離婚時に養育費についてきちんと話し合ったにもかかわらず、元パートナーが養育費を払ってくれないと悩んでいる人は少なくありません。養育費を受け取れないと、子どもの生活費や教育にかけるお金が足りなくなってしまう可能性があります。相手が養育費を払ってくれない場合、公正証書の有無によって対処法は変わりますので、本記事で詳しく解説します。

養育費が継続的に支払われている人はたったの24%。書面を交わしても支払われていない現状があります。

養育費を確実に受け取りたい
パートナーと連絡を取りたくない
未払いが続いた時の手続きが心配

こうした養育費の未払い問題を解決する方法に「養育費保証サービス」があります。
養育費保証PLUSでは、業界最安(*)の料金で最大36か月の保証を提供しています。その他、連帯保証人がいなくても住まいや仕事探しのサポートも充実していますので、ぜひご検討ください。*2021年7月時点

養育費をもらい続けているシングルマザーは「3割未満」

養育費は子どもの監護や教育のために必要なものですが、ニュースなどで「養育費の不払い問題」をたびたび目にすることがあります。実際、厚生労働省の「ひとり親世帯等調査結果報告」でも、離婚後も養育費を継続して受け取っているシングルマザーは24.3%にとどまっていることが示されており、全体のわずか3割未満というのが現状です。

この調査結果によると、そもそも離婚時に養育費の受け取りに関してきちんと取り決めをしたという人は42.5%で、半数以上は取り決めをせずに離婚をしていることも見て取れます。取り決めをしなかった理由としては、次の3つが上位を占めています。

・相手と関わりたくない(31.4%)
・相手に支払う能力がないと思った(20.8%)
・相手に支払う意思がないと思った(17.8%)

相手と関わりたくないという理由がもっとも多いですが、相手の支払い能力や意思についての不安を抱えたまま離婚を決めた人が少なくないことも分かります。

なお、離婚方法には夫婦間の話し合いで合意する「協議離婚」のほかにも、家庭裁判所で調停を行う「調停離婚」、審判による「審判離婚」、離婚裁判による「裁判離婚」の4つがあります。

協議離婚の場合、ほかの離婚方法と比べて離婚時に養育費の取り決めをした割合は低い傾向があります。これは、家庭裁判所で調停や審判、裁判を経て離婚したほうが、養育費についての取り決めをすることができる可能性が高くなることを示しています。

参考:厚生労働省 – 平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果

相手が養育費を払ってくれない!「公正証書あり」の場合

元パートナーが養育費を払ってくれない場合の対処法は、離婚時に養育費について合意し、公正証書を作成したかどうかで異なります。まずは、養育費について合意した内容で公正証書を作成しておいた場合の対処法について解説します。

まずは相手へ連絡する

養育費を払ってくれない場合、まずは元パートナーに「養育費を支払ってください」といった内容の連絡をします。連絡手段は電話やメール、LINE、手紙などどのような方法でも良いですが、大切なのは相手に間違いなく伝えることです。

というのも、元パートナーによっては着信拒否をしたり、発信元からの連絡を受信できないように設定をしていたり、連絡なく引っ越しをしていたりすることがあるためです。どうしても連絡が取れない場合は、弁護士などに相談することも検討しましょう。

なお、手紙で養育費支払いの連絡をする場合は、「内容証明郵便」で送ることをおすすめします。内容証明郵便なら、手紙の内容を公的に証明できるほか、発信日時や到着日時の証明ができるからです。そのうえ、元パートナーに心理的なプレッシャーをかけられるというメリットもあります。

「履行勧告」や「履行命令」を行う

養育費を支払うよう連絡しても元パートナーから支払いがない場合は、「履行勧告」や「履行命令」の申立てという方法に移ります。

履行勧告とは、家庭裁判所の調停や審判などで決定した養育費の支払いをしない場合に、家庭裁判所がその義務を行うように元パートナーへ勧告することです。ただし、申立てできるのは家庭裁判所の調停や審判などで養育費の取り決めをした場合のみなので、公正証書を作成しただけでは利用できません。また、強制力があるわけではない点にも注意が必要です。

一方、履行命令は、家庭裁判所で決められた養育費を元パートナーが支払わない場合に、裁判所が支払いを命じるものです。履行勧告とは異なり強制力があるため、命令に従わない場合は10万円以下の過料が科せられることになります。

「強制執行」で回収する

履行勧告や履行命令でも元パートナーが養育費を支払わない場合、強制執行で回収することができます。ただし、以下のような強制執行力のある「債務名義」があることが条件です。

・公正証書
・調停調書
・審判調書
・確定判決
・和解調書 など

公正証書があれば、前項までの相手への連絡や履行勧告・履行命令をせずに、最初からいきなり強制執行をすることも可能です。

強制執行をするには、元パートナーがどのような財産をどのくらい保有しているかを調査する必要があります。この調査には時間がかかるケースが多く、すぐには養育費を受け取れないことが多いです。養育費の支払いのために差し押さえることができる財産には、次のようなものがあります。

・給料
・預貯金
・生命保険解約返戻金
・自動車
・家や土地など

こういったものが差し押さえの対象となりますが、元パートナーが会社員などの場合、一般的には給料の差し押さえが行われることが多いです。ただし、給料を差し押さえる場合は金額に制限があり、税金などを差し引いた金額の2分の1までとなっています。

