【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介
新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。
本稿では、書籍『自分で考える子になる「こども手帳術」』から、連載#4に続き、子どもの教育に悩む親からの相談への回答を紹介します。
Before:小3男子Gくんの例
学校から帰ってきたらすぐにゲーム。ご飯を食べたらすぐにゲーム。とにかくゲームばかりをやっています。「ゲームは1日1時間にしよう」とルールを決めましたが、結局、「あと、ちょっと!」「もう少しで終わりにする」と言って、いつも何時間もゲームに没頭してしまいます。
そのため、宿題をするタイミングがいつも寝る間際になってしまい、寝る時間も遅くなっている状況です。
やることもやらずにゲームばかりやっている子どもに頭を悩ませている方は多いでしょう。
「宿題が終わらなくて、夜大変になるんだから、先にやることをやったほうがいいよ!」と親は今までの経験から子どもにアドバイスしますが、子どもたちにその言葉は届かず、「あとでやるー」とゲームに夢中になります。
「やることをやってから、好きなことをやればいい」という大人の理論は通じません。子どもは「目の前のものが一番大切」ですから、宿題より、ゲームのほうが大切なのです。
そのため、宿題を優先させて、子どもたちにとって大切なゲームをやめなさい、あと回しにしなさいと伝えてもうまくはいかないでしょう。子どもの「ゲームをやりたい」という気持ちに理解を示しつつ、宿題などのやらなければならないこともできるように手帳を活用しましょう。
▽困った・できない
- やることがわかっていないから、目の前のことや好きなことに夢中になる
- あとからやらなければならないことに気づいて、大変な思いをしている
- 親は子どもがやることをやっていないと感じてイライラしてしまう
↓
▽ここを活用!
- デイリースケジュール
↓
▽こう変わる!
- やることを書き出して、計画を立てる
- 自分で順番を考えて、1つずつやる
↓
▽できる!
目の前のことだけに夢中にならず、やるべきこともやる
失敗も経験と考え計画する力を磨く
デイリースケジュールにフセンを貼り、計画を立てるという基本的な使い方は同じです。
子どもが立てた計画を見ると、おやつを食べて、ゲームをやってから宿題をやる、など親の思う優先順位と違う計画を立てる場合も多いでしょう。「これでは、今までと全然変わらないでしょ!」と怒りたくなるかもしれません。でも、ここで親の思う優先度と違うからといって、訂正させないでください。
子どもが自分で考えて計画を立てて、やってみることが大切なのです。そして、やってみて、うまくいかなかったこと、うまくできたこと、その経験を通して優先順位のつけ方を学んでいきます。だから、親の思う通りの計画でなくても、子どもの立てた計画通りに過ごしてみます。
そして、結果はどうだったのか、手帳ミーティングで振り返るのです。ゲームが終わってから宿題をすると言ったけれど、やっぱりできなかった。「じゃあ、明日はどうするか?」を考えるのです。
手帳を使う前にも、いつ宿題をやるのか確認していたけれど、結局は「ゲームが終わったら、宿題をするって約束したじゃない!」とガミガミ怒るのを繰り返していた方も多いでしょう。
そのような方は、手帳を使っても、どうせやらないんじゃないかと不安に思うかもしれません。
手帳があることによって大きく違うのは、目で見て確認しているということ。フセンに書いた、すべての「やること」を見ながら計画するので、頭の中で考えていたときとは、宿題に対する意識が大きく異なります。
頭で考えると、大好きなゲームに気持ちを持っていかれてしまいがちですが、文字に書いたものを並べて考えながら計画するので、宿題にも意識を向けやすくなるのです。
手帳ミーティングでも、事前に翌日の過ごし方をシミュレーションするので、予定が記憶に残りやすくなります。計画を立てる段階で、5時から宿題をやる、など具体的な時間も計画しておくのがおすすめです。
実際にゲームをやるときにも、「何時までゲームをやる予定なの?」と声をかけて、本人に手帳を見て予定を確認させるのも効果的です。
口での確認・約束は、子どもは忘れてしまい、親は子どもを信じられない場合が多くあります。しかし、デイリースケジュールで計画を立てることで、目で見て親子共に確認できるので、親は子どもを信じることができ、子どもは忘れずに実行できるようになります。
Gくんは手帳をこう使った!お母さんからのご報告
デイリースケジュールを使って「学校から帰ってきてから寝るまで」のやることを確認
フセンに書いた「やること」が全部終わったらゲームをやってOKのルールにする
学校から帰ってきてから、寝るまでにやることを全部フセンに書き出してみると、宿題と時間割をそろえる、学校からの手紙を出すなど、やることはそれほど多くはありませんでした。
書き出したやることフセンを見ながら、親子で相談しました。寝る時間が遅くなっているから、「9時30分には寝る」 、そのために「宿題は夕食を食べる前までにやる」と決めて、それ以外は自分で毎日考えてやってみようという結論になりました。
結果的にやることさえやればゲームをしてOKとなったので、宿題とそのほかのやらなければならないことを終わらせてから、ゲームをはじめるようになりました。
「夕食の前に宿題をやる」ができるようになったので、夕食後は、お風呂に入ったり、時間割をそろえたりする以外の時間は、ゲームをしています。
「もうちょっと勉強したら?」と言いたくなるときもありますが、宿題をやる、9時30分までに寝るなどの約束は守れているので、ガミガミ言いたくなることはなくなりました。
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著者:星野けいこ(ほしの・けいこ)
あな吉手帳術認定校講師。自分deカウンセリング講師。自身が2児の母としてストレスフルな生活をすごしていたときに「あな吉手帳」に出会い、生活、気持ちがラクになった経験から、同じように子育てを頑張っているママたちを応援する手帳活用方法を伝えたいと、あな吉手帳の考案者・浅倉ユキに師事。手帳術講師として活動中。 「こども手帳術講座」では、「子どもたちに手帳のある生活をプレゼントしよう!」を合言葉に、自分で考えて実行できる子になるための手帳活用方法&ママの見守り術を考案・発信している。著著に、『親子で楽しく! 自主性、自立心が育つ こども手帳術』(PARCO出版)、『自分で考える子になる「子ども手帳術」』(日本実業出版社)がある。
監修:浅倉ユキ(あさくら・ゆき)
あな吉手帳術考案者。ゆるベジ料理&手帳術研究家。おいしくて体にやさしい「ゆるベジ料理」のほか、「あな吉手帳術」「3ステップ時間管理術」「自分deカウンセリング」などの講座を「another〜kitchen」にて主宰。“あな吉”さんの愛称で多くのファンを持つ。「女性のストレス値を下げる」をテーマに多方面で活躍中。著書は、『あな吉さんの主婦のための幸せを呼ぶ!手帳術』(主婦と生活社)、『あな吉さんの「ゆる家事」レッスン』(筑摩書房)など多数。