離婚後、シングルマザーとしてこれからお子さんを育てていく場合に、頼りになるのが助成制度や助成金の存在です。そのひとつに「ひとり親家庭医療費助成制度」があります。ひとり親家庭医療費助成制度は、家計の支出を減らすことや、大切なお子さんの将来のための貯蓄を増やすことにも繋がるため、知っておきたい制度です。本記事では、シングルマザーが受けることのできるひとり親家庭医療費助成制度についてと、同制度の所得制限や適用外のケースなどを紹介していきます。

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シングルマザーにとって医療費の支払いは負担が大きい

そもそも、シングルマザーにとって医療費の負担はどれほどのものなのでしょうか?まずは、厚生労働省の「平成28年国民生活基礎調査の概況(※1)」をもとに、シングルマザーの経済状況の実情をみていきましょう。

本調査の中にある「各種世帯の所得等の状況」によると、ひとり親家庭の相対的貧困率は50%を超え、およそ半分が相対的貧困に該当しています。この相対的貧困とは、その国の生活水準からみたときに多くの人に比べて貧困状態であることで、その定義としては貧困線に満たない家庭のことをさします。

貧困線とは何かというと、「世帯の可処分所得を世帯全員の平方根で割って調整した所得(=「等価可処分所得」という)の中央値の半分のところ」をさしています。ここに満たない家庭のことをさしますので、ひとり親家庭のおよそ半分は「日本の一般的な生活水準と比べると、それよりも少ない所得で生活をしている」ということを表します。

なお、日本の水準と比べる相対的貧困に対し、国や地域に関係なく生活水準が最低限に満たないことは「絶対的貧困」と表現します。

さらに、労働政策研究・研修機構の「第5回(2018)子育て世帯全国調査結果速報(※2)」の資料でも、父子家庭だと平均税込収入は623万5,000円であるのに対し、母子家庭は 299万9,000円という結果となっています。

この調査から、母子家庭は父子家庭に比べて平均所得がおよそ半分以下であることが見て取れます。そのうえ、可処分所得(給料やボーナスといった所得から、社会保険料や税金などを引いた残りのお金。つまり「日常生活で自由に使えるお金」をさす)が貧困線の半分にも満たない母子家庭は13.3%にのぼることも同資料では示しています。

シングルマザーが病院の受診や薬の処方をしてもらう場合には、上記のような実情の中で所得から診察代などを捻出しなくてはなりません。外来だけではなく、入院ともなれば、さらに家計の負担になることは目に見えることでしょう。

参考1:厚生労働省 – 平成28年国民生活基礎調査の概況(P15)
参考2:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 – 「第5回(2018)子育て世帯全国調査」結果速報

シングルマザーが受けられる医療費助成制度とは?

半分以上のシングルマザーは生活費にそれほど余裕がないこと、そういった状況の中で医療費を捻出しなくてはならないことは前章で紹介しましたが、そこでぜひ利用したいのは「ひとり親家庭医療費助成制度」です。なお、前提として、この制度は国の制度ではなく各自治体が行う制度であるため、細かい内容は自治体によって違いがあります。一律でいえることもあればそうではないこともあるので、その点はご注意ください。

助成対象になる人、ならない人

まず、ひとり親家庭医療費助成制度の助成対象になる人・ならない人として、多くの自治体では「母子家庭(父子家庭)の親」と「18歳未満のお子さん」と決めています。ただし、次に該当する場合は助成対象になりません。

① 生活保護を受けている
② 健康保険に加入していない
③ お子さんが児童福祉施設等に入所している
④ 所得制限額を上回っている

所得制限

上の④で紹介した「所得制限額を上回っている」ですが、ここでは具体的に、東京都新宿区・大阪市・福岡市などで決定している所得制限額について紹介します。ちなみに、所得制限額とは給与所得控除や社会保険料を引いた額をさします。給与収入の目安は右列の数値をご確認ください。

扶養人数 所得制限額 収入目安額
0人 192万円未満 311万4,000円未満
1人 230万円未満 365万円未満
2人 268万円未満 412万5,000円未満
3人 306万円未満 460万円未満
4人以上の場合 1人増えるごとに、扶養人数3人の金額に38万円を加算した額

参考:新宿区 – ひとり親家庭等医療費助成制度大阪市 – ひとり親家庭等の医療費助成福岡市 – ひとり親家庭等医療費助成制度

なお、注意すべき点として、「父親からもらっている養育費も所得として足される自治体がある」ということです。たとえば、新宿区や札幌市では養育費のうち80%を加算するとされているため、現在、養育費を受け取っている人は、お住まいの自治体はどういう条件になっているのか確認しておくことをおすすめします。

