【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

Q. 仕事を通じてもっと力をつけたい。スキルをアップするコツはありますか?

A. ポイントは「考え方」と「やり方」の両輪を身に着けること

仕事で成果を出せる人は、考え方のコツを知っている

大学院で社会人の学生さんに講義をしていると、学生さんからの質問には2つの種類があることに気がつきます。その2つとは「やり方に関する質問」と「考え方に関する質問」です。

たとえば、あなたがお客様とのトラブル対処を任された際に、上司に

「今回は、どうすればよろしいですか?」
と質問しますか。それとも、
「今回はどう考えればよろしいですか?」
と質問しますか。

目の前のトラブルに対処するためには迅速さは大事。そのために、具体的に何をやるのか、どうすればよいのかなど、方法ややり方を知ることは必要ですね。

しかし同時に、対処する際の考え方やポイントをはっきりさせることで、初めて最適な対処方法が選べます。やり方は、考え方次第で変わってくることもあります。また、やり方ばかりを追いかけていると、「なぜ、そのやり方をするのか」の理解が浅くなり、違う状況になった場合の応用ができません。

実は、仕事で成果を出す人は、この2つの種類の質問をセットでしています。そしてこれらは、新しい技術を習得したり、自分の力を伸ばすためにも、とても大切な視点なのです。

ビジネスを学ぶにしても、大きく分けて2つの習得方法があります。

ひとつは、ケーススタディを積み重ねることによって体得する方法(たとえば、ハーバード大学)です。もうひとつは、現場の体験にだけ任せるのではなく、理論やものの見方をしっかりと教える方法(たとえば、シカゴ大学)です。

どちらがよいかではなく、ケーススタディと理論はどちらも必要。大事なのはむしろ、職場の体験から学ぶ実践力と知識が与えてくれる理解力、この2つのバランスです。ですから、やり方だけでなく考え方も一緒に身に着けていくことが、仕事で成果を出す早道なのです。

考える感性がポイント

女性と話をしていると、「私は感覚人間なので、考えることが苦手です」という声をよく聞きます。考えることはむずかしいこと、論理的な思考力だと思っていませんか?

ものを考えている人は、実は感性が豊かな人です。自由な見方や観察力を磨いておくことが、職場での体験から実践力をつけることにつながるのです。

「おやっ、今回の反応はいつもと違う」
「今日の会議の結論、何か引っかかる」
「どうすれば、次はお客様に楽しんでいただけるかな」

などは、感覚、心のざわつき、思いやりからスタートします。そう、豊かな感性が考えるきっかけをくれ、頭が回り始めるのです。

論理のトレーニングは、本を読んだり、研修を受けたりすれば、比較的簡単に習得することができます。一方、感性や感覚を磨くほうがむずかしい。ですから、もともと感性がすぐれている女性が、トレーニングで論理的な思考力を身に着ければ、まさに「鬼に金棒」だと思います。

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著者:永田潤子(ながた・じゅんこ)
大阪市立大学大学院創造都市研究科准教授。1961年福岡県生まれ。女性に門戸を開放した海上保安大学校に、ただ一人の初女子学生として入学。卒業後は海上保安庁勤務。26歳のとき、最年少で巡視艇まつなみ船長を務める等、パイオニアとしての道を歩くことになる。
霞ヶ関での官庁勤務等、キャリアを積んだ後、埼玉大学大学院政策科学研究科(現:政策研究大学院大学)、大阪市立大学大学院経営学研究科博士後期課程にて、政策分析、意思決定、経営学を研究。その後、海上保安大学校にて人材育成および女子教育にも注力する。2003年より現職。2008年からは、大阪府橋下知事のブレイン(特別顧問)として改革に携わった。女性の活躍、リーダーシップ、個人と組織が本領発揮をする働き方等、その経験を活かした企業研修・講演も多数行なう。
自身が実地で学び、理論で裏付けた「仕事術」を、すべての働く女性に向けてまとめたのが、本書『女子の働き方』である。なお、まつなみ船長までの軌跡を描いた「海をかける風」はウェブサイトで無料公開中。
http://junko-nagata.com/