離婚してシングルマザーになるのを機に正規雇用へ就きたい、現在シングルマザーとして生計を立てているものの収入アップのために転職したいなど、自身の状況の変化によって転職について考えるタイミングが訪れることがあります。本記事ではシングルマザーの転職に必要な情報を詳しく説明していきますので、ぜひ転職に活かしていってみてください。

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シングルマザーになったのをきっかけに転職した人は半数近く

厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」を見ると、離婚する前(婚姻期間中)から就業していた人のうち、離婚してシングルマザーになったのをきっかけに転職をした人は45.5%と発表されています。実に半数近くにのぼる人が転職をしていることがわかります。また、その転職の理由として「収入が良くない」と答えた人は38.0%と、もっとも多くの割合を占めています。

さらに、同調査では、現在就業しているシングルマザー世帯に対しての転職希望についての結果もまとめています。この中で、「仕事を変えたい」と答えたシングルマザーの割合は全体の30.4%を占めており、転職を希望するシングルマザーは決してめずらしくないこともわかります。その理由としてもっとも多いのは、こちらでもやはり「収入が良くない」が1位となっています。

ここで注目したいのは、シングルマザーになったことをきっかけに転職をした人も、これから転職を希望する人も、その大きな理由となるのが収入面にある点です。この結果から、多くのシングルマザーがこれまでの仕事において収入面で余裕がない・ぎりぎりの状態を保っている(いた)ことが見て取れます。

参考:厚生労働省 – 平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告(P27,P29)

シングルマザーの転職のタイミングについて

シングルマザーが転職するタイミングとして、主に3つのパターンが考えられます。本章ではそれぞれのパターンと主な理由を説明します。

シングルマザーになったタイミングで

最初に考えられるのは、離婚してシングルマザーになったタイミングです。離婚したあとは元パートナーから生活費を受け取ることはできないため、家計からそのぶんの収入はなくなります。生活費を自分の収入だけでまかなうために、離婚と同時に収入の高い仕事へ転職を希望するケースが多い傾向にあります。

子どもがある程度成長したタイミングで

お子さんがある程度の年齢まで成長したタイミングも、転職を考える1つの目安になります。お子さんが小さいうちは体調を崩しやすいため、お母さん側は急に休みを取ったり、早退したりするケースが多くあります。パートタイムなど、離婚前の仕事で働き続けているほうがこのような場合に対応しやすいこともあるでしょう。体がしっかりしてくる3歳の頃、小学校入学の頃、小学校高学年になるタイミングなどが傾向として多くなります。

お金が必要になったタイミングで

お子さんが大きくなると部活動や塾代にお金がかかるうえ、学費も高額になります。そのため、お子さんにお金がかかるようになったタイミングで収入の高い仕事へ転職を希望するシングルマザーもいます。

シングルマザーが転職前にやっておくべきこと

シングルマザーが転職をする場合、前もって準備をしておくことがいくつかあります。大きく3つの点を説明していきます。

子どもの預け先を複数決める

まず、お子さんの預け先を決めることが挙げられます。お子さんに熱があるときは保育園に預けることができません。急な発熱や体調不良にも対応できるように、預け先は複数決めておくと安心です。

両親・親戚が近くにいる場合はお願いできる状態を作っておくほか、病児デイサービスセンター、病児保育、ファミリーサポートセンターなどの預け先もあります。病児デイサービスセンターや病児保育は、自治体や民間の病院などが提供しているサービスです。看護師や保育士などの専門のスタッフが、預かり先や自宅で体調不良のお子さんを見てくれます。

ファミリーサポートセンターは自治体が運営している事業で、提供会員(子育てを手伝う人)と、依頼会員(子育てを手伝ってもらいたい人)がお互いに助け合えるように調整する役割をもっています。提供会員が依頼会員の代わりにお子さんの病院の受診を行うサービスもあります。

