生命保険は、毎日の生活を安心して過ごすために大切な保障をつけられるものですが、加入する際にはどのような保障がどのくらい必要なのかを考えることが大切です。必要な保障を無駄なくつけられるように、シングルマザーが生命保険を選ぶ際のポイントやおすすめの保障などを解説していきます。

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保険の加入前にシングルマザーが考えておきたいこと

シングルマザーが保険に加入する際には、どの保険に加入すれば良いのか、どのような保障をつければいいのかなどと決めることがたくさんありますが、その前にまず考えておくべきことがあります。

まず、子どもにどのくらいの費用がこれからかかるのか、具体的に把握する必要があります。それを踏まえたうえで準備しておく金額を決めることになります。また、社会保険制度から遺族年金を受給できるため、受け取れる金額や期間も知っておく必要があります。遺族年金でカバーできない分を生命保険に加入して備えるというのもひとつの方法です。

子どもにかかる費用について

保険に加入する際に最初に考えるべきこととして、「子どもが独立するまでに教育費や生活費がいくらかかるのか」という点があります。今はまだ子どもが小さくても、大きくなるにつれて食べる量は増えるため、食費が増えることが考えられます。また、学年が大きくなれば習い事や塾に通う可能性があるため、それに伴って月謝の支払いが発生します。さらに、中学校や高校で部活に入れば、部活用品やユニフォームなど別途必要になるお金があります。

2022年3月現在、高校までの教育費は無償化されていますが、実質無償になるのはあくまでも授業料のみで、部活に関する費用や給食費などは支払わなければなりません。では、子どもにかかる教育費と生活費について具体的な金額を確認していきましょう。

子どもにかかる教育費

子どもが幼稚園に入園してから大学を卒業するまでに必要な金額について、文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査の結果について」を参考に計算していきます。下表は、幼稚園3歳から高校3年生までの15年間について、各学年の学習費総額の合計を示したものです。

学校種別 支出した金額
幼稚園
(3年間)
公立 649,088円
私立 1,584,777円
小学校
(6年間)
公立 1,926,809円
私立 9,592,145円
中学校
(3年間)
公立 1,462,113円
私立 4,217,172円
高校
(3年間)
公立 1,372,072円
私立 2,904,230円

参考:文部科学省 – 平成30年度子供の学習費調査の結果について

これらの金額には、授業料だけでなく、給食費・塾代・習い事の費用などといった学校外活動費も含まれています。この表から、たとえば幼稚園から高校まですべて公立に通った場合、およそ541万円の教育費が必要になり、すべて私立に通った場合はおよそ1,830万円が必要になることがわかります。

ただし、経済的に学費を支払うことが難しい世帯は、自治体で行っている「修学援助制度」を利用することで、修学旅行費・学用品費・給食費などの援助を受けることができます。また、「幼児教育・保育の無償化」や「高等学校等就学支援金制度」といった制度もあるため、教育費の負担はさらに軽減できる可能性があります。

とはいえ、ここまでの話は高校までのことですので、もしも子どもが大学に進学する場合はさらに教育費が必要になります。進学先別の平均学費は以下の通りです。

大学・学部 入学金・学費合計額
国立大学 文系、理系など 2,425,200円
医歯薬系 3,496,800円
公立大学 文系、理系など 2,548,150円
医歯薬系 3,625,416円
私立大学 文系、理系など 3,866,569円
医歯薬系 5,674,861円

参考:文部科学省 – 国公私立大学の授業料等の推移

たとえば、国立大学に4年間通った場合でも、およそ243万円の学費が必要になります。大学や学部によっては、さらに高額な学費が必要になることもあるため、あくまでも目安のひとつとして参考にしてください。

子どもの養育費・教育費については、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
▶子どもの養育費・教育費相場は?活用できる助成金も紹介

