離婚について誰かに相談したくても、親や友達には相談しにくいものでしょう。そのようなときは、公的機関や民間の団体などが行っている離婚相談を利用する方法があります。この記事では、離婚相談先の種類や特徴、相談する際のポイントやタイミングなどについて解説します。

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【無料有】離婚についての相談先一覧

離婚について相談したい場合、複数ある相談先から選択する必要があります。本格的に離婚を考えているのか、それともまずは話を聞いてほしいのか、専門家の紹介を依頼したいのかなど、相談内容によって適した相談先が異なりますので、それぞれの特徴を確認していきましょう。

自治体(役所)

自治体の役所では無料の法律相談を実施しているところが多く、離婚についての相談にも対応しています。相談に乗ってくれるのは、お住まいの地域の弁護士会に所属している弁護士なので、離婚におけるさまざまな相談事にも専門的に対応してもらえる可能性があります。

相談場所は一般的に役所内や市民センターなどが多いので、足を運びやすいです。また、離婚以外にも相談したいことがあれば、困り事についてアドバイスをもらうこともできます。

ただし、相談日が週に1日や2日など、決まった曜日しか開催されないところが多く、時間帯も平日の日中のみのところがほとんどです。相談時間は1回20~30分と限られているため、相談内容によっては時間が足りなくなる可能性があります。

また、弁護士を選べないのも場合によってはデメリットになります。というのも、必ずしも離婚に強い弁護士に相談できるとは限らないからです。

自治体の相談を利用するには、電話か窓口で申し込むのが一般的です。予約なしで当日利用することはできないため注意しましょう。

女性センター

配偶者からのDVやモラハラなどに悩んでいる場合は、女性センターに相談すると良いでしょう。女性センターは、道府県や市町村が設置している女性のための施設で、女性が抱える問題についての情報提供や相談などを行っています。なお、名称は「女性センター」のほか、「男女共同参画センター」という場合もあり、自治体により異なります。

相談は無料で受けられ、相談員は女性が対応してくれるところが多いです。女性のほうが話しやすいという人にとってはメリットですが、自治体により対応が異なる可能性があるため、公式サイトや電話などで確認すると良いでしょう。

また、女性センターの中には「配偶者暴力相談支援センター(※)」に指定されているところや、配偶者からの暴力専門の相談窓口を設置しているところもあります。相談の状況によっては、それらの窓口を紹介されることもあります。

女性センターの利用方法は施設ごとに決められているので、相談を希望する場合は最寄りの女性センターに問い合わせてください。ただし、緊急の場合や事態の深刻度によっては警察に連絡することをおすすめします。

※配偶者暴力相談支援センターは、配偶者からのDV防止や被害者の保護を目的として相談やカウンセリングを行うほか、緊急時の一時保護にも対応しています。

離婚カウンセラー

公共機関が行っている離婚相談には抵抗があるといった場合は、離婚カウンセラーに相談するのもひとつの方法です。

「離婚カウンセラー」は民間資格で、資格を保有しているカウンセラーは離婚についての一定の知識を持っているため、さまざまな悩みに対応しています。離婚を目的とした相談だけでなく、夫婦関係の修復や離婚を避けるための相談なども受けられます。

親や友人などにはなかなか言えないことでも、カウンセリングの資格を持った相談員になら心の内を話しやすいでしょう。また、客観的な判断をしてもらうことで、現在の状況を理解しやすくなったり、気持ちの整理がしやすくなったりします。1人での相談はもちろんのこと、夫婦での相談にも対応してくれるところがあります。

ただし、離婚の意志がすでに固まっていて、具体的な手続き方法を相談したい場合には弁護士へ依頼することをおすすめします。離婚カウンセラーは、あくまでも相談やアドバイスにとどまる点に注意しましょう。また、相談は有料なので、問い合わせ時に料金についても確認することをおすすめします。

NPO法人

NPO法人の中には離婚相談を行っているところがあり、離婚を希望するケース、配偶者との関係の改善を目指したいケース、配偶者の浮気に悩んでいるケースなど、さまざまな相談ができます。また、探偵・調査会社や弁護士などの専門家の紹介をしてもらえる場合もあります。

専門分野の知識や経験豊富なカウンセラーが解決までのサポートをするとともに、メンタルケアも同時に行うことで、ひとりでも多くの相談者を救済するよう活動しています。

相談は対面のほか、電話やメール、ZOOMなどのオンラインがあり(NPO法人による)、遠方に住んでいる人でも相談しやすいです。相談料は無料のところもある一方、有料のところも多いため、利用する際には料金についても確認するようにしましょう。