助成される内容

では、対象となるシングルマザーは具体的にどのような医療費助成を受けることができるのでしょうか。

助成される内容は2つのパターンに分かれ、➀「〇割は自己負担」というように割合で決まっている自治体と、②「〇円までは自己負担」と最初から自己負担の上限が決まっている自治体があります。具体的に新宿区と福岡市の例で説明します。新宿区の場合、住民税課税世帯だと次のとおりです。

自己負担 自己負担の限度額
外来(個人ごと) 1割 1万8,000円
外来(世帯ごと) 5万7,600円

※複数の医療機関を受診した場合、自己負担の限度額は合計の金額

新宿区の例だと、限度額の中で1割を自己負担と決めていることが分かります。ちなみに、新宿区では住民税の非課税世帯だと医療費は無料です。

次に福岡市をみてみましょう。福岡市では以下のように最初から自己負担の限度額が決まっています。

自己負担
小学生・中学生 月500円まで
高校生世代 月800円まで
月800円まで

※ひとつの医療機関あたり

先に説明したように、ひとり親家庭医療費助成制度は国ではなく自治体の制度であるため、お住まいの自治体によって助成の内容は変わります。このように自治体ごとに違いはあっても、医療費が無料になったり、自己負担〇割・上限額〇円と決まっていたりすることは、シングルマザーの負担軽減につながるといえるでしょう。

助成対象になる医療費、ならない医療費

医療費といってもその内訳はさまざまです。ひとり親家庭医療費助成制度は助成対象になる医療費・ならない医療費があり、一般的には下記のように分かれます。

【助成対象になる医療費】
① 診察
② 入院
③ 薬
④ 訪問看護ステーション

【助成対象にならない医療費】
① 健康診断
② 予防接種
③ 歯医者での特別な治療
④ 個室などの差額

ひとり親家庭医療費助成制度の申請方法・助成の受け方

ここからは、実際にひとり親家庭医療費助成制度を受ける流れについて説明します。

主な必要書類

ひとり親家庭医療費助成制度を受けるためには、シングルマザー自らの申請が必要です。下記の書類を準備し、お住まいの自治体の窓口で申請をしましょう。

【必要書類】
① 健康保険証
② 戸籍謄本
③ 児童扶養手当証(児童扶養手当を受け取っている場合)

なお、自治体によっては住民税課税(非課税)証明書や、個人番号がわかるものなどの書類も提出を求められることがあるので、事前に必要書類を確認してから窓口に向かうといいでしょう。

認定後に送られてくる医療証について

申請が終わり、ひとり親家庭医療費助成制度を受けることが決まると、「医療証」が手元に届きます。この医療証を使用して助成を受けます。

助成の受け方

医療機関を受診する際に、この医療証を健康保険証と合わせて窓口へ提示することで助成を受けられます。ただし、この医療証は申請をした自治体のある都道府県以外だと使うことができません。事情があり、やむを得ずお住まいの自治体以外で医療機関を受診した場合は、あとで自治体へ申請して払い戻しを受ける形になります。

なお、申請をしてから医療証が手元に届くまでに受診した場合も、あとから助成を受けることができます。この場合、自治体へ申請する際には領収証が必要になりますので、破棄せずに保管をしておきましょう。

ひとり親家庭医療費助成制度の資格が消滅するケース

最後に、ひとり親家庭医療費助成制度の資格が消滅するケースをまとめます。一部、先述した内容も含まれますが、改めて確認していきましょう。

・生活保護を受けている場合
・健康保険に加入していない場合
・お子さんが児童福祉施設等に入所している場合
・所得制限額を上回っている場合
・申請した自治体から転出した場合
・結婚により、ひとり親ではなくなった場合

最後の結婚について、これは婚姻届を提出しているかどうかだけでなく、事実婚(同棲や、頻繁な行き来がある)が認められた場合にも助成対象外とする自治体が存在しますので、注意が必要です。

シングルマザーは医療費助成制度の活用で負担を軽くしよう

医療費は毎月定期的にかかる費用でないとはいえ、ひとり親家庭の貧困率が高いという実情の中では、多くのシングルマザーにとってそれですら負担になりかねないことは想像に難くありません。ぜひ本記事で紹介したひとり親家庭医療費助成制度を活用して、少しでも負担を減らしていくようにしましょう。お住まいの自治体ごとに助成が受けられる所得制限額や助成内容は異なりますので、事前に確認することをおすすめします。

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