【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

2つの家族にはそれぞれ違う習慣がある

初婚の家族でも、これまで別々に暮らしていた2人が一緒に暮らすことになると、生活習慣の違いはいろいろと目につきます。一対一の人間同士でもそうなのですから、2つの家族が暮らすことになれば、違いはたくさん出てくることでしょう。

私も夫家族と同居を始めたときは、驚くことがたくさんありました。まず、2歳の継子が毎日お風呂に入らなくても平気なことにびっくりしました。父親が忙しいときは、お風呂に入らず寝てしまう習慣があったのです。それを知って私は「絶対にありえない」と思いました。子どもは新陳代謝が活発なので、毎日お風呂に入る「べき」だと思っていたからです。そのほか、食生活での違いもたくさんありました。それぞれの好き嫌いや、子どもの食事マナーなど、本当にささいなことでいろいろと違いを感じたものです。

あるご家庭では、家のなかでスリッパをはく習慣と、はかない習慣でもめたという話も聞いたことがあります。継子が寝るまえに歯磨きをしないことでストレスを募らせているという継母の声もありました。

無理に1つのルールにまとめようとしない

生活習慣の違いはあって当たりまえです。ある程度、覚悟をしておきましょう。どちらが正しいんだろうと考えたり、どちらかのルールに無理やり合わせようとしたりするのではなく、新しい家族のルールをつくるのがいいと思います。

また、無理に全員が足並みをそろえなくても、別々のルールがあっていいこともあります。たとえばわが家では、夫家族にはもともと、朝ご飯をきちんと食べる習慣がありませんでした。私は再婚当初、いい妻・いい母であろうと一生懸命に朝食を用意しましたが、せっかく用意しても食べられない夫と継子にストレスが募りました。ある日、 「もう朝ご飯はつくらなくてもいいかな?」と聞いたら「いい」と言うので、夫家族に朝食を用意するのをやめました。いまではわが家の朝ご飯は、私と実子の分だけ用意しています。

無理に一緒にしなくてもいい習慣については別々で、一緒にしたほうがいい習慣は、どちらが正しいかと考えるのではなく、上手に歩みよりをして時間をかけて、いつの間にか気がついたら新しい家族の習慣ができあがっていた、というようなかたちがいいのではないかと思います。一緒に暮らしているうちに、自然と家族のルールや習慣はできあがりますので、あせらずにゆずりあい、歩みよるところから考えてみてください。

先輩ステファに聞く!2つの家族の生活習慣の違い

再婚にかぎらず、初婚で夫婦2人が一緒になる場合でもかならず発生する、生活習慣のすれ違い。子どもを含めた2つの家族が一緒になるとき、どんなすれ違いが生じるのか、先輩ステップファミリーに聞いてみました。

子どもの食事に関すること

・食事どきの、わが子に対する夫のしつけが、正座、よそ見禁止の徹底など、行きすぎて虐待と感じるほどでした。

・たとえば、落としたものは食べないとか、片手だけで食べないということが、継子はしつけられてなかった。

・夫家族はテレビを見ながら食事をするのが当たりまえの日常でした。わが家は食事どきのテレビは禁止なので、ルールのすりあわせから話し合いしました。

・食事のしつけがまったく違いました。継子は嫌いなものは食べない、平気で残す、つくった人に感謝がない、 「おいしい」という言葉もなく黙々と食べるなど、私にとってはナンセンスな食事風景でした。

・私は、食事は家族みんなで同じ時間に同じテーブルで同じメニューを、楽しく話しながら食べるものだと思っていました。彼は、大人と子どもは時間をずらして別のテーブルで別のメニューを、子どもはおしゃべりをせずに食べるものだと思っているようです。

・継子は魚料理が嫌いで食べられませんでした。小学生にもなって父親が身をほぐしてやらないと食べず、何時間もかけていやいや食べるといった様子で、見ていて疲れます。

・夫と継子は薄味派。生野菜にドレッシングもマヨネーズもかけずそのままむしゃむしゃ食べるのを見たときは驚きました。

子どもの生活に関すること(食事以外)