法テラス

法テラスは、法的トラブルを解決するために国が設立した機関で、離婚や浮気などの相談にも対応しています。離婚の話し合いがうまく進まないときや、浮気で慰謝料請求ができるか知りたいときなど、困り事に応じて利用できる法制度・手続き・相談窓口を無料で案内しています。

また、法テラスには弁護士など専門家に支払う報酬を立て替えて支払ってくれる「弁護士費用立替制度」があり、利用者は分割で法テラスに返済することができます。ただし、利用対象者は収入が一定金額以下などの条件があり、条件を満たしている人のみが利用できる点に注意が必要です。

法テラスでの1回の相談は30分程度で、ひとつの相談内容につき3回まで無料で相談できます。弁護士や司法書士との面談のほか、電話による相談を受け付けているところもあります。

法テラスは、弁護士に相談したいけれども費用の心配がある、といった場合に適した相談先です。ただし、原則として自分から弁護士を選べないため、離婚に強い弁護士に依頼できるとは限りません。

参考:法テラスホームページ

法律相談センター

法律相談センターは、全国の弁護士が会員になっている、弁護士会が運営する機関です。日常生活におけるさまざまなトラブルに対応しており、離婚に関する相談ももちろん受け付けています。特徴としては法テラスと似ています。

相談時間はおおよそ30分程度で、料金は相談内容や利用する地域によりますが、5,500円前後のことが多いです。

相談後、そのまま相談をした弁護士に依頼することもできますが、ほかの弁護士にすることもできます。弁護士費用が心配な場合は、おおよその費用を教えてもらえるほか、支払いが難しいときに利用できる法律扶助制度(※)などを説明してもうことが可能です。

申し込みは、全国の弁護士会の法律相談センターにつながる「ひまわりお悩み110番」に電話をかけて予約します。「ひまわりお悩み110番」は、24時間いつでも予約申し込みが可能です。相談場所は、各地の弁護士会館など、全国約300カ所あります。

※法律扶助制度とは、経済的に余裕がない人に無料で法律相談を行うとともに、弁護士などの裁判手続費用や書類作成費用などを立て替えて支払う制度のことです。

参考:法律相談センターホームページ

調査会社

配偶者に浮気・不倫の疑惑がある場合は、証拠をつかむために調査会社や探偵などに依頼すると良いでしょう。証拠があれば、離婚の話し合いも有利に進められるほか、浮気相手に慰謝料を請求する際にも決定的な証拠を提示できます

調査会社の中には、相談や見積もりを無料で行っているところもあり、場合によっては離婚に強い弁護士を紹介しているケースも存在します。

ただし、調査会社や探偵の中には悪質な業者もいるため、しっかり見極めたうえで依頼することが大切です。安心して依頼できる業者の見分け方のポイントをいくつか紹介しましょう。

・探偵業法に則った営業をしている
・公安委員会から「探偵業届出証明書」が交付されている
・価格設定が明確である、適正な価格設定である
・経験豊富である(営業年数が長い) など

実際に事務所を訪問して担当者の対応を直接確認し、納得したうえで依頼しましょう。

弁護士

離婚する気持ちが固まっていて、養育費や財産分与、慰謝料のことなどで相談したいときは弁護士に依頼するのがおすすめです。というのも、裁判で依頼者の代理人として行動したり、法律相談・交渉・契約書の作成などをしたりできるのは、これらが弁護士だけの独占業務だからです。弁護士に相談すれば、そのまま法的な手続きへと移行できるのでスムーズに進められます。

弁護士ならば、離婚裁判になっても有利になるように、あらかじめ準備する内容や心構えなどのアドバイスを受けることができるでしょう。また、弁護士の中には離婚カウンセラーの資格を持っている人もいるため、法的なアドバイスだけでなく心のケアにも対応してくれることがあります。

相談料金は30分で5,000円程度が比較的多いですが、初回は無料というところもあります。料金は弁護士事務所によって異なるため、問い合わせをする前に公式サイトなどで確認すると良いでしょう。

離婚相談のタイミングはいつ?