子どもにかかる生活費

子どもにかかるお金は教育費だけではありません。それ以外の生活費などについてもどのくらいかかるのか確認していきましょう。一般的に、子ども1人あたり1年間に必要な生活費は100万円~150万円ほどとされており、年齢が大きくなるほど金額も高額になる傾向があります。

就学区分 1年間の生活費 主な費用
未就学児 1,043,535円 食費、保育費など
小学生 1,153,541円 食費、レジャー・旅行費など
中学生 1,555,567円 食費、学校教育費、学校外教育費など

参考:内閣府 – 平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査

未就学児では保育費が大きな割合を占め、中学生では教育に関する費用が大きな割合を占めています。ここまでの内容をもとに子どもの教育費や生活費にかかる費用を計算してみると、今後必要になるおおよその金額が把握できるでしょう。

死亡時の遺族年金額と支払期間について

一家の生活を支えるシングルマザーが万が一死亡してしまった場合、残された子どもは遺族年金を受け取ることができます。シングルマザーの年金加入状態によって、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」のいずれか、または両方を受給することができます。

シングルマザーが国民年金の被保険者である間に死亡した場合、子どもは18歳到達年度の末日まで(一般的に高校3年生を卒業するまで)遺族基礎族年金を受給できます。障害を持っている子どもの場合は20歳まで受給することが可能です。

また、シングルマザーが勤務先で厚生年金に加入していた場合は、高校3年生を卒業するまで遺族厚生年金を受給できます。障害を持っている子どもの場合は遺族基礎年金と同様に20歳までです。

保険料納付済期間に注意

子どもが遺族基礎年金・遺族厚生年金を受け取るためには、死亡日の前日までに保険料納付済期間が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要となります。ただし、シングルマザーが65歳未満で死亡日が令和8年3月末日までの場合は、死亡日の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければ、子どもは問題なく受給することができます。

遺族年金で受給できる金額

子どもが遺族基礎年金で受給できる金額は、以下のように決められています。
※今回のケースはシングルマザーということが前提ですので、あくまでも子どもが受け取ることができる金額のみを紹介します(配偶者がいる場合、配偶者が受け取れる額は下記とは異なります)。

780,900円+子どもの人数別による加算額
・子どもが1人:224,700円
・子どもが2人:224,700円
・子どもが3人目以降:1人につき74,900円

子どもの人数 基本額 加算額 合計
1人 780,900円 224,700円 1,005,600円
2人 780,900円 224,700円 1,005,600円
3人 780,900円 299,600円 1,305,200円
4人以上 780,900円 3人の合計額(1,305,200円)に、1人につき74,900円を加算した額

一方、遺族厚生年金は、遺族基礎年金のように金額が決まっているわけではなく、厚生年金の加入期間や支払った保険料の額などにより異なります。加入期間が長く、支払った保険料が高額であるほど遺族厚生年金も高額になります。シングルマザーの場合は厚生年金への加入期間がない、またはあっても短い可能性があり、金額も高額ではないことが多いため、十分な金額を受給することは難しいかもしれません。

参考:日本年金機構 – 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)

社会保険料について

遺族基礎年金や遺族厚生年金は、シングルマザーがどの社会保険制度に加入していたのかによって子どもが受給できるか否かが決まりますが、これまで専業主婦だった人などは、そもそも社会保険についてよくわからないという人がいるかもしれません。社会保険は遺族年金を受給することだけでなく、医療や年金においても大切なことなので、ここで簡単に確認しておきましょう。

社会保険とは、病気・けが・出産・老齢・失業・障害・死亡といったさまざまな要因で生活が苦しくなった場合に、給付金を支払うことで生活の安定を図ることを目的とした、国民すべてが強制的に加入する保険制度のことをいいます。すべての人が保険料を出し合うことで困った人を助ける「相互扶助」の精神のもとに制度が運営されています。