なお、強制執行の申し立ては家庭裁判所ではなく地方裁判所となりますので注意しましょう。

▶詳しくはこちらの記事をご覧ください。
養育費は強制執行で取り戻せる!流れや費用などを確認しよう

相手が養育費を払ってくれない!「公正証書なし」の場合

元パートナーが養育費を払ってくれない場合、公正証書があれば前章のような流れで回収することができますが、公正証書を作成しなかったり公正証書がなかったりする場合は、一般的に「養育費請求調停」を家庭裁判所へ申立てる必要があります。

養育費請求調停を申し立てる

養育費の取り決めについての公正証書を作成していない場合は、元パートナーの住所地の家庭裁判所、または夫婦が合意して定めた家庭裁判所に「養育費請求調停」を申立てます。

養育費請求調停とは、調停委員が夫婦の間に入り、養育費の金額や支払い方法、いつまで支払うのかなどを決めることです。お互いに合意できれば調停成立となり、「調停調書」が作成されます。

しかし、調停で合意を得られない場合は審判手続きに移行し、裁判官が養育費の金額などを決定のうえ相手に支払い命令を出します。なお、決定の際には「審判書」が作成され、夫婦それぞれに送付されます。

養育費請求調停を行うと、次のようなメリットがあります。
・お互いに顔を合わせなくて良い
・第三者が立ち会うので冷静に話し合える
・不払いが起きた際に履行勧告や履行命令が可能になる

ただし、合意が得られるまで時間や費用がかかることや、調停のたびに仕事を休む必要があることは留意しておきましょう。

相手が払わない場合は履行勧告・履行命令、強制執行へ

元パートナーが調停や審判で決められた養育費を支払わない場合、履行勧告や履行命令を申立てることができます。すでに解説したとおり、履行勧告は説得や勧告止まりで法的な強制力はありません。しかし、履行命令は強制力を持つもので、違反した場合は原則として罰則を科せられることになります。

とはいえ、履行命令の罰則は10万円以下の過料なので、相手によっては過料を支払って養育費の支払いには応じない可能性があります。そのような場合は、地方裁判所に強制執行の申立てをすることができます。

地方裁判所は、申立てを受けると、元パートナーの財産調査などを行い、調査結果に基づき差し押さえを実行します。

養育費には「時効」がある!長期間の放置には注意しよう

養育費の未払いがあった場合、「相手に連絡をしたくない」「そのうち払ってくれるかもしれないからもう少し待ってみよう」などと思うかもしれません。しかし、実は養育費を請求できる期限は法律で決められており、放置すると請求できなくなってしまう可能性があります。

養育費の未払いを請求できる権利は、原則5年で時効を迎えます。ただし、一定の条件を満たしている場合は10年間に延長されます。では、それぞれどのようなケースが当てはまるのか見ていきましょう。

【5年で時効を迎えるケース】
離婚時の話し合いで「毎月〇〇円を養育費として支払う」といった取り決めをした場合は、原則5年で時効を迎えます。たとえ公正証書を作成した場合でも同じです。さかのぼって請求することができるので、最大5年間分は請求できます。

【10年で時効を迎えるケース】
協議離婚では合意を得られず、家庭裁判所に申立てて成立した離婚(調停離婚、審判離婚、裁判離婚)の場合は、養育費請求権は10年で時効を迎えます。さかのぼっての請求が可能なので、最大10年間分を請求できます。

【例外的に時効がないケース】
離婚時に養育費についての話し合いをせず、特別な取り決めをしなかった場合は、時効にかかることはないと考えられています。つまり、離婚後に何年経過していても、いつでも請求することができます。ただし、さかのぼっての請求はできない可能性があります。

▶養育費請求権の時効については、こちらの記事で詳しく解説しています。
養育費にも時効がある!放置していると回収できない可能性も

養育費を払ってくれない相手に対して備えるには?

元パートナーが養育費を払ってくれない場合、公正証書や調停証書、審判書などがあれば強制執行により財産の差し押さえができます。しかし、できればこういった手続きを踏む前に、元パートナーの養育費不払いに備えておくことができると安心です。

そこでおすすめの制度といえるのが「養育費保証サービス」です。養育費保証サービスとは、元パートナーが養育費を払ってくれないときに、運営会社が養育費を立て替えて支払ってくれるというものです。元パートナーへの催促の連絡も運営会社が行うため、自分から連絡を取る必要がありません。運営会社によってプランはさまざまですが、基本的には毎月保証料を支払うことでサービスを受けることができます。

養育費保証サービスを提供する会社はいくつかありますが、保証料が月々1,000円と手ごろな価格で、保証上限が業界最長の36カ月(※債務名義ありの場合)となっているのが、株式会社Casaの「養育費保証PLUS」です。

Casaの「養育費保証PLUS」は、養育費保証サービスだけでなく、シングルマザーの物件探しや、一般財団法人日本シングルマザー協会と連携した仕事探しのサポートなども行っています。シングルマザーに寄り添ったサポートが充実しているのもメリットです。養育費保証PLUSのホームページはこちら

養育費を払ってくれない場合に備えて公正証書を作成しましょう

養育費は子どもを育てていくうえで大切なお金です。離婚の際に養育費の取り決めをしたら必ず公正証書を作成しましょう。もし作成していない場合でも、養育費請求調停を申立てれば強制執行により差し押さえが行われ、養育費を受け取ることができます。子どものために十分なお金を確保できるよう、不払いがあっても諦めずに手続きをとりましょう。