離婚相談のタイミングは、できるだけ早い段階がおすすめです。早いうちであれば、配偶者と揉めることなく円満離婚ができる可能性もあるためです。状況によっては離婚を回避して、関係修復ができるかもしれません。また、早いうちから相談すれば弁護士を選ぶ時間的なゆとりが持てるので、離婚に強い弁護士や自身と相性の良い弁護士を見つけられる可能性が高くなるでしょう。

実際には、配偶者との話し合いが揉めたり、別居したりしてからなど、状況が変化してから相談をする人が少なくありません。「こんなことで相談してもいいのかな?」などと考えてしまい、離婚相談をする勇気が出ないのも理由のひとつでしょう。離婚が決まっていない状態で弁護士などの専門家に相談しても良いのか悩んでしまうかもしれませんが、争いやトラブルは早期解決できたほうが双方の負担が小さく済みます

離婚について第三者に相談することはハードルが高いことですが、状況が悪化する前に早期に相談をすることを考えてみましょう。

離婚のことを相談する際のポイント

離婚相談をする際には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。相談時間は限られているので、有意義な時間にするためにも、どのようなことに気を付ければ良いのか確認していきましょう。

相談前に自分の気持ちを整理しておく

離婚相談の前に、まず自分の気持ちを整理しておくことが大切です。離婚したいのか、それともなんとか離婚を回避して関係を修復したいのか、相談の方向性を整理しておきます。どちらにも決められない場合は、決められない理由を明らかにしておくと良いでしょう。

離婚したい場合は、次のようなことをわかりやすくまとめておくと話をしやすいです。

・離婚したい理由
・離婚の条件:子どもの親権、養育費、財産分与など
・浮気や不倫などの証拠(ある場合)

細かいところまで決める必要はありませんが、現在の状況が相談員にわかるようにしましょう。

事実を伝えるようにする

離婚のことで頭がいっぱいになっていると、どうしても感情的になりやすいです。しかし、離婚相談をする際にはできるだけ自分の感情を交えずに、事実を伝えるようにします。

DVを受けているなら、いつどのようなことをされたのかを説明するとともに、そのときの写真や医師の診断書など、証明できるものがあれば提示します。浮気や不倫の疑いがあるのであれば、その相手が誰なのか、関係が続いている期間、交際状況など、わかっている範囲で伝えます。この場合も、証拠写真などがあれば提示すると良いでしょう。

悲しみや苦しみや怒りから配偶者を責める言葉が出がちですが、離婚相談では事実を淡々と伝えることが大切です。

最低限のことは調べておく

離婚相談は、相談時間があらかじめ決まっていることが多く、基本的なことの説明を受けているとあっという間に時間がきてしまいます。そのため、肝心な相談ができずに終わってしまう可能性があります。

大切な相談時間を有意義に使うためにも、最低限の知識は調べておくことをおすすめします。たとえば、協議離婚ができない場合は離婚調停や審判になりますが、離婚調停や離婚審判とはどういったものなのかを裁判所の公式サイトなどで確認しておく、といった具合です。

ほかにも、離婚時には子どもの親権や財産分与などについても取り決めが必要ですので、基本的な知識を得ておくと、相談に集中できるでしょう。

離婚調停については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
養育費調停の流れ・必要書類、内容が守られない時の対処法

離婚したい内容によっては最初から弁護士へ相談を

ここまで解説してきたように離婚の相談先にはいくつか種類がありますが、離婚したい理由によっては最初から弁護士に相談するのが適切な場合があります

たとえば、配偶者の浮気や不倫といった不貞行為が理由で離婚したい場合、証拠の提示が必要になりますが、どのような証拠が離婚訴訟で有利になるのかは弁護士でないとわからないことがあります。また、子どもの親権争いが起こる可能性が高い場合は、最初から弁護士に依頼したほうが心強い場合もあります。

弁護士以外の相談先を利用しても、離婚することに決めた場合は最終的に弁護士に依頼することになります。離婚についての手続きや代理行為などは弁護士のみの独占業務だからです。弁護士を依頼することになると、また最初から同じ話をすることになり、時間のロスになってしまうこともあります

離婚ではなく関係修復をしたいという場合も、弁護士は力になってくれます。弁護士は離婚を推し進めているわけではなく、依頼者の希望に添えるよう対応してくれるからです。修復を希望する場合にも、法的な知識や経験をもとに相談にのってもらえます。

離婚相談先の特徴を知って自分に合ったところを探そう

離婚について誰かに相談したいときにはいくつかの相談先から選択でき、自治体の法律相談や女性センター、法テラスなどは無料で相談を受けられます。ただし、相談内容によっては最初から弁護士に依頼するほうが有利かつスムーズに進められることもあるため、自身の気持ちや状況によって適切な相談先を選ぶことが大切です。