シングルマザーの中には、生活を楽にするためや子どものお金を貯めておくために、ダブルワークを選択する人がいます。シングルマザーがダブルワークをする場合、どのような仕事があるのでしょうか。また、どのくらいの収入を得られるのでしょうか。ダブルワークを始めるにあたっての注意点を含め、本記事で確認しておきましょう。
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目次
シングルマザーがダブルワークしている割合
どのくらいのシングルマザーがダブルワークしているのでしょうか。厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」の調査を紹介すると、シングルマザーのうち副業をしている人は7.2%となっています。職種としては、サービス業が約28%ともっとも多く、次いで専門的・技術的職業の13%という結果です。
詳しい職種ごとの割合は以下の通りです。
職種 | 割合 | |
---|---|---|
1位 | サービス業 | 27.6% |
2位 | 専門的・技術的職業 | 13.0% |
3位 | 運搬・清掃など | 9.0% |
4位 | 個人事業主 | 8.8% |
5位 | 販売 | 8.4% |
出典:厚生労働省 – 令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要
運搬・清掃業や販売業をしている人もいるほか、個人事業主として副業収入を得ている人もいることがわかります。
また、副業収入の平均金額は56万円です。50万円未満の人が63.2%で、50万円~100万円未満の人が23.4%となっており、8割以上の人が100万円以下の収入であることがわかります。
収入金額 | 割合 |
50万円未満 | 63.2% |
50万円~100万円未満 | 23.4% |
100万円~150万円未満 | 8.2% |
150万円~200万円未満 | 1.9% |
200万円以上 | 3.3% |
出典:厚生労働省 – 令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要
副業はあくまでも本業の合間に行うものなので、高額な収入を得ることは難しいといえるでしょう。
シングルマザーがダブルワークする場合の働き方と仕事例
シングルマザーが副業をする場合、どのような働き方ができるのか、また、どのような仕事を選べるのか、具体的な例を紹介していきます。
夜間に働く
飲食店やコンビニエンスストアなどの夜間帯に、アルバイト・パートとして働く方法があります。夜間帯は時給が高いところが多く、シフト制なので家庭のスケジュールにも合わせやすいです。また、求人数が多いのも魅力です。
ただし、子どもを自宅に置いていくことになるため、実家が近く子どもを預けられる人など、この働き方を選べる人は限られます。
本業の休日に働く
夜間に働くことが難しい場合は、本業の休日に働く方法もあります。仕事としては、家事代行や日雇いアルバイトなどが選択肢に入ります。
家事代行は日ごろ自宅で行っている家事がそのままお金になるので、初めての人でもハードルが低い職種といえます。仕事内容にもよりますが、1日2時間~7時間の勤務であることが多いため、休日がまるまるつぶれてしまうことはないでしょう。
ただし、1週間に1日程度の勤務になるため、雇い主を探すのは難しいかもしれません。もし見つからない場合は、日雇いアルバイトなどに応募するのもひとつの方法です。日雇いアルバイトの中にはイベント設営や軽作業などといった体力が必要なものもあるので、本業に差し支えのない仕事を選ぶのがポイントです。
クラウドソーシングで在宅ワークする
子どもを預ける先がなく副業で自宅を空けられない人などには、在宅ワークがおすすめです。在宅ワークであれば家事と育児を両立しやすく、スキマ時間を有効活用できます。
主な仕事としては、クラウドソーシングサービスを利用したWEBライティングやデータ入力、文字起こしなどです。スキルがあればデザインやイラスト作成なども可能です。
ただし、仕事内容によっては極端に単価が低いものがあり、まとまった収入を得るにはある程度の実績が必要になることがあります。ほかにも、ハンドメイド作家として雑貨やアクセサリー、洋服などを販売して収入を得る方法もあります。趣味と実益を兼ね備えているので、楽しみながら収入が得られるのは大きな特徴です。
起業する
自宅に居ながらにして副業ができる方法として、起業するという選択肢もあります。自分の都合で仕事をすすめられるうえ、軌道に乗れば高額な収入を得ることも可能です。
ただし、ほかの副業と比べて実現できる人は限られ、需要がある分野で起業できる資格やスキルがあったり、ビジネスアイデアがあったりする場合にはチャンスがあるといえます。
シングルマザーがダブルワークする場合の注意点
