お金・養育費

シングルマザーなら絶対押さえておきたい税制優遇とは

 

母子家庭を支援する公的な制度には、さまざまなものがあります。今回は、シングルマザーが活用できる税金や保険料の優遇制度を、一覧にまとめて紹介します。大切な我が子を育てるために、避けては通れないのがお金の問題です。賢く制度を活用し、生活を充実させましょう。

著者 緒川 棗

目次

  1. 母子家庭の平均年収は243万円!父子家庭より金銭的に苦労しているケースが多い
  2. 母子家庭には所得税・住民税の税制優遇がある
    1. 税制優遇1:所得税
    2. 税制優遇2:住民税
  3. 母子家庭には、国民年金、国民健康保険、保育料に減免制度がある
    1. 減免制度1:国民年金
    2. 減免制度2:国民健康保険料
    3. 減免制度3:保育料
  4. 公的な母子家庭の支援制度を賢く活用しよう

母子家庭の平均年収は243万円!父子家庭より金銭的に苦労しているケースが多い

シングルマザーなら絶対押さえておきたい税制優遇とは
(画像=enciktepstudio/Shutterstock)

厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査(2016年)」によると、母子家庭の平均年収は243万円です。父子家庭の平均年収420万円と比べると、金銭的に厳しい家庭が多いことがわかるでしょう。また、同調査の母子世帯の預貯金額は、50万円未満が39.7%と最も多く、厳しい状況がうかがえます。

母子家庭と父子家庭で年収に違いが出る理由として、結婚や出産を機に退職や休職を選択する女性も多く、その後のキャリアを築きにくくなっていると考えられます。また、ひとり親世帯に限らず、男性と女性には依然として平均年収に差があります。

こういった現状を踏まえ、政府は母子家庭に対して、税制優遇や保険料の減免など、さまざまな支援制度を設けています。生活を守るため、こういった公的な制度を賢く活用しましょう。

母子家庭には所得税・住民税の税制優遇がある

税制優遇1:所得税

母子家庭の場合、所得税の控除を受けられます。控除には、「一般の寡婦」と「特別の寡婦」の2種類があります。寡婦とは、死別または離婚後に婚姻をしていない人、または夫の生死が明らかでない一定の人を指し、ここでは扶養親族である子どもがいる人を指します。

所得金額が500万円超だと「一般の寡婦」になり、所得金額が500万円以下だと「特別の寡婦」になります。控除額は、「一般の寡婦」が27万円、「特別の寡婦」が35万円です。

なお、将来子どもが独立して扶養親族でなくなった場合や、再婚した場合などは、要件を満たさなくなる可能性があるため、注意しましょう。

寡婦控除を適用するのに、窓口に行くなど、特別な手続きは必要ありません。年末調整の際に、職場で配られる「扶養控除等申告書」の中段にある「特別の寡婦」の欄に、目立つようチェックを入れましょう。

まれに経理担当者がチェックを見落としてしまうケースがあるため、源泉徴収票を受け取った時は、左下の「寡婦・特別」の欄に丸がついているかどうか、記載内容をチェックしてみてください。

自営業として収入を得ている場合は、確定申告書の控除欄の「寡婦、寡夫控除」の欄に27万円もしくは35万円を入力しましょう。

税制優遇2:住民税

住民税には、所得(給与から必要経費を引いた額)に応じて課税される「所得割」と、全員に一律に課税される「均等割」があります。

母子家庭で、前年中の合計所得が125万円以下(年収でいうと204万4,000円未満)だと、住民税は非課税になります。所得割も均等割も発生しません。

また、扶養親族がいる場合は、所得が125万円超だったとしても、非課税になるケースがあります。源泉徴収票等、所得がわかる書類を持参し、役所に相談しに行きましょう。

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母子家庭には、国民年金、国民健康保険、保育料に減免制度がある

減免制度1:国民年金

収入が少なく国民年金保険料を納めるのが難しい場合、国民年金の免除や猶予を受けられます。これは、母子家庭に限らず利用できる国の制度です。窓口は役所にあるので、前年の収入状況がわかる資料を持参して、担当者に相談しましょう。

ただし、免除・猶予に該当した場合も、将来受け取れる年金額は、国民年金保険料を全額払った場合と比べて少なくなります。

免除に該当した場合、本来受け取れる年金額の半額分を将来受け取れます。猶予に該当した場合、将来受け取れる年金額への反映はありません。猶予の場合は、あくまで猶予期間前後に支払っていた保険料をもとに、将来受け取れる年金額が決定されます。

免除・猶予の手続きをせずに、国民年金を滞納してしまうと、最悪の場合、将来年金をすべて受け取れなくなってしまうことがあります。また、病気や事故で働けなくなった場合、本来は障害基礎年金を受け取れますが、未納だと支給対象にならないことがあります。

「滞納しても何とかなるだろう」と考えるのは危険なので、支払が滞る場合は、速やかに減免手続きをしましょう。

減免制度2:国民健康保険料

正社員で勤めている場合は、勤務先の社会保険に加入します。しかし、パート・アルバイトで働いている場合や、勤務先が社会保険の適用事業所でない場合、自営業として収入を得ている場合などは、国民健康保険に加入することになります。

国民健康保険料は、所得に応じて計算される所得割と、加入者数等で計算される均等割があります。所得割は所得に一定の料率をかけて計算するため、所得が少ない場合、大きな負担にはなりません。

一方、均等割についても、世帯の所得が一定以下の場合、法律で定められた軽減措置が適用されます。軽減措置が適用される所得基準と軽減割合は、下記の通りです。

▽国民健康保険料の均等割における軽減措置適用の所得基準と軽減割合

所得基準 軽減割合
33万円以下 7割減
33万円+被保険者×28万円以下 5割減
33万円+被保険者×51万円以下 2割減

国民健康保険料は、住んでいる地域や年収、家族構成によって金額が変わります。国民健康保険料のシミュレーションシートを公開している自治体も多いので、HPで確認してみましょう。

また、自治体によっては、独自の減免制度を設けていることもあります。たとえば、倒産や解雇といった理由で失業状態にある時、保険料の一部が軽減されるといった制度があります。自治体によって減免制度の内容は異なるため、まずは所得がわかる資料を役所に持参して相談しましょう。

減免制度3:保育料

母子家庭になり、世帯年収が変わると、保育料が減額になる場合があります。母子家庭になって世帯年収が変わった時は、役所で相談し、保育料を再計算しましょう。自治体によっては、保育料が無料になるケースもあります。

保育料に関する取り組みは自治体によって異なるため、住む場所を決める際に、自治体の支援制度を参考にするのも1つです。

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公的な母子家庭の支援制度を賢く活用しよう

母子家庭で活用できる公的な支援制度を幅広く紹介しました。忙しくて手続きに行く時間がないと感じる人も多いかもしれません。しかし、申請が遅れると適用できなくなるケースもあるため、速やかに手続きすることが大切です。まずは、前年・本年の収入がわかる資料を持って、お住まいの役所の窓口で相談しましょう。

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