会社に勤めている人

会社に勤めている人は、勤務先の社会保険に加入し、厚生年金保険料や健康保険料を支払います。厚生年金保険料を支払うことで、老後に老齢厚生年金を受給できたり、障害状態に陥った場合に障害厚生年金を受け取れたりします。また、健康保険料を支払うことで、仕事以外のケガや病気で医療機関を受診した際の医療費の一部を国に負担してもらえます。

勤務先の社会保険に加入できるのは、正社員だけではなく一定の要件を満たしたパートなども対象となります。2022年3月現在の詳しい加入条件は次の通りです。

・従業員数が501人以上の企業である(500人以下でも労使合意があれば適用可)
・1週間の所定労働時間が20時間以上である
・雇用期間が1年以上見込まれる
・賃金の月額が88,000円以上である
・学生ではない

なお、法改正により今後は社会保険の適用範囲が拡大され、パートでも加入対象者が増加する予定です。

令和4年(2022年)10月~
・対象となる事業所の規模:従業員数501人以上→101名以上に
・雇用期間:1年以上→2カ月超に

令和6年(2024年)10月~
・対象となる事業所の規模:従業員数101人以上→51名以上に

参考:令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大

自営業などの人

自営業の人や、パートで勤めていても社会保険の対象外となる人などは、国民年金保険料や国民健康保険料を支払うことで社会保険制度に加入します。国民年金保険料を支払うことで、老後に老齢基礎年金を受給できたり、障害状態に陥った場合に障害基礎年金を受給できたりします。また、国民健康保険料を支払うことで、医療機関を受診した際に、医療費の自己負担の一部を国に負担してもらうことができます。

国民年金は20歳以上60歳未満のすべての人に対して加入が義務付けられており、保険料は皆一律です。厚生年金の場合は、一般的にお給料から天引きで保険料が差し引かれますが、国民年金は自分で納付する必要があります。また、国民健康保険料は前年の所得によって保険料が異なり、所得が多い人ほど保険料も高額になります。こちらも自分で納付します。

シングルマザーの支払い免除制度はある?

社会保険料は年金や医療などにおいて大切な保障とはいえ、シングルマザーにとっては保険料の支払いが難しいことがあります。保険料の納付免除制度はあるのでしょうか。

勤務先の社会保険に加入している場合、厚生年金保険料と健康保険料はお給料から天引きされるため、納付免除制度は設けられていません。ただし例外的に、産前産後休業と育児休業などの期間に免除が認められています。

一方、国民年金保険料と国民健康保険料は納入が難しい場合、所得によって減免してもらうことができます。国民年金保険料には、全額免除・一部免除・納付猶予といった制度があります。国民健康保険料は所得に応じて税率軽減措置がとられ、軽減率は自治体により異なります。支払いが難しい場合は、自治体の窓口で相談してみましょう。

参考:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
参考:板橋区 – 国民健康保険料の軽減・減免

【目的別】知っておきたい保険の種類

生命保険には実にさまざまな種類のものがありますが、シングルマザーに必要な保険としては次の3つが挙げられます。

・子どもの教育費に備えるための保険
・自分に万が一のことがあった場合に備えるための保険
・ケガや病気になった場合の医療費や生活費に備えるための保険

いずれもシングルマザーにとって大切な保障なので、具体的な保険の種類や保障内容などについて確認しておきましょう。

子どもの教育費について備えたい場合

シングルマザーが抱える不安のひとつに、子どもの教育費への備えをどうするかということがあります。生命保険を活用して子どもの教育費を準備する方法としては、「学資保険」と「終身保険」が選択肢となります。

学資保険

学資保険は、子どもの教育費を貯めることを目的とした生命保険です。契約時に決めた保険料を毎月(毎年)支払うことで、子どもが所定の年齢になったときにお祝い金や満期保険金を受け取ることができます。

「貯蓄型」と「保障型」の2タイプがあり、貯蓄型は教育資金を貯めることをメインとした保険で、保障型は子どもの医療保障や死亡保障なども備えている保険です。一般的には、少しでも高額な教育費に準備するために貯蓄型へ加入することが多いです。

