シングルマザーの平均年間収入は約373万円(平均就労年収は約236万円)、ひと月に換算すると約31万円です。ひと月の生活費の平均が約27万円であることを考慮すると、生活するのがギリギリという実態が見えてきます。
なぜ、母子家庭の生活費は苦しくなりやすいのでしょうか。ここではその理由について考えます。
ひとり分の収入で家計を支えているから
母子家庭の生活費が苦しくなりやすいもっとも大きな理由は、収入がひとり分しかないからです。
共働き世帯であれば、たとえひとりの収入が低い場合でも、ふたり分を合計すればある程度の収入を確保できます。また、どちらかが働けなくなっても、もうひとりの収入でカバーできます。
しかし、シングルマザーの場合は、自分ひとり分の収入で家計のすべてを支えなければなりません。もしも自分の稼ぎがストップすれば、即座に家計に影響が出てしまいます。
子育てとの両立により働き方が制限されるから
シングルマザーの働き方が制限されやすいことも、生活費が苦しくなってしまう要因のひとつです。
正社員としてフルタイムで働きたいと考えていても、現実は簡単ではありません。保育園の送迎や子どもの急な発熱、学校行事などに対応するため、やむを得ずシフトの融通がききやすいパートやアルバイトを選ばざるを得ないケースは多くあります。
実際、シングルマザーの約4割が、パート・アルバイト・派遣社員といった非正規雇用で働いています。正社員に比べて昇給が少なく、ボーナスがないことも多いため、労働時間のわりに年収が上がりにくいのが現実です。
支援制度や養育費を十分に活用できていないから
国や自治体は、児童扶養手当や医療費助成、住宅支援など、母子家庭向けの支援制度を多く提供しています。しかし、制度の対象者であってもそれらを十分に活用できないケースがあります。
また、大きな問題となっているのが養育費です。厚生労働省の調査では、現在も継続して養育費を受け取れているシングルマザーは全体の約28%。つまり約7割のシングルマザーが養育費を受け取らずに生活している状態です。本来受け取る権利がある養育費を受け取れていないことも、生活が苦しくなっている要因のひとつです。
出典:厚生労働省 – 令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告
シングルマザーが受けられる手当・支援制度
前述のとおり、国や自治体は母子家庭向けの支援制度を多く提供しています。
母子家庭を支える主な公的支援には以下のようなものがあります。
・児童扶養手当: ひとり親家庭に支給される手当。2024年11月から所得制限の緩和や第3子以降の加算額引き上げが行われています。
・児童手当:ひとり親家庭に限らず、中学校修了までの児童を育てる世帯に支給される手当。2024年10月分から、支給期間が高校生年代まで延長されました。
・ひとり親家庭の住宅支援: 自治体によって異なりますが、家賃補助や公営住宅への優先入居枠が設けられています。
・医療費助成: 母子家庭等医療費助成制度により、親子の健康保険適用分の自己負担額が一部、または全額助成されます。
・税制優遇(ひとり親控除): 所得税や住民税の負担を軽減できる控除。年末調整や確定申告の際は必ず確認しましょう。
※各制度には所得制限や条件があります。詳細は、お住まいの市区町村の公式サイトをご確認ください。
生活費が足りないときに見直したいポイント
「生活費が足りない……」と悩んでいるシングルマザーの方は、まず以下の3点について確認してみてください。
・固定費を見直す
・お金の流れを可視化する
・公的制度の減免・免除を確認する
細かい節約に取り組むよりも全体の仕組みを整えるほうが、効果が高く持続的です。自分にできることがないか、ひとつずつ確認していきましょう。
固定費を見直す
固定費とは、住居費や通信費、保険料のように、毎月固定で出ていくお金のことです。一度見直しをすれば、その後は継続的に効果が期待できます。
住居費・通信費・保険料について見直すポイントの例は、以下のとおりです。
・住居費:自治体の家賃補助がある物件や公営住宅へ住み替えを検討する
・通信費:格安SIMへの乗り換えを検討する
・保険料:今の自分に本当に必要な保障か確認し、必要なもの以外は解約する
たとえば固定費がひと月3,000円安くなれば、1年で3万6,000円の節約になります。最初の一歩はハードルが高いかもしれませんが、その後の持続的な効果を考えると、見直してみる価値は大きいでしょう。
お金の流れを可視化する
お金の流れがわかりにくいと、生活費が足りるのか・いくら足りないのかを把握できず、生活が苦しいと感じやすくなってしまいます。このような場合は、お金の流れを可視化するのが有効です。
具体的には以下のような方法があります。
・クレジットカードや支払い口座をまとめる
・銀行口座を「生活費」「貯蓄用」などにわけて管理する
・家計簿アプリなどの自動連携機能を活用する
お金の流れが見えるようになると、生活に使えるお金が明確になります。漠然とした不安が少なくなることで、心にゆとりをもてるでしょう。
公的制度の減免・免除を確認する
国や自治体は公的制度の減免・免除の措置を用意しています。
たとえば、以下のようなものが減免・免除の対象となる可能性があります。
・所得税/住民税
・国民年金/国民健康保険
・水道料金/粗大ゴミ処分費用
自治体の窓口では、シングルマザー向けの減免・免除制度をまとめた資料をもらったり、自分が受けられる減免・免除について相談にのってもらったりすることが可能です。どのような支援が受けられるのかわからない場合は、一度相談に行ってみるのがおすすめです。
今は受け取れている養育費を、今後も確実に受け取るために
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実際、最初は支払われていたけれど、数年経つと連絡が取れなくなったり、相手の経済状況の変化を理由に支払いが滞ったりするケースは珍しくありません。
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生活費の内訳の確認・支出の最適化などでシングルマザーの家計を安定させよう
シングルマザーの生活費は、平均で約27万円というデータがあるものの、実際には住んでいる地域や子どもの年齢によって千差万別です。平均生活費より収入が少ないと不安になる必要はありませんが、家計を安定させるためには、限られた収入の中で支出の最適化と公的支援の活用などを並行して進めることが重要です。
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