離婚を検討しているものの、離婚後の就職について不安な人は多くいます。小さい子どもがいる場合はなおさらでしょう。そこでこの記事では、離婚を考えているママに向けて、離婚後に仕事を見つける方法やシングルマザーが活躍できる就職先例、シングルマザーが受けられる支援制度を紹介します。離婚後の生活を早く安定させるためのポイントもお伝えしますので、参考にしてみてください。

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離婚したら月々いくら稼ぐ必要がある?

夫婦+子どもで生活するのと、母親+子どもで生活するのとでは、必要な生活費が異なります。総務省統計局による2023年度「家計調査」(※)によると、母子家庭(母親と18歳未満の子どものみの世帯)の1カ月にかかる支出額の平均は23万5,036円でした。

内訳は以下のようになっています。

・食費:5万6,629円
・住居費:2万4,984円
・光熱費:1万8,481円
・教育費(授業料や教科書代など):1万5,481円
・教養娯楽費(習い事や書籍、スポーツなど):2万0,648円

なお、このデータでは18歳未満の子どもの数が1.61人となっており、子どもの数が多ければ上記の金額よりも多くなると予想されます。

子どもの年齢や人数、住む地域のほか、何にお金をかけたいのかによっても支出項目や支出額は大きく変わってきます。

月々いくら稼ぐ必要があるのかを知るためには、上記の金額を参考にしつつ、現在の生活費をベースに離婚した場合の生活費を予想してみましょう。

※参考:e-Start – 家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表

離婚後の就職先を見つける方法

離婚後の生活を安定させるには就職先を見つけることが必要です。就職先を見つける方法には以下のようなものがあります。

・フリーペーパー、新聞のチラシ
・ハローワーク、マザーズハローワーク
・派遣会社
・求人・就職サイト

多くの選択肢を知っていれば、ひとつの方法が難しくても追い詰められることなく、別の方法を試してみることができます。ここで紹介する方法それぞれのメリット・デメリットを確認してみてください。

フリーペーパー、新聞のチラシ

就職先を見つけるには、駅やコンビニなどに置いてあるフリーペーパーや、新聞に折り込まれているチラシで求人情報を確認する方法があります。フリーペーパーや新聞のチラシには地域に密着した情報が掲載されているため、地元で働きたいなど働きたいエリアが決まっている場合には便利です。

ただし、会社の雰囲気や具体的な仕事内容を把握しにくいというデメリットもあります。就職後のミスマッチを防ぐためにも、応募時や面接時などに積極的に確認することをおすすめします。

ハローワーク、マザーズハローワーク

ハローワーク・マザーズハローワークはいずれも国が運営する公共職業安定所のことで、仕事探しやキャリア相談などの支援を無料で受けることが可能です。

とくにハローワークのマザーズコーナーやマザーズハローワークには、子どもが遊べるキッズコーナーやベビーカーが入れる広い相談スペースなど、子育て中の方が利用しやすい環境が整えられています。仕事探しの際に子どもを預けられない方でも安心して利用できるでしょう。

またハローワーク・マザーズハローワークは求人情報を多く有しているため、希望の就職先を見つけられる可能性も高いです。ただし、求人の質にムラがある、ハローワークの求人票だけでは会社の雰囲気や具体的な仕事内容を推測しにくいという口コミもあります。職員に話を聞いたり自分の希望を具体的に伝えたりすることで、ミスマッチを防ぎましょう。

なお、全国に544か所(2024年4月時点)あるハローワークのうち、183か所(2024年8月時点)にマザーズコーナーが設けられています。また、マザーズハローワークは全国に23か所(2024年8月時点)設置されています。

厚生労働省のページからは全国のハローワーク・マザーズハローワークを調べられますので、ぜひご覧ください。
厚生労働省のハローワークのページはこちら

派遣会社

就職先を見つけるために派遣会社に登録するのもひとつの方法です。派遣会社に登録し、そこから条件やスキルにマッチする仕事を紹介してもらう方法です。

すぐに働けない場合でも、登録だけすませておくことができます。登録することで非公開求人を見られるようになりますし、本気で働きたいと思った際すぐ仕事探しに取りかかることも可能です。

ただし、派遣会社に登録したからといって必ずしも自分に合う仕事が見つかるとは限りません。条件にマッチする仕事を見つけやすくするには複数の派遣会社に登録するのもおすすめですが、登録自体に手間がかかるなどデメリットもあるので、ご自身の状況にあわせて検討してみてください。

求人・就職サイト

就職先を探す方法として、求人・就職サイトを思い浮かべる人も多いでしょう。パソコンやスマートフォンから手軽に最新の求人情報を検索できるため、自分のペースで仕事を探せます。情報量が非常に多いことや、さまざまな条件で検索をかけられることもメリットといえます。

ただし、情報収集から応募企業の選定、書類の準備などをすべて自分でおこなうことが必要です。どのように就職活動を進めたらよいのかわからない人や、自分で動くのが苦手な人にはやや不向きかもしれません。

