【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

本稿では、書籍『自分で考える子になる「こども手帳術」』から、子どもの教育に悩む親からの相談への回答を紹介します。

Before:小1男子Eくんの例

 学校から帰ってくると、学校からの手紙を出す、宿題をやる、明日の準備をするなど、やることがいっぱい。お友だちとも遊びに行きたいけれど、「やることがいっぱいで遊びに行けない!」と大騒ぎして、パニック状態になってしまいます。親としては、いっぱい遊んでほしいとも思うし、宿題もやってほしいとも思い、困っています。

「算数ドリル」「漢字練習」「音読」「塾の宿題」「おやつを食べる」「ランドセルの片づけ」「本を読む」「お手伝いのお風呂掃除」……子どもだって、やることがいっぱいあります。

「どうしよう、どうしよう!」とパニックになってしまったり、悩んでいるだけで、結局何もしないまま時間だけが過ぎてしまう子も多いのではないでしょうか。

やることがたくさんあったり、時間が限られていると、どれから手をつけたらいいのか、大人でも悩むところです。ましてや、子どもは「目の前のことが一番大切」という生きものですから、やらなくてはいけない宿題や、お手伝いのことを考えるよりも、目の前にあるテレビやゲーム、楽しい遊びのほうへあっと言う間に気持ちが移ってしまいます。

やらなくてはいけないこともたくさんある。やりたいこともたくさんある。どうしよう、何からやろうと、頭の中だけで考えていると、気持ちはそわそわ、頭はモヤモヤしてしまいます。

さらに、 そんな子どもの姿を見ている親は、「あれをやりなさい」「これからやったほうがいいわよ」と、先回りして指示をしたり、「早くやりなさい!」と、ついガミガミ言ってしまいます。これでは、子どもはますます何をどうしたらいいのかわからなくなってしまいます。

まだ経験値が少ない子どもたちは、頭の中で考えて優先順位をつけたり、大人が思うように効率よく動く、というのはとても難しいことです。毎日の生活を何となく行き当たりばったりで過ごしていては、いつまでたっても経験値はたまらず、優先順位をつける力が身につきません。

ですが、手帳を使ってちょっと意識して過ごすだけで、自分で優先順位をつけられるようになっていきます。

▽困った・できない

  • やることが多く、全部を把握できていない
  • 優先順位のつけ方がわからない
  • パニック状態になると動けなくなってしまう


▽ここを活用!

  • デイリースケジュール


▽こう変わる!

  • やること全部を目で見て把握できるから、慌てることなく1つずつこなしていけるようになる
  • フセンを並び替えて優先順位をつけられる
  • やることが増えてもフセンを足せば対応できる


▽できる!
自分で効率のよい順番を考えて、行動できるようになる

細かく具体的にして把握する

朝起きてから家を出るまでの時間、夕方帰ってきてから夕飯を食べるまでの時間など、やることはいろいろあるのに、何をやっていいのかわかっていない、どんな順番でやればいいのか迷っているな、と感じる時間帯があります。それぞれに区切ったデイリースケジュールを作るとわかりやすいです。

まずは、やることを細かくフセンに書き出します。たとえば、「宿題」と一口に言っても、「音読」「計算プリント」「漢字練習」など別の内容のものは、「宿題」とひとくくりにせず、細かく具体的に書きます。

やらなくてはならないことだけでなく、子どものやりたいこと、たとえば「ゲームをする」「本を読む」「テレビを見る」 などもフセンに書きます。

やることをすべてフセンに書いたら、デイリースケジュールに貼ります。何をどんな順番でやったらいいのか考え、並び変えながら計画を立てます。この時点で、どうしよう、どうしたらいいかわからない、と悩んでしまう場合も多いでしょう。ですが、あまり悩まなくても大丈夫です。

ここでの計画は、手帳を毎日使うための準備段階です。どうしても順番に悩んだら、まずはいつもやっている順に並べてみましょう。

現状を確認してから、「もっといい順番はあるかな?」「どうしたらうまくいきそうかな?」と一緒に考えながらフセンを並べて、暫定的な計画を立ててください。理想的だけど、実現が難しそうな計画でもかまいません。

前日に手帳ミーティングで計画を立てても、いざ当日になったら「友だちと遊ぶことになった」「宿題がたくさん出た」などの理由で、予定が変わることもよくあります。そのときは、フセンを動かして改めて計画を立て直せば問題ありません。