学資保険の大きなメリットのひとつに、契約者(親)に万が一のことがあった場合、それ以降の保険料の払い込みが免除になるということがあります。もちろん、お祝い金や満期保険金は契約通りに受け取ることができ、この点が預貯金とは異なる点です。

学資保険は加入時期が早いほど保険料が安くなり、商品によっては妊娠中に加入できるものもあります。一般的には、大学入学年に合わせて満期保険金を受け取るように契約することが多いです。

終身保険

終身保険は、その名の通り保障が一生涯続く生命保険です。保障だけでなく貯蓄性も兼ね備えているため、払込期間にもよりますが、中途解約をすると「解約返戻金」を受け取ることができます

子どもにお金がかからないうちはシングルマザー自身の保障のために活用し、大学入学のタイミングなど、子どもに高額な教育費が必要になったときに中途解約をすると、まとまった解約返戻金を受け取って学費へと充てることができます。教育費が必要になるまでは自分の保障として利用できるので、ムダがないというメリットがあります。

ただし、加入してすぐに中途解約すると十分な解約返戻金を受け取れない可能性がありますので、長期間加入し続けることがポイントとなります。

自分にもしものことが起こった時に備えたい場合

ご自身に万が一のことがあった場合を考えると、残された子どもの生活費などをあらかじめ準備しておきたいものです。銀行などへの預貯金でも良いですが、毎月の積立金だけでは十分な金額を貯めることは難しいでしょう。このような時に活用したいのが生命保険です。具体的には、「終身保険」「定期保険」「収入保障保険」が選択肢となります。

終身保険

終身保険は一生涯の保障が得られるということは先に説明しましたが、死亡したときや高度障害状態に陥ったときなどに保険金が支払われるという特徴もあります。死亡保険金として、たとえば3,000万円が子どもに支払われるという契約をしておけば、万が一のことがあったときに子どもはその金額を受け取ることができます。

定期保険

定期保険は、一定期間のみを保障する保険です。大きくふたつのタイプがあり、10年間や20年間といった一定期間を保障するタイプと、60歳までといったように一定年齢まで保障するタイプがあります。

定期保険は貯蓄性がないため、中途解約をしても解約返戻金を受け取ることはできず、満期日に満期保険金を受け取ることもできません。しかし、保険期間中に被保険者に万が一のことがあった場合、受取人が保障金額を受け取ることができるという特徴があります。たとえば、3,000万円で20年保障の定期保険に加入した場合、保険期間内にシングルマザーに万が一のことがあった場合、子どもが3,000万円を受け取ることができます。

貯蓄性がないため、無事に満期日を迎えると「保険料をかけ続けたぶん、損してしまった」と感じる人はいるかもしれないですが、終身保険などといった貯蓄性のある保険よりも保険料が割安というメリットがあります。安い保険料で大きな保障を付けたい場合は定期保険が良いでしょう。

収入保障保険

収入保障保険は定期保険の一種で、被保険者に万が一のことがあった場合に、保険期間中は保険金を毎月年金のように受け取れるという特徴があります。一般的な定期保険は死亡保険金が一括で支払われますが、収入保障保険は毎月受け取れるので、生活費として利用しやすく無駄遣いを防ぐことができます。

ただし、受け取れる保険金の総額は経過年数とともに減少していきます。契約したばかりのときは保険金総額が高額になりますが、経過年数が多くなるほど総額が少なくなります。というのも、子どもが大きくなるほど独立するまでの年数が少なくなり、それに伴い必要な学費や生活費の総計も減少していくためです。つまり、収入保障保険は合理的な保険金設計になっているということです。

病気になった時の医療費や生活費に備えたい場合

病気やケガをするリスクは誰にでもあります。しかし、シングルマザーが病気やケガで入院や手術をすることになると、医療費の支払いや生活費の不足などさまざまな問題が出てきます。そういったリスクに備えるための保険として「医療保険」「がん保険」「就業不能保険」があります。

