【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

本稿では、書籍『自分で考える子になる「こども手帳術」』から、連載#4、#5、#6に続き、子どもの教育に悩む親からの相談への回答を紹介します。

Before:年長女子Pちゃんの例

毎朝、保育園へ持って行く荷物の準備をもう何年もやっているのに、「わかんない!ママがやって!」と自分でやろうとしません。時間にも追われているため、ついやってあげてしまうので、いつまでも自分でできるようになりません。来年には小学生になるし、何とか自分でできるようになってほしいと思っています。

自分の持ちものなのに、自分で用意しようとしない。「準備できたの?」と聞くと「うん」と返事はいいけれど、忘れものが多い。習い事には、毎回同じものを持って行くだけなのに、自分で用意ができない。

忙しい時間に、毎回「できない、 わからない!」と言われるのは大変です。自分のことなのに、いつものことなのに、一人で準備もできなくて大丈夫かしら……と不安にも思います。準備すること自体を忘れているし、「準備しようね」と声をかけても自分ではできない姿を見ていると、「どうして?」と思ってしまいますね。

しかし「準備して」は「早く!」や「片づけて」と同じで、「準備して!」と言われても、何をどう準備したらいいのか、子どもはわかりません。何がわからないのか、どうして一人でできないのかを親子で話し合い、子どもが自分でできるようになるための機能を手帳に組み込みましょう。

▽困った・できない

  • 準備するものがわからないからできない
  • 準備できているつもりでも忘れものが多い


ここを活用!

  • デイリースケジュール(持ちもの欄つき)または、持ちものリスト(好きな紙に穴をあけて持ちものを書いたフセンを貼ったもの)


▽こう変わる!

  • 準備するものを1つずつ確認できる状態になる
  • 準備できているもの、できていないものを目で確認できる状態になる


▽できる!
言われなくても、自分で持ちものを準備できる!

シーンごとに細かくリスト化

デイリースケジュールの持ちもの欄、または、持ちものを書いたフセンを貼る用紙を用意し、「持ちものリスト」とします。一人で準備ができないシーンごとに、「持ちものリスト」を作成するのがおすすめです。一人で準備できないシーンがいくつかあれば、その数だけ持ちものリストを作ります。

具体的には、毎日の学校・保育園や幼稚園に持っていく持ちものリスト、月曜日に持っていく持ちものリスト、習い事の持ちものリストなどです。

デイリースケジュールを「サッカーのある日」とした場合、「サッカーの持ちもの」はそのデイリースケジュールの持ちもの欄に貼ると、1ページでやることと、持ちものを見ることができます。

用意が済んだフセンは、隣のページのフセンシートに貼り替えます。こうすることで、目で見て準備ができたものとそうでないものがすぐにわかり、子どもでも迷わず、忘れものをすることなく持ちものをそろえられます。

フセンは面倒でも細かく具体的に書く

「何を持っていかなければならないか」は、子ども自身が考えて、親子で確認しながらフセンに書き出すのがポイントです。

親が、「月曜日の持ちものは、上ばきと、体操着と、マスクだよ!」と全部教えて書いたものと、「月曜日の持ちものは何かな?」と質問をして、「えっとー、上ばきでしょ、体操着と……」と子ども自身が考えて答えたものを書いた持ちものリスト、結果的には同じリストができあがりますが、子どもの考える機会になりますので、時間がかかっても、ぜひ考えさせるようにしてください。

そして、持ちものは、子どもが準備できるように1つひとつ細かく書きます。

たとえば、「筆箱」と書いてあっても、鉛筆が5本必要なのに、2本しか入っていない、削っていないなど筆箱の中身が準備できていないときは、「鉛筆を削る」「鉛筆を5本入れる」など細かく書きます。

フセンを動かしながら確認する

できあがった持ちものリストを見ながら1つずつ準備していきます。

準備すること自体や、いつ準備するのかを忘れてしまう子には、デイリースケジュールに「○○の準備をする」というフセンを貼るといいですね。そうすれば、フセンが貼られているタイミングで、持ちものリストを見ながら準備できます。

隣にあるフセンシートへフセンを移動させることで、すでに用意できたもの、まだ用意できていないものが一目でわかるようになり、子どもが自分で用意しやすくなります。

最初から一人で全部やるのは難しいかもしれませんが、リストを見ながら1つずつ準備するのを繰り返しやることで、少しずつ身についていきます。リストにしたことで「何を用意したらいいかわからない!」という状態ではなくなりますので、わからなかったら見ればいいので安心です。

それでも、「お母さんがやって!」 と言われたら、「手帳を見ながら一緒にやってみようね」と声をかけ、手帳を使って準備する習慣を徐々につけていきましょう。

After:Pちゃんは手帳をこう使った!お母さんからのご報告

毎日の保育園持ちものリストを作成
できたよシートでモチベーションアップ!

休みの日に時間を取って、持ちものをタックシールフセンに書きました。まだ字がほとんど読めないので、文字だけでなく絵も描きました。

左ページに持ちものリストとして、まっさらな紙に持ちものを書いたタックシールフセンを並べて貼り、右側のページのフセンシートにはカバンの絵を描いた紙をはさんで、カバンに持ちものを入れたら、フセンをカバンの絵の上へ動かす、というルールにしました。これが効果絶大で、子どもは喜んで荷物の準備をするようになりました。

継続して準備ができるようになってほしいと思ったので、子どものモチベーションを維持するために、全部の準備ができたら、「できたよシート」にシールを1つ貼ることにしました。

タックシールフセンを動かして保育園へ行く準備をし、最後にできたよシートにシールを貼るのが嬉しいようで、今では楽しく準備をしています。

機嫌が悪く、なかなか準備が進まない日もありますが、そんなときは、一緒に持ちものリストを見ながら、「カバンさんはあと何が必要ですか?」など会話をして手伝いながら準備しています。

それでも、「ママ、もうできちゃったよ!」とできたときは得意気な顔をしているので、「自分で準備をするという経験が自信につながっているのかな?」と感じています。

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著者:星野けいこ(ほしの・けいこ)
あな吉手帳術認定校講師。自分deカウンセリング講師。自身が2児の母としてストレスフルな生活をすごしていたときに「あな吉手帳」に出会い、生活、気持ちがラクになった経験から、同じように子育てを頑張っているママたちを応援する手帳活用方法を伝えたいと、あな吉手帳の考案者・浅倉ユキに師事。手帳術講師として活動中。 「こども手帳術講座」では、「子どもたちに手帳のある生活をプレゼントしよう!」を合言葉に、自分で考えて実行できる子になるための手帳活用方法&ママの見守り術を考案・発信している。著著に、『親子で楽しく! 自主性、自立心が育つ こども手帳術』(PARCO出版)、『自分で考える子になる「子ども手帳術」』(日本実業出版社)がある。
 

監修:浅倉ユキ(あさくら・ゆき)
あな吉手帳術考案者。ゆるベジ料理&手帳術研究家。おいしくて体にやさしい「ゆるベジ料理」のほか、「あな吉手帳術」「3ステップ時間管理術」「自分deカウンセリング」などの講座を「another〜kitchen」にて主宰。“あな吉”さんの愛称で多くのファンを持つ。「女性のストレス値を下げる」をテーマに多方面で活躍中。著書は、『あな吉さんの主婦のための幸せを呼ぶ!手帳術』(主婦と生活社)、『あな吉さんの「ゆる家事」レッスン』(筑摩書房)など多数。