病児デイサービスセンターや病児保育、ファミリーサポートセンターは事前に登録が必要であるのが一般的です。お住まいの地域にどのようなサービスがあるか調べて登録しておけば、いざというときも慌てずに済みます。

社会保障や補助を積極的に利用する

転職活動中であっても、生活のためにはお金は必要です。お金にある程度の余裕があれば精神的にも余裕をもって転職活動ができますし、冷静に仕事や企業を選ぶことができます。そこで、シングルマザーが利用できる社会保障や補助の制度を紹介していきます。

・保育費補助
ひとり親家庭、かつ、非課税の世帯や決められた収入以下の世帯において、お子さんの保育料が無料、または減額になる制度です。

・医療費補助
医療費補助とは「ひとり親家庭医療費助成制度」と呼ばれるもので、お母さん自身やお子さんが病院を受診したときに、医療費の一部を補助してくれる制度です。地域によって内容や条件はさまざまですので、自治体の窓口に問い合わせてみてください。

・家賃補助
ひとり親家庭の家賃の一部を補助してくれる制度です。自治体が独自で行っているため、制度がない地域もあります。

このような社会保障や補助は申請後から利用することができ、基本的には申請する前のぶんを遡って請求することはできません。該当者であるにもかかわらず制度のことを知らないと、せっかく受けられるものも受けられないため、利用できる制度はないかあらかじめ調べておきましょう。

どのくらい稼ぐべきか計算する

家庭によって必要なお金の額はさまざまです。お子さんの人数や年齢によっても変わってきますし、養育費を受け取っているかどうかでも違いがでてきます。

ご自身の家庭では月にどのくらいのお金が必要か、まず計算をしてみましょう。せっかく転職に成功しても、毎月必要となる生活費に収入が足りなければ、家計は赤字になってしまいます。いくら稼ぐ必要があるか目安になる金額をだしておけば、転職のイメージがつきやすくなります。1カ月にかかるお金としては、おもに以下のものがあげられます。

・家賃
・食費
・水道光熱費
・医療費
・通信費
・教育費
・被服費
・保険料

家賃や通信費などの固定費は、できるだけ抑えることを検討しながら計算していくと良いでしょう。また、前述した社会保障や補助などの利用も考えたうえで計算していくこともポイントです。

離婚後の生活費についてはこちらの記事で詳しくまとめています。ぜひあわせてご覧ください。
離婚後にいくら生活費があると安心?相場を計算してみよう

シングルマザーが転職先の企業を選ぶポイント

必要な準備が終わったら、いよいよ転職先を探していきます。どのような点に注目して企業を選ぶと良いのでしょうか。シングルマザーが転職先の企業を選ぶときのポイントを紹介していきます。

長く働くことができる企業を選ぶ

まず、長く働くことのできる企業を選ぶことです。長く働くことで給与が上がっていくことが考えられますし、安定して収入を得ることができます。

長く働くためには、収入面だけでなく、さまざまな視点で企業を見ることを意識しましょう。たとえば、通勤が負担でなく、お子さんの送り迎えがしやすい場所にあることも重要です。無理をして通勤すると、体力的・精神的に負担が出やすくなります。結果として長く働くことが難しくなる可能性もあります。

そのうえ、シングルマザーに理解があるかも企業を選ぶポイントのひとつです。お子さんをひとりで見るということは、急な休みや早退が必要になる場面もでてくるということです。企業の理解がなければ、急な休みや早退をとることは難しい可能性があったり、休みがとれたとしても、その後の職場の雰囲気から働きづらくなってしまったりする可能性があります。

また、昇給の確認をしておくこともおすすめします。どのくらいの期間で、どの程度収入があがっていくかあらかじめ知っておくと、これからのご家庭のライフプランに合う企業かどうかがわかってきます。お子さんが大きくなれば、転職したときの収入では足りなくなる可能性があるでしょう。お金がさらに必要になったとき、それでも大丈夫なほど給与がもらえているのかイメージしておくと安心です。