・生活全般。寝起きの時間にはじまり、食べ方、着方、掃除の仕方などなど、違いました。

・時間の使い方や、他人への思いやり方などなど、そうとう違いを感じています。

・生まれたときから、両親がいるにもかかわらず祖父母に育てられた継子。離婚して前妻が出ていってからは、さらに「かわいそうだから」と甘やかされ、なにも自分のことができない状態でした。朝、着る服を選ぶことから、歯磨き、あいさつ、配膳の手伝い、なにひとつできなかった。

・食事のマナー、就寝時間、おやつの有無、大人に対しての接し方など、子どもへのしつけの部分がまったく違いました。

・継子が、 「いただきます」にはじまり、 「ありがとう」 「ごめんなさい」など、あいさつ全般を言えなかったこと。年長だった継子次男は、自分で歯磨きもできなかった。

・夫が自分の子(私にとっての継子)にすぐにお菓子を買ってあげる。継子は歯磨きのあとに牛乳を飲む。セメントベビーには、この牛乳だけは許さないようにしたいです。

・おたがいの子どもに対して、ささいなことで違いを感じます。たとえば、宿題をする姿勢、食事のマナー、大人への口のきき方など、数えればきりがないです。

・子どもたちの育ち方が全然違いました。私の子はあいさつができるのに、夫の子はできないなど。

・継子は小学生にもなって、自分の着る服を自分で決められませんでした。決めさせてみると、冬なのに夏のキャミソールワンピースを平気で着たりします。ズレているにもほどがあります。

・継子がスリッパをはかない、朝ごはんを食べない、学校を平気で休んだり遅刻したりすること。

・保護者(彼とその両親)の継子に対する干渉度と継子たちの大人への依存度がかなり高いと思います。面倒をみているのが祖父母なので、甘いというか、自分でなにかをすることが少ない!

・夫は、なんでも口を出し手を貸してしまう子育て、私は、失敗してもとりあえず自分で考え行動させる子育て、と正反対でした。

夫にびっくり

・とにかく主人がだらしないことに驚きました。なのに子どもたちには「きちんとしろ!片づけろ!」って(笑)。おまえが先にやれ!って感じです。

・夫も継子も、風呂に入らず歯も磨かないで平気で寝るところ。本気で嫌いになるかと思いました(笑)。

・私は親せきも多く、付き合いも多い。だけど夫の親せきは少なく、付き合いもほとんどない。夫に合わせると親せき付き合いが皆無状態になるので、なんだか寂しくなります。

・夫の家は記念日を大切にするので(私の実家はあまりしない)、いつも「お祝い、お祝い」と言っていることに、イラッとしたりします。

・私の親はせっかちで、私も時間には比較的しっかりしていますが、旦那側はみんなのんびり。イライラします。

・私は、タオルというのは手を洗ったあとの水気をとるものだと思っていたのですが、夫は、手をよく洗わず直接タオルに手の汚れをなすりつける傾向があります。継子にもややその傾向が。タオルがすぐ黒くなるので悲しい。

・継子が、ベッドの中になんでも平気で入れます。工作の紙くずや小さなぬいぐるみなど。汚いので注意していたら、夫のベッドの上にも飲み終わったビールの空き缶が……。この親あってこの子どもだわと、あきれました。

・最初、夫が新聞をしわしわにして読むのに泣かされました。そっと紙をめくってほしいと頼みました。最近は私のあとに読みます。

他人が集まって、ステファ生活は始まります。ルールも2つあります。最初はいろいろと、とまどうことも多いようです。

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【著者】新川てるえ(しんかわ・てるえ)
作家、家庭問題カウンセラー、NPO法人M-STEP理事長。1964年生まれ。離婚・再婚経験を生かし97年にシングルマザーのための情報サイト「母子家庭共和国」を立ち上げる。家庭問題カウンセラーとして雑誌やテレビなどで活躍。著書に『シングルマザー生活便利帳』(太郎次郎社エディタス)、『子連れ離婚を考えたときに読む本』(日本実業出版)など。