結論からいうと、シングルマザーだからといって賃貸物件の審査に通らないということはなく、審査に不利になることもありません。とはいえ、経済的な面で不安を抱えているシングルマザーは多いため、本当に審査に通るの…?と思っている人は少なくないでしょう。

本稿では、シングルマザーの入居審査や賃貸物件探しのコツをお伝えします。シングルマザーが受けられる支援制度や優遇制度もあわせて紹介します。子どもとの幸せな暮らしのためにぜひお役立てください。

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シングルマザーでも賃貸物件の審査は通る!

シングルマザーだからといって賃貸物件の審査に通らないわけではありません。審査に通るポイントは「家賃をスムーズに支払えるかどうか」です。

実際、シングルマザーで賃貸物件に住んでいる人は多くいます。厚生労働省の平成28年度全国ひとり親世帯等調査によると、母子家庭の33.1%が賃貸住宅に住んでいるという結果でした。シングルマザーというだけで厳しく審査されたり無条件に落とされたりということはありませんので、安心してください。

参考:厚生労働省 – 平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果

シングルマザー(母子家庭)の入居審査について

ここからはシングルマザーの入居審査についてお伝えします。一般的な入居審査とそれほど大きく異なることはありません。

入居審査に必要なもの

入居審査には以下のようなものが必要です。

必要なもの 具体的な内容 注意点
初期費用 敷金・礼金・火災保険・前家賃・仲介手数料など 相場は家賃の4~6カ月分
身分証明書 運転免許証・保険証など
子どもの保険証
住民票 ・子が記載されているもの
・マイナンバーの記載がないもの
印鑑 実印・銀行届出印など
印鑑登録証明書
保証人もしくは保証会社 連帯保証人を立てる場合は、連帯保証人の住民票・収入証明書も必要
収入証明書 源泉徴収票など

一般的には上記のようなものが必要とされますが、物件や不動産会社によって異なる場合があります。事前に確認しておきましょう。

チェックされる審査項目

入居審査の際、チェックされるのは以下のようなことです。

・家賃に対しての年収
・職業や勤務先
・保証人や保証会社の有無
・契約者の人柄や見た目
・子どもの年齢

不動産会社や大家さんがもっとも注目するのは「家賃を支払い続ける能力があるかどうか」です。そのため、一定の収入があるか、職業や勤務先が安定しているかについては、厳しくチェックされるでしょう。一般的に、収入が家賃の3倍以上なら審査に通ると考えられています。

家賃をきちんと支払ってくれるかどうかという観点から、保証人や保証会社の有無についてもチェックされます。これらは、契約者が家賃を支払えなくなった際の保証として必要です。連帯保証人を立てる場合は、親など関係性が近い親族に依頼するとよいでしょう。関係性が近いほど信用度が高いと考えられるため、審査に通りやすくなる傾向があります。

そのほか、契約者の人柄や見た目、子どもの年齢などもチェックされます。これは、近隣住民とトラブルを起こしそうな人物ではないか、トラブルにつながりそうなリスクがないかなどを判断するためです。

一般的に、子どもの年齢が小さいほど、泣き声や足音などによる騒音トラブルになりやすいと考えられます。そのため、乳児から小学生低学年くらいまでは、子どもの年齢がネックとなることもあるようです。

シングルマザーが賃貸物件を借りるポイント

シングルマザーが賃貸物件を借りる際、その後の生活のためにも知っておくべきことがあります。ここからは家賃や間取り、探し方についてのポイントをお伝えします。

家賃の目安

一般的に家賃の目安は収入の3分の1程度といわれていますが、シングルマザーの場合は収入の3分の1を超えない程度に抑えるのがおすすめです。子育てをしていると突発的な出費が必要になることがあります。できるだけ余裕をもったマネープランを立てておくとよいでしょう。

シングルマザーの場合、仕事で得た給料以外にも、児童手当や児童扶養手当、元夫からの養育費なども含めて収入と考えることができます。たとえば給料が月19万円、児童手当が月1万円、児童扶養手当が月3万円、養育費が月4万円とすると、ひと月の収入は27万円です。この金額の3分の1、つまり9万円以下がこの場合の家賃の目安となります。

収入の3分の1を超える金額を家賃にかけてしまうと、家賃以外の生活費や教育費などにお金をかけることが難しくなってしまいます。物件を探すときは、収入の3分の1以下の家賃で探しましょう。

▶シングルマザーが受けられる手当については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
シングルマザーが使える手当|もらえる額を試算してみよう

おすすめの間取り

家賃を抑えたいと考えるシングルマザーは多くいます。少しでも家賃を抑えるため、ワンルームや1Kといった間取りを検討している人もいるのではないでしょうか。

しかし、ワンルームや1Kの部屋には子どもに慣れていない単身者が多く住んでいるため、子どもの泣き声や足音などが原因でトラブルになってしまうことがあります。無用なトラブルを避けるためにも、ファミリー向けの物件を探すほうがよいでしょう。子どもの人数にもよりますが、小学生以下なら1DKや1LDK、中学生以上なら2DKや2LDKといった間取りがおすすめです。

