【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

本稿では、書籍『自分で考える子になる「こども手帳術」』から、連載#4、#5、#6、#7に続き、子どもの教育に悩む親からの相談への回答を紹介します。

Before:年中男子Vくんの例

 スーパーに買い物に行くと、いつも「これ買って!」とお菓子売り場から離れません。買わないと泣き叫び、連れて帰るのも大変なので、つい「1つくらいならいいか……」と毎回買ってしまいます。

駄々をこねられるのも困りますが、騒げば買ってもらえると、子どもが思ってしまうのも困ります。さらに虫歯にもなってしまいました。毎日のスーパーでの買い物が憂鬱です。

スーパーのお菓子売り場で、お祭りの屋台の前で、おもちゃ屋さんで、本屋さんで、「これ欲しい!」 「あれ食べたい!」「買って買って!」と駄々をこねて、買うまで騒ぎたてる。程度の差はあれ、あれ欲しい、これ食べたい、ここに連れて行ってなどと駄々をこねられて困った経験は、どこの親でもあることでしょう。

欲しいものは買ってあげたい気もするけど、全部を買うのは無理だから、それを子どもにもわかってもらいたいと親は考えます。でも、 子どもは子どもで、「欲しいものは欲しい。だから買ってよ!」と思っているので、親子の思いが噛み合わずに駄々っ子になってしまうのでしょう。駄々っ子にさせずに、「欲しい!」という子どもの気持ちを大切にするために手帳を活用しましょう。

▽困った・できない

  • 目についたもの、興味があるもの全部を欲しがって騒ぐ
  • 親はわかってくれないという不満がある困った・できない


ここを活用!

  • 夢・願いごとリスト


▽こう変わる!

  • 今の「欲しい」という気持ちを受け止められる
  • 手帳にワクワクをためられる


▽できる!
手帳で夢を見て、かなえる経験ができる

夢や願いを手帳にためていく

思いついた夢や願いごとをフセンに書いて、夢・願いごとリストを作ります。

最初は、思っていることをまとめて書きますが、その後は日常で思いついたときに、フセンに欲しいものや行きたいところを書いて貼っていきます。

今までは、「これ欲しい!」「買わないよ!」という親子のやり取りでしたが、「これ欲しい!」「じゃあ、忘れないように書いておこうね!」と、フセンに書いて、リストに追加していきます。これにより、その場で買わなくても、子どもの「欲しい」という気持ちを受け止められます。

親は、子どもの思いつきヒラメキを、ついそのときその瞬間の感情で、「いらない」「買わない」「やれない」と否定してしまいがちです。否定せずにその気持ちを手帳にためることができたら、子どもは気持ちを受け止めてもらえたと感じ、手帳を開くことが楽しみになるでしょう。

そして、 書きためたリストをあとから見て、「あのときは欲しかったけど、もういらない!」と子ども自身が思ったら、書いたフセンは捨ててしまえばいいのです。親にダメって言われたから買わなかったのと、自分がもういいや、と思って買わなかったのでは、同じ「買わない」でも、だいぶニュアンスが違いますよね。

子どもの思いがたっぷり詰まった、この夢・願いごとリストを見ることで、子どもがどんなことに興味を持っているのかがわかり、親子の会話へつながります。

クリスマスや、誕生日のプレゼントを選ぶとき、夏休みの旅行先を考えるとき、お友だちが遊びにくるからおやつを買おうと思ったときなど、このリストの中から選んでかなえることができたら、より楽しくなるでしょう。

After:Vくんは手帳をこう使った!お母さんからのご報告

夢・願いごとリストを用意
1週間に1回、買いに行くルールを決める

手帳を用意して、息子の好きなキャラクターの便せんをはさみ、夢・願いごとリストにしました。「毎日おやつを買っていたら虫歯になっちゃった。おやつは1週間に1回だけ、買うことにしよう」と話し合って決めました。

曜日の感覚などはまだあまりないので、週に一度の習い事の帰りに1つだけ買うことにしました。それ以外の日は、「習い事の日に買うおやつの下見」ということにして、息子が「これがいい!」と言ったものをその場でフセンに書いて、家に帰ったら、手帳の中に貼ることにしました。

最初は、フセンに書いても、「今日も買う!」と騒いでいましたが、「ちゃんとお話しして決めたルールだよね」と根気よく説得しました。

欲しいものがたくさんたまってくると、「今日はどれがいいかな?」と手帳を見ながら悩むのが楽しくなってきたようで、毎日「今度のおやつ買う日は、どれにしよう?」とリストを眺めながら心待ちにするようになりました。

今まで「欲しい!」「ダメ!」「買ってーーー! (叫ぶ)」の繰り返しで、反射的に全部「ダメ」と言ってしまうことに、私自身も罪悪感を感じていました。今は「欲しい!」「書いておこう」 「そうだね」 となってきたので、私は否定しないで済み、子どもも駄々をこねなくなって、スーパーに連れていくのがつらくなくなりました。

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著者:星野けいこ(ほしの・けいこ)
あな吉手帳術認定校講師。自分deカウンセリング講師。自身が2児の母としてストレスフルな生活をすごしていたときに「あな吉手帳」に出会い、生活、気持ちがラクになった経験から、同じように子育てを頑張っているママたちを応援する手帳活用方法を伝えたいと、あな吉手帳の考案者・浅倉ユキに師事。手帳術講師として活動中。 「こども手帳術講座」では、「子どもたちに手帳のある生活をプレゼントしよう!」を合言葉に、自分で考えて実行できる子になるための手帳活用方法&ママの見守り術を考案・発信している。著著に、『親子で楽しく! 自主性、自立心が育つ こども手帳術』(PARCO出版)、『自分で考える子になる「子ども手帳術」』(日本実業出版社)がある。
 

監修:浅倉ユキ(あさくら・ゆき)
あな吉手帳術考案者。ゆるベジ料理&手帳術研究家。おいしくて体にやさしい「ゆるベジ料理」のほか、「あな吉手帳術」「3ステップ時間管理術」「自分deカウンセリング」などの講座を「another〜kitchen」にて主宰。“あな吉”さんの愛称で多くのファンを持つ。「女性のストレス値を下げる」をテーマに多方面で活躍中。著書は、『あな吉さんの主婦のための幸せを呼ぶ!手帳術』(主婦と生活社)、『あな吉さんの「ゆる家事」レッスン』(筑摩書房)など多数。