【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

「どうしたらいいかな?」と、子どもに問いかける

聞く

子どもに主体的に考えて行動できるようになって欲しいと思っているのに、意外と子どもに「どう考えているのか」と聞いていないと思いませんか?

指示型ではなく「じゃあ、こうしたら?」と提案しているつもりでも、結局、親が思ったように子どもが動いてくれるよう誘導してしまっていることがありますよね。

親はついつい経験値から「ここではこうしたほうがいい」と自分の答えを提示しがちです。でも、問いかけてみれば、子どもなりの解決策を持っていることも多いものです。

それは、もちろん親から見たら、あまりうまくいかなそうなこともあるでしょう。でも、やはり子どもが「自分で考えてみる」ことがとても大切です。解決策が出なくても、まとまった言葉にならなくても、自分で考えてみるという行動が定着していきます。子どもが考えて、やってみてうまくいかなかったら、また別な方法にチャレンジしてみればいいだけのこと。

失敗も含めて「この間、こんなことがあったときに、こうやったけどうまくいかなかった」と経験値になっていきます。それも踏まえて、「今度は、こうやってみよう」と、また新たな方法でのチャレンジを考えて行動につながっていきます。

ついつい親は転ばぬ先のつえを子どもに渡してしまいがちですが、転んだりときにはすりむいたりして、いろいろな経験をしながら子どもは成長していくものです。

言葉が出始めた3歳前後の子どもなら、「どうしたらいいかな?」「どうしたいの?」という言葉を投げかけると、子どもなりに一生懸命考えて、「こうしたい!」「こんなふうにしてみる!」と言ってくれるはず。「わかんない」と言うのなら、「こういう方法もあるし、こんなのはどうかな?」と選択肢を提示して、子ども自身に選ばせるようにしてみましょう。

この言葉がけは、子どもに考える習慣を身につけさせることにつながります。

常に指示型で接していると、自分で考える機会がないので、自分の考えを持つことをしなくなる傾向があります。「どうしたらいいかな?」と問いかけることで、子どもが常に自分の気持ちに向き合うようになります。将来、社会に出て生きていくうえで、たくさん悩み決断せざるをえないことに直面すると思いますが、そのための心のベースをつくることにもなるのです。

失敗したら、子どもが責任を取ることは必要?

たとえば、子どもがお手伝いをしようとして、コップを落としてしまった場合。

「そんな持ち方するから、落とすのよ!」「余計なことしないでよ」なんて言われたら、子どもはもうお手伝いしたくなくなってしまいますよね。

わざとコップを落としたのでなければ、叱る必要はありません。コップが落ちて「あ!」という顔をした時点で、子ども自身「まずい!やっちゃった」という気持ちになっているでしょう。

コップが割れてしまっていたら危ないので、ママやパパが割れたコップを片づけると思いますが、お水など中身がこぼれたなら、布巾で一緒に拭いたり、最初に「こうやって拭いてね」とやり方を見せてあげて、子どもにやってもらうといいですね。「失敗したら、こうやって片づければいいんだ」という経験になります。小さい子どもが失敗したあとのリカバリーは、親子一緒にやってみましょう。

そして、「コップは今度からこうやって持つといいね」など、両手でつかんで落としにくい持ち方をアドバイスし練習してみましょう。次回からきっと注意深く、コップを持ってくれると思います。どなりつけたり、なげくより、「今度はこうしたらいいね」と方法をアドバイスしましょう。

ただし、子どもの気持ちが切り替えられないときには、こぼれた水を拭いたりする責任を取る行動に移りにくい場合もあります。そして、自分では悪かったと思っていても、すんなりと「ごめんね」を言えないこともありますよね。そんなときは、強制的にその場で責任を取らせることは必要はありません。

どうしても、子どもの気持ちが切り替わらなければ、「今はママがこぼれたお水を拭いておくね。落ち着いたらコップをキッチンに返しておいてね」と伝えるだけでもいいでしょう。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます

【著者】 高祖常子(こうそ・ときこ)
子育てアドバイザー。育児情報誌miku編集長。認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリングジャパン理事など多数の子どもの人権を守るための委員を歴任。所属学会は、日本子ども虐待防止学会、日本子ども家庭福祉学会など。

東京都出身。短期大学部卒業後、株式会社リクルートで約10年、学校・企業情報誌の編集にたずさわり、妊娠・出産を機にフリーに。第1子を生後3カ月の時に先天性の心臓疾患で亡くし、その後男2人、女1人の子宝に恵まれる。子育て中に必要で安心できる育児の情報に触れることが困難であったため、夫と共に育児のWEBサイト「こそだて」を2000年に立ち上げる。その後、2005年に無料の育児情報誌mikuの編集長となる。

現在はmikuをはじめ、育児誌を中心に編集・執筆を続けながら、これまでに2万以上の家族が参加した子ども虐待防止と、家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。また、複数の地方新聞にて「育児コラム」の連載、オールアバウト「子育て」ガイドとして記事を執筆。編集長を務める育児情報誌miku(季刊)は、現在全国の病院、子育て支援施設などで配付され、発行部数は13万部に上る。幼稚園教諭、保育士などの資格を持っている。編著に『ママの仕事復帰のために パパも会社も知っておきたい46のアイディア』(労働調査会)、『パパ1年生』(かんき出版)などがある。