計画を実現できるかどうかが重要なのではなく、前日に計画して、見通しを立てる経験を重ねることが重要なのです。

実践しながらタイミングを見つける

完成したデイリースケジュールをもとに、毎日の手帳ミーティングで予定を確認し、明日のやることを計画します。たとえば、「明日は5時間授業で、帰ってくるのが2時30分頃だから、夜ご飯を食べるまでの間に、何をどんな順番でやろうかな?」とフセンを並び替えて、計画します。

大人からすると、毎日同じように感じますが、帰ってくる時間が違っていたり、お友だちと遊ぶ約束がある、習い事があるなど、実は少しずつ違っています。明日の予定を確認して、具体的にやること、やる順番をイメージして、やることフセンを並び替えて計画を立てましょう。

日中はデイリースケジュールを見て、立てた計画通り、貼られたフセンを上から順番に1つずつやっていくだけです。

頭の中だけで考えていると、やることがいっぱいでどうしよう……となかなか動けなくなってしまいます。やることすべてを書き出し、並び替えることで優先順位のつけ方を日々練習します。

「長期的な計画へステップアップ!

少しずつ、やることの優先順位をつけられるようになったら、1週間の計画も立てられるようになります。逆に言うと、短い期間のやることの優先順位がつけられなければ、長期的な計画を立てるのは難しいのです。

「うちの子、全然計画が立てられない」と嘆く親は多いですが、急にできるようにはなりません。日常の中で計画し、実行することを繰り返しながら少しずつ身につけられるようにしてください。

1日の計画を立てることに慣れたら、1週間の中でいつ何をやればいいか、今月中に何をいつやろうかと少しずつ長期的に計画してみましょう。やり方は同じで、やることをフセンに書いて、予定を見ながら、やる日を決めてフセンを貼るだけです。

After:Eくんは手帳をこう使った!お母さんからのご報告

デイリースケジューを使って、やることをすべて見える状態に
手帳ミーティングで翌日の計画を立て、さらに帰宅後再計画し、やることを確認

夜の手帳ミーティングで計画を立てますが、習い事もしていないし、学校の宿題は音読、計算プリント、漢字練習の3つが必ず出るというパターンなので、毎日やることは、ほぼ同じでした。

大変なのは、学校でお友だちと約束をした日と、パターン以外の宿題があるとき。それは、前日には決まっていないことが多いので、帰宅したときにデイリースケジュールを見て、夕方にやることを計画するようにしました。

「今日は宿題、何があるの?」「お友だちと約束はしてきた?」などと声をかけます。子どもは問いに答えながら、やることフセンを並び替えます。

落ち着かせようと、「遊んで帰ってきてから宿題をやればいいんじゃない?」と口で言っていたときは、「帰ってきてからお風呂も入るし、テレビも見たいのに、宿題なんか終わらないよ!」と余計に混乱させてしまっていました。今は、自分でやることフセンを並び替えて、落ち着いて計画しています。

宿題ができない、どうしよう、という不安が解消されたからか、お友だちとの約束も多くなり、楽しく遊んで帰ってきたら宿題をやる、というのが習慣になっています。

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著者:星野けいこ(ほしの・けいこ)
あな吉手帳術認定校講師。自分deカウンセリング講師。自身が2児の母としてストレスフルな生活をすごしていたときに「あな吉手帳」に出会い、生活、気持ちがラクになった経験から、同じように子育てを頑張っているママたちを応援する手帳活用方法を伝えたいと、あな吉手帳の考案者・浅倉ユキに師事。手帳術講師として活動中。 「こども手帳術講座」では、「子どもたちに手帳のある生活をプレゼントしよう!」を合言葉に、自分で考えて実行できる子になるための手帳活用方法&ママの見守り術を考案・発信している。著著に、『親子で楽しく! 自主性、自立心が育つ こども手帳術』(PARCO出版)、『自分で考える子になる「子ども手帳術」』(日本実業出版社)がある。
 

監修:浅倉ユキ(あさくら・ゆき)
あな吉手帳術考案者。ゆるベジ料理&手帳術研究家。おいしくて体にやさしい「ゆるベジ料理」のほか、「あな吉手帳術」「3ステップ時間管理術」「自分deカウンセリング」などの講座を「another〜kitchen」にて主宰。“あな吉”さんの愛称で多くのファンを持つ。「女性のストレス値を下げる」をテーマに多方面で活躍中。著書は、『あな吉さんの主婦のための幸せを呼ぶ!手帳術』(主婦と生活社)、『あな吉さんの「ゆる家事」レッスン』(筑摩書房)など多数。