【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介
新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。
著者 成田奈緒子(小児科医・発達脳科学者)、石原新菜(内科医・イシハラクリニック副院長)
目次
大泣きも大歓迎!どんどん感情を外に出させて
こんないいことが!
- 喜怒哀楽の全身表現で自律神経を強力に刺激!
- 感情を出してもいい、という安心感が生まれる
いつもニコニコ笑顔で、嫌なことがあっても泣いたり、怒ったりしないのがいい子、というイメージはありませんか?これは大きな間違い。自律神経を育てるためには、ネガティブな感情も必要です。
喜びがあるから、次もやってみようと意欲がわくし、不安や怒り、恐怖があるから、危険から逃げることができるのです。楽しかったら「キャー!」と喜ぶし、悲しかったら「うわーん」と泣くし、腹が立ったら「やだー!」とジタバタして全身で感情を表現する。自律神経が刺激されて、それによって反応が起こっているわけで、動物時代の子どもにとって至極真っ当な姿です。
子どもは、ネガティブであれポジティブであれ、どっさりいろいろな感情を出すべきです。子どもが大泣きしたり、ケンカしたり、カンシャクを起こしたりすることがあったなら、ぜひ「よし、いいぞ!」と喜びましょう。子ども時代に、感情を抑え込む必要なんてありません。どんどん感情を出すことで、心も豊かに育っていきます。
動物とふれあう機会をもとう
こんないいことが!
- リラックスして副交感神経が優位になる
- 自律神経が活性化して、気分がアップ
指先の脈波をはかることで、自律神経を分析できる機械があります。これを用いて、動物とふれあう前後の自律神経を測定する実験が行われました。
すると、ふれあいのあとは、どの参加者(大人と子ども)も心拍数が低下して、副交感神経が優位になり、自律神経の活性度を示す心拍標準偏差(SDNN)が上がることが確認されました。これは、緊張がほどけ、心身ともにリラックスしていることを示すデータです。さらに唾液中のアミラーゼを調べると、濃度が低下。アミラーゼは、ストレスを感じると濃度が高くなることが知られています。アミラーゼ濃度の変化も、リラクセーション効果を裏づけることになりました。
ふれあう動物は、犬や猫、うさぎ、爬虫類なんでもOK。ペットを飼うのはもちろん、動物園のふれあいコーナーなどに出かけるのもいいですね。そっとなでたり、手のひらにのせたり、体温や息づかいを感じることで心身が癒やされ、自律神経も元気になります。
ぬり絵や粘土、工作などの創作活動をする
こんないいことが!
- 創作に没頭するうちに、呼吸が深まる
- ストレスにもへこたれない自律神経に
ぬり絵や切り絵など、アートのワークショップも自律神経をきたえるのに効果的である、という実験結果があります。動物とふれあったときと同様に(56~57ページ参照)、心拍数が低下し、副交感神経が優位になるとともに、自律神経の活性度がアップすることが確認されています。創作活動に没頭すると、自然と呼吸が穏やかになります。それが、心拍が低下する理由。
ただ、心拍が落ち続けては全身に血液が送れませんね。そこで、交感神経もしっかりスタンバイして、副交感神経とせめぎ合うのです。これが自律神経の活性度が上がっている状態で、体調の変化にも瞬時に対応できる自律神経へときたえられています。
80分ほどのワークショップで自律神経の数値がみごとに改善し、参加者自身も「気分がよくなった」「イライラが消えた」といったプラスの変化を感じたと回答しています。折り紙やパズル、お絵かきなどでも同じ効果が得られます。上手に描こう、作ろうと思わず、子どもの自由にやらせることが大事!
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成田奈緒子(小児科医・発達脳科学者)
小児科医、発達脳科学者、文教大学教育学部 教授。「子育て科学アクシス」代表。神戸大学医学部卒。『子どもが幸せになる「正しい睡眠」』(産業編集センター)、『早起きリズムで脳を育てる』(芽ばえ社)など生活リズムや脳育ての著書多数。
石原新菜(内科医・イシハラクリニック副院長)
イシハラクリニック副院長で、漢方医療、自然療法などにより、治療にあたる。わかりやすい医学解説に定評があり、テレビなどのメディアで活躍中。東洋医学にもくわしく、冷えやしょうがに関する著書多数。2児の母。