やりがいのある仕事を選ぶ

お子さんとの生活を考えると、生活費がしっかりと稼げることや、子育てとの両立がしやすい企業を選ぶことは重要です。ただし、収入面や子育てとの両立だけを考えるのではなく、やりがいのある仕事を選ぶことも忘れないでください。

シングルマザーの中には、収入面に魅力を感じ、せっかく決まった企業からまた転職してしまう人がいます。転職を繰り返していては、あまりやりがいを感じられないまま職場を去ることになるだけでなく、安定した収入を得ることも難しいといえるでしょう。年齢が上がれば採用もされにくくなる傾向にありますので、転職を繰り返すのは避けたいところです。

子育てや生活も大切ですが、仕事を通して活躍することによってご自身の人生を生きるのも必要なことです。仕事は1日の長い時間を占めますので、そこにやりがいも感じられることができれば、ご自身の人生をよりいきいきと過ごせるようになるでしょう。

女性を積極採用している企業を選ぶ

女性を積極的に採用している企業は、比較的、子育てに理解がある企業が多い傾向にあります。女性社員が多い企業も少なくないため、女性同士でお互いに休みや早退をフォローし合う関係性が作れる可能性もあります。

女性を積極的に採用している企業の探し方として、厚生労働省の「えるぼし認定」という制度に注目するのもひとつです。えるぼし認定とは、女性の活躍を推進している企業がもらえる認定のことで、以下の項目で判断されます。

1.採用
2.継続就業
3.労働時間等の働き方
4.管理職比率
5.多様なキャリアコース

現在、えるぼし認定を受けている企業は全国で1,400社ほどあります。お住まいの都道府県によって企業の数には差がありますが、通勤できる範囲にえるぼし認定企業がないか探してみると良いでしょう。

また、「女性活躍中」や「子育てとの両立可能」というキーワードを掲げている企業も、女性を積極的に採用している可能性が高いといえます。企業を探すときはこのようなキーワードに注目して探してみることもおすすめです。

参考:厚生労働省 – 女性活躍推進に基づくえるぼし認定プラチナえるぼし認定のご案内

シングルマザーの転職先としておすすめの仕事

ここからは、シングルマザーが転職を検討するうえで、特におすすめの仕事を紹介していきます。どのような仕事を選べば良いか悩んでいる人は、まず以下の仕事のなかでチャレンジできそうなものはないか検討してみてください。

営業職

保険外交員などの営業職はシングルマザーにおすすめの仕事です。営業職は時間の使い方を自分で決められる傾向にあるため、上手に仕事を管理すればお子さんの用事に合わせて帰宅時間を調整するといったことができます。また、営業職は比較的、正社員として採用されやすいという点もあります。成果が給与につながりやすいので、頑張り次第では高い収入を得られる可能性もあります。

ただし、営業する相手によっては休日に約束が入るケースも考えられますので、お子さんの急な預け先を確保しておく必要があります。また、頑張り次第では高い収入が得られる一方、働く時間が取れない月などは収入が下がってしまう注意点もあります。

介護職

介護職もシングルマザーにおすすめの仕事です。介護の仕事は常に人手が足りていないのが現状ですので、未経験でも採用してもらえる可能性が高くなります。中にはシングルマザーを積極的に採用している施設もあります。また、介護職に関連する資格として、短期間で取れるもの、実務経験がなくても取れるものがあります。介護職は経験や資格がなくても採用されやすいですが、こういった資格を取ることで給与アップが見込めるのもメリットです。

一方で、大人の体を支えたり入浴介助をしたりと体力を使う仕事なので、体力に自信のない人には、仕事の負担が大きく感じられる可能性があります。

医療事務

資格をとってから転職しようと考えるシングルマザーに人気があるのは、医療事務です。医療事務の資格は比較的費用がかからずに取得することができ、通信講座のみで取ることができるため、自宅でお子さんを見ながら資格取得、というのも不可能ではありません。医療事務は福利厚生が充実している傾向が高いうえ、仕事が終わる時間が早いのもメリットといえます。

