『20歳からはじめる 女性の「幸せキャリア」のつくり方』より一部抜粋

【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

「いいほう」だけを考える

情報は「数」ではなく「つなぐ」力

情報を手に入れるのが難しい時代には、たくさんの情報を集めて多角的に見ることが求められました。たまたま目にした1種類ではなく、3種類の選択肢を持ってこい、と言う具合に。

しかし、ネットを通じて膨大な情報を瞬時に集めることもできるこれからの時代に必要なのは、もはや数ではありません。情報をつなぎ合わせ、不要なものを切り捨てていく判断力と決断力。ランチに行って、3種類の中から選ぶのは楽しいですね。でも、200種類と言われればどうでしょう。面倒になり、ベストな選択なんかできません。

家事や子育て、教育、おしゃれなどに関する情報は、集め出すとエンドレスに。発信者によって価値観もさまざま。情報にふれてしまうことによって、次のような余計なストレスが生まれます。

・たくさんの量の候補を比較検討する時間と手間
・「いい」と思ったのに、予算が足りないために諦めなければならない悔しさや無力感
・いったん決めたけれど、後でどうしても他のもののほうがいとわかり、後悔……。

いつまでも比較検討していないでさっさと決める。決めたら、いいほうだけ見るようにしましょう。

迷わず進むことで成長する

私が子育て当時、社長が言ってくれた言葉をいくつか紹介しましょう。

「やっぱり子どもに寂しい思いをさせているかな?」と不安になったとき。
「あなたのようなパワーのある母親に24時間ずっと監視されたら、きっと子どもは息苦しくてかわいそう。あなたは自分自身の夢を堂々と追いなさい。子どもは必ず自分で育つから」。

仕事が増えてきて、時間が足りないし、残業はできないし……と悩んだとき。
「近所で子守りを手伝ってくれる人を探そう。ドイツではね、賢い女性は皆そうしているのよ」
と募集のポスターを私の目の前でサラサラと書き、「ほら、近所の電柱に貼って」と渡されました。

夫が転勤になり、小学生の子どもとやはり一緒について行くかどうか迷ったとき。
「あら、よかった。たまには離れて暮らすのも新鮮でいいんじゃない? いままでずっと一緒だったし、この先も長いんだから」と。

当時の私はまだ半信半疑でしたが、20年以上が経ち、すべてその通りになっています。

どの選択がベストなのかは人生の幕引きまでわかりませんが、迷わず必死で進んでいると思いがけない大きな力が出ることがある。それがあなたの「成長」だと私は思います。

やる前に正解を求めない

「仕事と子育ての両立」は不安だらけ

小さな記事。でも、胸を締め付けられるような記事でした。(2017年10月9日付日本経済新聞)
「子どもを持つ前から不安」 93%
23〜39歳の出産経験のない働く女性を対象にしたインターネット調査の結果を報じています。
「仕事と子育ての両立に不安を感じる」原因は、次のように続きます。(複数回答)
「会社にいる子育て中の社員を見て」 73%
ワーキングマザーがスーパーウーマンみたいな人ばかり
全国転勤が前提の仕事なので子育てしながらは難しい
「ニュースなどの報道」 40%
「電車やバスなどの公共の場の状況」 25%
人に迷惑をかけずに余裕を持って子育てできるか心配(※2017年「スリール」調査)

確かに、小さな子どもがいる女性社員は、いつもバタバタしています。それなのに「子どもが熱? また帰るの?」と嫌みを言われ、子どもが寂しい思いをしていないかと自問し、心身ともにヘトヘト…。子育ては「楽しい」ことではなく、「あんなふうになりたくない」と思うのでしょう。

おまけに、ニュースでは女性議員が公用車で保育園に行ったとバッシングを受けるし、「保育園建設に近隣住民がNO」「待機児童解消はほど遠く」などの後ろ向きの情報ばかり。

電車やバスでは重い荷物とベビーカーを抱えてやっとの思いで乗り込んでも、子どもが泣き始めると周囲の冷たい視線がつき刺さって背筋が凍りそう。どうすればいいの……。

「正解」は過去の記憶でしかない

記事はこう結んでいます。

「不安を解消するためには、職場が両立支援の環境整備を進めるだけでなく、社会全体で子育てへの理解を広げる必要がありそうだ」。

確かに。でも、それはいつのこと? そんなものを期待できますか。

そもそも、どんな理想的な考え方であっても「全員一致」はあり得ません。あなたの身近にも邪魔をする人がいるかもしれません。
「正解」は、あなたの過去の記憶でしかありません。これからの人生では、あなたが想像もできないことが起こります。あなたの輝かしい「未来」を「過去」に決めさせていいのでしょうか?

「不安」を解消するのは、他人がつくってくれた「安心できる状況」ではなく、前に進むこと。誰かが解消してくれるのを待つのではなく、不安を抱えながらもまっすぐ進んでいけばいいのです。

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<著者> 響城 れい(ひびき・れい)
株式会社ダブルビーイング代表取締役社長。一般社団法人日本シェアハウス協会理事。ワーク&ライフイノベーター。コミュニケーションコンサルタント。セクハラ対策センター顧問。神戸大学卒業。兵庫県芦屋市出身。ハウスクリーニング運営20年、3,000件以上を施術。「人生を変える掃除講師」として全国の160以上のシルバー人材センターの会員研修を担当。研修実績は警視庁、県警本部、東京ガス、三菱地所、越前信用金庫など。地域密着型家事代行サービス「ワークス」を東京、千歳、仙台、唐津で監修。中国の介護会社「慈愛嘉養老服務」で「日本のおもてなし」研修講師。定年退職前の男性社員を対象に、家庭に居場所を作るための「家庭掃除・収納士資格認定講座」をスタートさせた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)