【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

否定するのではなく、肯定する言葉で伝えてみよう

声がけ

子どもに対してママ・パパからの「今こうして欲しい」という指示が、不明瞭なことがあります。

発達障がい児への言葉がけは「具体的に伝える」ことが大事だそうです。たとえば、「走らない!」ではなく「歩きましょう」。「立ち歩かない」ではなく「座りましょう」という感じです。この伝え方は、発達障がい児に限らず、子どもたちすべてにあてはまりますよね。

子どもたちが騒がしい場合、「うるさい!」「静かにしなさい!」とどなりつけたり、「そんなに騒ぐなら、たたくよ」と拳を振り上げたくなるかもしれません。でも、子どもたちには「どうしたらいいのか」が伝わっていないことのほうが多いのです。「うるさい」から、本当は子どもにどのように振る舞って欲しいのでしょう?「静かにする」とはどうすることでしょうか?

もっと、子どもにストレートに伝えたほうがわかりやすいですよね。たとえば、「ちょっと口を閉じよう。誰が一番にできるかな」とか、「ありさんの声の大きさで話してね」などと、具体的に行動を示したほうが伝わりやすいということです。

また、肯定的な声がけをしましょう。「走ってはいけない」と「〇〇しないこと」はわかっても、じゃあどうしたらいいのかはわかりません。「○○しよう」と肯定的に伝えたほうが、子どもにはどうしたらいいのかが明確です。

そして、具体的にこんなふうに声がけしてみてください。

・走らないで → 歩こうね
・立ち歩かないよ → 座ろう。お尻を床につけようね
・うるさい・しゃべらないで → お口を閉じてね
・大声出さないで! → ありさんの声でしゃべろうね
・(物を置く音が)うるさいよ! → そっと置けるかな。やさしく置いてみよう!

この声がけは、ちょっと思考の変換が必要ですが、ママ・パパの考え方にとってもトレーニングになります。
前向きな思考への転換するのくせをつけることは、ママ・パパ自身の考え方もポジティブにしてくれると思うので、ぜひ心がけてやってみてください。

そして、子どもがママ・パパが言ったように行動してくれたら、「そうだね」「ありがとう」「OK」と承認してあげましょう。

いい行動をしたときこそ、ちゃんとほめる

ほめる

日本は謙遜の文化の国。ママ友と話をすると「うちの子は、着替えが遅くて、ほんとうに困っているんです」など、わが子の困っているところ合戦が始まることもあります。もし、あなたが困った行動やできないことに注目されて、そんなところばかり指摘されていると、どんな気持ちになるでしょうか。

もちろん自分が悪いのはわかっていても「いつも叱られる」「いつもバカにされる」……。子どもは、自分はできない子、できの悪い子なんだという気持ちで、いっぱいになってしまうのではないでしょうか。これをすると叱られる、こうやると叱られると、叱られる体験ばかりをしていると、叱られるシミュレーションばかり記憶されることになります。

「失敗しないで」と言われると、失敗するんじゃないか、失敗して叱られるんじゃないかと、そちらに神経がいってしまいがちで、自分が自信を持って行動することが難しくなります。

反対に、できたことやいい行動をほめられると「こうすればいいんだ」「これをするとママやパパがうれしいんだな」「これをするとママが助かるんだな」というシミュレーションが脳内に定着していきます。

悪い行動をたくさん叱るよりも、いい行動をほめましょう。

ほめられるのは、子どもでも大人でもうれしいこと。いい行動を承認することで、いい行動が増えていきます。そして、ママ・パパが思う子どもの困った行動も、見方によってはとても素敵な個性です。ポジティブな考え方で子どもを見ていきましょう。

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【著者】 高祖常子(こうそ・ときこ)
子育てアドバイザー。育児情報誌miku編集長。認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリングジャパン理事など多数の子どもの人権を守るための委員を歴任。所属学会は、日本子ども虐待防止学会、日本子ども家庭福祉学会など。

東京都出身。短期大学部卒業後、株式会社リクルートで約10年、学校・企業情報誌の編集にたずさわり、妊娠・出産を機にフリーに。第1子を生後3カ月の時に先天性の心臓疾患で亡くし、その後男2人、女1人の子宝に恵まれる。子育て中に必要で安心できる育児の情報に触れることが困難であったため、夫と共に育児のWEBサイト「こそだて」を2000年に立ち上げる。その後、2005年に無料の育児情報誌mikuの編集長となる。

現在はmikuをはじめ、育児誌を中心に編集・執筆を続けながら、これまでに2万以上の家族が参加した子ども虐待防止と、家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。また、複数の地方新聞にて「育児コラム」の連載、オールアバウト「子育て」ガイドとして記事を執筆。編集長を務める育児情報誌miku(季刊)は、現在全国の病院、子育て支援施設などで配付され、発行部数は13万部に上る。幼稚園教諭、保育士などの資格を持っている。編著に『ママの仕事復帰のために パパも会社も知っておきたい46のアイディア』(労働調査会)、『パパ1年生』(かんき出版)などがある。