ただし、人によっては給与が安いと感じてしまうかもしれません。特に、養育費をきちんと受け取れていない人、固定費の中でも家賃が高い人などは、状況によっては生活が苦しくなることが考えられます。

コールセンター

コールセンターもシングルマザーにおすすめの仕事です。勤務時間が決まっていて、残業が少なく帰宅時間も早いことから、子育てとの両立がしやすい仕事といえます。デスクワークであることがほとんどですので、帰宅後の家事・育児のための体力も十分残しておくことができるでしょう。

ただし、コールセンターは正社員採用でなく、派遣社員や契約社員での雇用形態が多い傾向にあります。会社の経営状況によっては長く働けない可能性もあるため、その点に関しては注意が必要です。

家事代行

家事代行とは、掃除や洗濯、料理を代わりに行う仕事です。これまでの主婦としての経験が活かせることから、シングルマザーは採用されやすくなっています。家事代行の時給は1,000円~1,300円が相場ですが、正社員になれば年間で400万円を超える収入を得られることもめずらしくありません。働く時間が短いため、時間にも融通が利く仕事です。

注意点は、依頼先の家庭との相性によって、仕事の大変さが変わる場合があることです。普段から人との関わりに抵抗が感じないことが、家事代行を仕事にするうえでは必要です。

シングルマザーが利用できる転職支援制度

シングルマザーは転職のために支援制度を活用することができます。ぜひ制度を知って利用を検討してみてください。

自立支援教育訓練給付金

まず、シングルマザーが働いて自立をしていくための支援に「自立支援教育訓練給付金」があります。自立支援教育訓練給付金とは、就職につながる教育訓練の講座を受けたときに、かかったお金の60%が支給される制度です。

支給される金額は、1万2,000円を超えた分から、年間20万円までが範囲になります。そのため、職業訓練の講座を受けても1万2,000円を超えない場合は支給がありません。また、年間20万円を超えた場合、その分については支給がないことにも注意してください。

自立支援教育訓練給付金を受けるには、ひとり親として20歳未満のお子さんを扶養していることに加えて、以下の要件が必要です。

・児童扶養手当を受けているか、児童扶養手当を受ける同等の所得の水準であること
・就業経験やスキル、資格の取得状況などから、教育訓練を受けることが就職に必要だと認められること

自立支援教育訓練給付金は自治体の窓口やハローワークで申請します。利用を検討する場合は問い合わせてみてください。

高等職業訓練促進給付金

「高等職業訓練促進給付金」とは、特定の資格を取るために養成機関で学ぶとき、その間の生活費の一部を支給してくれるものです。非課税世帯で10万円、課税世帯で7万500円を、学んでいる期間(上限4年)支給してもらうことができます。

ひとり親として20歳未満のお子さんを扶養していて、以下の要件にあてはまると対象になります。

・児童扶養手当を受けているか、児童扶養手当を受ける同等の所得の水準であること
・養成機関で、1年以上のカリキュラムを修業し、資格の取得が見込めること
・仕事や子育てと、修業の両立が難しいこと

対象となる資格は、看護師や社会福祉士など、就職に有利なものが多いです。高等職業訓練促進給付金を利用して資格を取り、転職を成功させるのもひとつの方法でしょう。

参考:内閣府男女共同参画局 – ひとり親家庭の方への就業支援

シングルマザーは転職で安定した生活を手に入れよう

婚姻期間中は元パートナーの扶養内で働いていたなどという人を含め、離婚前の仕事をそのままシングルマザーになった後も続けることは、ひとりで生活費をまかなうという意味では非常に厳しいといえます。しかし、転職することによって収入が高くなり、子育てと両立しやすい仕事に就ければ、お子さんと安定した生活を送ることができます。ぜひ本記事を参考に、お子さんとご自身にとって最良の転職を目指してみてください。