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【資格なし・あり別】離婚後の就職先例

離婚してシングルマザーとなった場合、どのような仕事ができるのでしょうか。ここでは離婚後の就職先の例を、資格の有無にわけて紹介します。

資格がいらない仕事の例

資格がなくても働ける仕事と仕事内容、シングルマザーにおすすめのポイントを以下の表にまとめました。

仕事 仕事内容 おすすめポイント
コールセンターのスタッフ ・お客様への商品案内
・お客様からの問い合わせ対応 など
・時給が高め
・デスクワークなので身体的な疲労が少ない
・残業が発生しにくい
・時短勤務や急な休みの希望が通りやすい
事務職 ・書類の作成・処理
・伝票の処理
・書類のファイリング・整理
・データ入力
・電話・メールの対応 など
・未経験者歓迎の求人が多い
・デスクワークなので身体的な疲労が少ない
介護職 ・利用者のからだのケア
・入浴介助 など
・多くの施設で人手不足なので採用されやすい
・正社員登用が可能な場合も多い
・働きながら資格取得を目指すことができ、キャリアアップにつながる
家事代行 ・掃除
・料理
・買い物 など
・日常の経験がスキルとして活かせる
・スケジュール調整がしやすく、子育てと両立しやすい/td>
医療事務 ・病院やクリニックなどの受付
・診療報酬請求業務 など
・残業が少なく、定時に帰りやすい
・日曜日や祝日は休みであることが多い
・働きながら医療事務の資格取得を目指せる

休みの取りやすさや残業の少なさは、シングルマザーが仕事を探すうえで重要なポイントです。将来的なことを考えると、働きながら資格取得を目指せたり、正社員として登用される機会があったりすることも、大きな魅力といえます。

資格がいる仕事の例

資格を有しているなら、その資格を活かした仕事につけると収入が安定します。数ある資格のなかでも、シングルマザーが活用しやすい資格には以下のようなものがあります。

・看護師
・保育士
・歯科衛生士
・美容師
・栄養士

いずれもパート・アルバイト・正社員など働き方を選びやすいです。子どもが小さいうちはパートやアルバイトとして働く、子どもの手が離れたら正社員になるなど、子どもの成長にあわせて働き方を変えることもできるでしょう。

シングルマザー向けの主な支援制度

離婚を考えているなら、シングルマザー向けの支援制度についても理解しておくと安心です。ここでは以下の3つの支援制度を紹介します。

➀母子家庭等就業・自立支援センター事業
②母子家庭自立支援給付金
③高等職業訓練促進給付金

ひとつずつ見ていきましょう。

母子家庭等就業・自立支援センター事業

母子家庭等就業・自立支援センター事業とは、母子家庭の母親に対して、就業支援や法的支援をおこなうもので、各都道府県に窓口が設置されています。具体的には、以下のようなことをおこなっています。

・就職に関する相談に応じる
・就職を支援する講習会を開催する
・弁護士などのアドバイスにもとづいて、養育費や面会交流に関する取り決めなどの専門的な相談に応じる

開所時間や連絡先などは都道府県のWebサイトからご確認ください。こども家庭庁のWebサイトでは、全国の母子家庭等就業・自立支援センター事業実施場所をご覧いただけます。
▶こども家庭庁 – 母子家庭等就業・自立支援センター事業について

母子家庭自立支援給付金

母子家庭自立支援給付金とは、母子家庭の母親が指定の講座を修了した場合に、その費用の一部が支給される制度です。就職に役立つ知識・スキルを習得し、自立した生活を実現できることを目的としています。

支給の対象となる講座は自治体によって異なります。「〇〇〇(お住まいの自治体名) 母子家庭自立支援給付金」で検索すると、詳細や問い合わせ先が掲載されたページが表示されますので、あらかじめ詳細を確認し、わからないことがあれば問い合わせてみましょう。

高等職業訓練促進給付金

高等職業訓練促進給付金とは、母子家庭の母親などが、就職に有利な資格を取得するために養成機関で訓練をする間の生活費を支援してくれる制度です。

対象となる資格には、看護師や保育士、介護福祉士などの国家資格のほか、シスコシステムズ認定資格やLPI認定資格などのデジタル系の民間資格もあります。

高等職業訓練促進給付金制度の対象資格は、需要が高いものばかりです。離婚後の生活を安定させるのにおおいに役立つと考えられるため、制度を利用して資格取得を目指してみるのもよいでしょう。

「〇〇〇(お住まいの自治体名) 高等職業訓練促進給付金」で検索すると詳細が確認できます。気になる方はチェックしてみてください。

離婚後ではなく離婚「前」から就職先のめどをつけよう

離婚後の生活を安定させるには、離婚前に就職先を考えておくことが大切です。とくに子どもが小さい場合は、就職活動が難航するケースも多く見られます。なかには、なんとか就職できたものの、休みが取りづらく仕事を続けられなくなったというケースもあるようです。

離婚前から動き出せば慌てる必要がないため、条件に合う仕事を見つけられる可能性が高くなります。シングルマザーの状況を理解してくれる就職先を見つけられれば、精神的にもゆとりができ、安心して生活を送れます。希望の業務や譲れない条件などを検討し、就職先のめどをつけておきましょう。

離婚後の就職は「離婚前のリサーチ」がカギ!

離婚後にいきなり就職活動をはじめても、なかなかうまくいかないものです。離婚後の生活を早く安定させられるよう、どれくらいの生活費が必要なのか、就職先はどのように見つけたらよいのか、どのような支援制度があるのかなどを離婚前に調べておくようにしましょう。