医療保険

医療保険は、病気・ケガで入院や手術などの治療を受けたときの医療費を補償してくれる保険です。日本は公的医療制度が充実しているため、窓口での支払いが原則3割(年齢や所得によっては1~2割)に軽減されますが、入院や手術を受けた場合は医療費自体が高額になるうえ、公的医療保険の適用外のものもあります。

こういった公的医療保険ではカバーしきれないものを補償してくれるのが医療保険で、特約を付けることで補償内容をより充実させることもできます。保険期間は終身型と定期型があり、必要に応じて選択できます。

ちなみに、医療保険はシングルマザーだけでなく子どもにも必要だと考える人はいるかもしれませんが、子どもの医療費はマル福(子ども医療費助成制度)などの利用で安くできるため、わざわざ民間の医療保険に別途加入して備える必要があるかはよく検討する必要があるでしょう。

がん保険

がん保険は、がんにかかった場合の治療費などを補償してくれる保険です。がんの治療費も公的医療保険でカバーできるものがありますが、高度な先進医療を用いた治療を行う場合などは全額自己負担となり、費用は数十万円、中には数百万円といったものもあります。こういった治療費を全額自己負担するのは非常に難しいといえますが、がん保険に加入していれば実費分を補償してもらえます(先進医療特約が付いている場合)。

女性のがん罹患率は、20代から60代までは男性よりも高くなっており、シングルマザーも早めに保障をつけておくことが大切です。というのも、女性は20代のうちから乳がんや子宮がんといった女性特有のがんに罹患する率が決して低くはないためです。一度がんにかかってしまうと新規でがん保険に加入することが難しくなるため、早い段階での加入を検討することをおすすめします。

就業不能保険

「就業不能保険」という保険の種類は初めて知ったという人もいるかもしれないですが、これは病気・ケガで入院したり療養したりするために長期間休業する場合、毎月お給料のように給付金を受け取ることができる保険です。入院や療養のために休業すると、その間は収入が減少、もしくは全く入ってこなくなる人がほとんどではないでしょうか。そういった「収入減少に対するリスク」へ備えるために加入するのが、就業不能保険です。

この保険は、契約時に決めた金額を、基本的には就業不能状態が続く間、または保険期間満了まで毎月受け取ることができます。ただし、就業不能保険には一般的に免責期間(給付金が支払われない期間)が設けられており、たとえば60日や180日などと所定の期間が経過した後に受給開始となります。

シングルマザーが加入を検討したい保険とは

前章での説明の通り、保険にはさまざまな種類があることを紹介しましたが、その中でも特にシングルマザーにとっておすすめの保険は「生命保険」「医療保険」「就業不能保険」の3つです。本章では、シングルマザーにおすすめの理由や活用方法などについて詳しく説明します。

生命保険

シングルマザーにまず加入を検討してもらいたいのが生命保険です。具体的には、終身保険・定期保険・収入保障保険などが該当します。

終身保険は一生涯の保障が得られ、万が一のときに死亡保険金が支払われます。定期保険は一定期間のみの保障ですが安い保険料で高額な保障を付けることができ、保険期間内に万が一のことがあった場合に死亡保険金が支払われます。就業不能保険は、病気やケガで入院・療養するために休業する際の生活費の補填として役立てることができます。

このように、シングルマザー自身の保障や万が一の時に子どもへ残す保険金、また「働けなくなるリスク」に備えるために生命保険を活用すると良いでしょう。

保険金受取人は子どもに指定する

生命保険に加入する際には契約者・被契約者・保険金受取人を指定しますが、契約者と被保険者は自分に、保険金受取人を子どもに指定しておきましょう。子どもの生活費や養育費として、子ども自身が受け取ることができます。子どもが未成年のときに受け取る場合は、親権者もしくは未成年後見人が受け取りの手続きを行います。未成年後見人は、遺言により指定するか、指定されていない場合は家庭裁判所で選任してもらいます。