シングルマザーがダブルワークをする際には、本業の規則に違反していないか確認するなど、いくつか注意したい点があります。主なものとして4つ紹介します。
本業の会社が副業を禁止していないか確認する
本業の勤務先で副業を禁止していないか、就業規則などで確認する必要があります。副業で稼ぐめどが立っても、本業の勤務先が副業禁止としていれば、そもそも副業できません。
厚生労働省でも、働き方改革として副業を行えるような環境づくりを推進(※)していますが、実際には副業を禁止とする会社はまだまだ存在します。もし規則に違反して副業をしていることが会社側に発覚してしまうと、減給や降格、最悪の場合は解雇といったペナルティを受ける可能性があります。
ちなみに、本業の勤務先に副業が発覚するのは、住民税の情報が会社側にいくからです。住民税は前年の所得に対してかかり、副業で給与を受け取っている場合、その金額に対しても課税されます。本業の勤務先が支払っている給与は変わらないのに住民税が増えていると、本業以外のところからも給与を受け取っていることがわかってしまうのです。
※参考:厚生労働省 – 副業・兼業
児童扶養手当が減額になる可能性がある
児童扶養手当は、所得金額や扶養している子どもの人数により受給できる金額が決められています。副業によって収入が増えると、児童扶養手当が減額されたり、支給対象外となって受け取れなくなったりする可能性があります。
つまり、少しでも収入を増やそうとして始めたのに、収入が増えたために児童扶養手当が減額・支給停止対象外となり、結果として収入全体が減ってしまう可能性があるのです。受給できる範囲に収めるか、それ以上の収入を得るかを十分に検討することが大切です。児童扶養手当の支給額や所得制限については、以下のページを確認してください。
▶東京都福祉局 – 児童扶養手当
子どもの預け先を考えておく
平日夜間や本業の休日などに外に働きに出る場合、子どもの預け先を考えておく必要があります。まずは、親やきょうだい、ママ友など、身近な人の中で預けられる人はいないか検討してみましょう。
それ以外の預け先としては、保育園や託児所などがあります。保育園は夜6時までのところが多いですが、中には夜9時など遅くまで対応してくれるところもあります。託児所であればさらに遅い時間帯まで預けられるのが一般的です。
子どもを自宅で見てもらいたい場合はベビーシッターを雇う方法がありますが、保育園や託児所と比べて料金が高くなるため、収入と利用料金のバランスを考えることが大切です。
確定申告の義務が発生する場合がある
副業で年間20万円を超える所得がある場合、確定申告をする必要があります。本業の所得は勤務先で年末調整を行い所得税が精算されますが、副業の場合は自分で行わなければなりません。
なお、ここでいう20万円とは「収入」ではなく「所得」です。所得とは収入から必要経費を差し引いた金額となり、たとえば個人事業主などで仕入や通信費、事務所経費などの費用がある場合、それらを差し引いた金額が所得になります。ちなみに、副業の確定申告はスマートフォンからできるので、税務署まで出向く必要はありません。
シングルマザーのダブルワーク|税金や社会保険について
先ほど触れたように、副業で年間20万円を超える所得がある場合、確定申告をして所得税を支払う必要があります。また、副業の金額にかかわらず、所得が増えれば、その分翌年の住民税が増額されます。
なお本業で社会保険に加入しており、さらに副業でも社会保険に加入する義務がある場合は、両方の勤務先の厚生年金に加入することになります。そのため、健康保険証はどちらの勤務先を主にするかを選び、自身で年金事務所に申告する必要があります。保険料はそれぞれの勤務先から受け取る給与の合計額で決定され、両方の勤務先から支払われます。
個人事業主の場合は社会保険には加入しないため、本業と副業のダブルで加入することはありません。
参考までに、社会保険への加入条件について確認しておきましょう。社会保険の加入が義務付けられているのは、以下の5つのすべてに該当する人です。
・従業員が101人以上の企業に勤めている(2024年10月からは51人以上) ・週の勤務時間が20時間以上である ・給与が月額88,000円以上である ・2カ月を超えて働く予定である ・学生ではない |
副業であっても、これらの条件にすべて当てはまる場合は社会保険への加入が義務付けられます。
シングルマザーは上手にダブルワークして収入を増やそう
シングルマザーがダブルワークを始める場合、平日夜間や休日などに外に出て働いたり、在宅ワークや起業したりする方法があります。ただし、シングルマザーがダブルワークをする場合、本業の勤務先に副業可能か確認したり、子どもの預け先を決めておく必要があったりなど、いくつか準備したい点があります。税金や社会保険料の関係もあるため、副業をしたことでかえって収入が減ることがないように、十分に検討することが大切です。