中には、ひとまず狭い部屋で我慢しようと考えている人もいるかもしれません。けれども引っ越しにはまとまった費用が必要になります。物件を検討する際は、子どもの成長など長期的な視点も取り入れ、短期間で引っ越す必要がなさそうな間取りを選ぶことが大切です。

大手だけでなく地元の不動産屋さんでも探してみよう

シングルマザーが物件を探す際には、大手の不動産会社だけでなく、地元に密着したタイプの不動産屋さんにも相談してみるとよいでしょう。地元の不動産屋さんは、大家さんから直接依頼されている不動産情報をもっている可能性があります。

また、予算や間取りだけでなく、その物件に入居している人の人柄を知っていたり、地域の学校などにも詳しかったりするため、シングルマザーの相談にのってくれることもあるようです。実際に、地元密着タイプの不動産屋さんに快く対応してもらえ、賃貸物件に入居できたというシングルマザーの人もいます。物件を探す際は、いろいろなタイプの不動産会社を活用してみてください。

シングルマザーが少しでも家賃を抑える方法

シングルマザーの中には、家賃を少しでも抑えたいと考えている人も多いのではないでしょうか。ここからは、シングルマザーが受けられる支援制度や優遇制度をお伝えします。

家賃補助などの支援制度を活用する

自治体によっては、家賃補助や住宅手当などの支援制度を設けている場合があります。これは、定められた条件を満たすと家賃の一部が補助される制度です。

一例ではありますが、条件には以下のようなものがあります。

・母子家庭または父子家庭で、子どもと同居し養育していること
・制度を利用する自治体に住所があること
・生活保護を受けていないこと
・家賃が一定額以下であること
・前年度の収入が一定額以下であること

支援制度の詳細は自治体によって異なります。家賃補助や住宅手当などの支援制度があるのか、制度を受けるにはどのような条件があるのかについては、お住まいの自治体に確認してみてください。

公営住宅などに申し込む

県営住宅や市営住宅といった公営住宅は、福祉を目的とした一面もあるため、シングルマザーは優遇されていることも多いです。募集の際に母子家庭用の枠が用意されていたり、当選確率が上がるような仕組みになっていたりといったケースもあります。お住まいの自治体の公営住宅で、シングルマザーの優遇制度がないかどうか確認してみるとよいでしょう。

そのほか、家賃を抑えて入居できる物件には、UR賃貸住宅やJKK賃貸住宅などもあります。UR賃貸住宅とは、都市再生機構(UR都市機構)が管理している公的賃貸住宅です。北海道から熊本県までの22都道府県に物件があります。またJKK賃貸住宅とは、東京都住宅供給公社(JKK東京)が管理する公的賃貸住宅で、東京都内に多くの物件があります。

いずれも礼金や仲介手数料が必要ないため、初期費用を抑えて入居することが可能です。すべての都道府県にこのような住宅があるわけではありませんが、お住まいのエリアにある場合は選択肢のひとつとして検討してみるとよいでしょう。

連帯保証人がいない場合の解決策

物件を借りるには連帯保証人が必要です。けれども中には、連帯保証人を頼める人がいない、親族が保証人の要件を満たしていないなどと悩むシングルマザーもいます。

連帯保証人を立てることが難しい場合の解決策としては、保証会社へ加入する方法が有効です。保証会社とは、契約者が家賃を支払えなくなった際に家賃を立て替えて支払ってくれるサービスで、従来の連帯保証人の役割を果たします。保証会社を利用するには、初年度で家賃0.5~1カ月分、その後は年1万円前後が必要となることが多いです。

保証料は必要ですが、保証会社に加入することで、連帯保証人がいなくても賃貸物件を借りられるようになります。ただし、不動産会社や大家さんによっては保証会社を利用できないケースもあります。保証会社への加入で物件を借りられるかどうかは、あらかじめ確認しておく必要があるでしょう。

株式会社Casaの「養育費保証PLUS」では、サービスの一環として「お部屋探しサポート」を展開しています。Casaが保証人となるため、連帯保証人不要で物件を借りられるサービスです。ぜひ検討してみてください。

 

「シングルマザーだから賃貸物件の審査に通らない」と諦めないで!

シングルマザーだからという理由だけで、賃貸物件の審査に通らないわけではありません。もちろん、シングルマザーは収入が安定しにくかったり子どもの年齢が小さかったりなどの理由で、審査に通ることが難しいこともあるでしょう。しかし、シングルマザーが利用できる支援制度や優遇制度がある物件もあります。子どもとの安定した暮らしのためにも、賃貸物件を借りることを諦めないでくださいね。