なお、加入している生命保険の受取人が元配偶者になっており、まだ変更手続きを取っていない場合は、スムーズに子どもが受け取れるよう確実に変更手続きを済ませておくようにしましょう。

医療保険

公的医療保険ではカバーしきれない医療費を補償するために、医療保険やがん保険などに加入しておくと高額な医療費の支払いに困らずに済みます。中には「医療保険の保険料までは支払えない」と考える人もいるかもしれませんが、実は貯蓄のない人こそ保険での備えが大切だといえます。

がんにも備えたい場合はがん保険に加入する方法もありますが、医療保険に加入して「がん特約」を付けると、医療保障とがん保障の両方に備えることができます。大きな病気などをする前の健康体のうちに加入しておくことがおすすめです。

就業不能保険

就業不能保険は、一家の働き手であるシングルマザーが病気やケガで入院・療養するために休業することになっても、生活費に困らないように備える保険です。休業中に収入減となっても子どもとの生活を維持していけるように、できれば加入しておきたい保険のひとつです。

シングルマザーが無理なく保険料を支払うためには

ここまでの内容で、シングルマザーにも生命保険の加入が重要であることをお伝えしてきましたが、いくら保障は大切であるとわかっていても、毎月保険料を支払うことは家計に負担がかかるものです。保険料の支払いのために家計費が圧迫してしまっては元も子もありません。そこで、シングルマザーが無理なく保険料を支払っていくためのポイントをいくつか紹介していきます。

もらえる公的な手当を把握しよう

生命保険に加入する場合は、まず公的制度から受給できる手当金にはどのようなものがあり、どのくらいもらえるのかを把握しましょう。そして、公的な手当金では不足する分を生命保険でカバーすると良いでしょう。公的な手当金として、たとえば次のようなものがあります。

【児童手当】
0歳から中学校卒業までの子どもを養育している人に支払われます。3歳未満は1万5,000円、3歳以上小学校修了までは1万円(第三子以降は1万5,000円)、中学性は1万円が受給できます。

【児童扶養手当】
ひとり親世帯など、父または母と生計を別にしている高校3年生卒業までの子どもがいる世帯に支払われます。手当額は全部支給と一部支給があり、子ども1人の場合は1万180円~4万3,160円、2人目の加算額は5,100円~1万190円、3人目以降の加算額は3,060円~6,110円となっています。

【ひとり親医療費助成制度】
シングルマザーなどのひとり親やその子どもなどが病院などで診察を受けた際に、医療費の自己負担分の一部を自治体が助成してくれる制度です。助成金額は入院や通院によって異なりますが、保険診療の範囲内での治療であれば一般的に自己負担額の全額が助成されます。

払込は長期間にして毎月の負担額を減らそう

保険料の払込方法には、月払い・半年払い・年払い・一時払いといった方法がありますが、払込総額がもっとも少なくて済むのは一時払いです。契約時にまとめて支払うことで、保険料はもっとも少額になります。しかし、無理して支払ってしまい生活費を圧迫してしまっては本末転倒です。

シングルマザーが無理なく保険料を支払い続けるためには、たとえ総額が大きくなってしまうとしても毎月払いが良いでしょう。毎月少額ずつ支払うことで、家計に負担をかけずに必要な保障をつけることができるからです。

シングルマザーは生命保険を活用して将来の不安をなくしましょう

子どもの教育費、病気やケガへの備え、自分に万が一のことがあった場合の保障などは、生命保険を活用して備えておくことができます。加入する前に、公的制度から受けられる給付金や手当金などを考慮し、不足する分を生命保険でカバーするようにすると、ムリなく無駄なく備えることができます。ぜひ記事を参考に、生命保険について検討してみてください。