【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介
新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。
本稿では、書籍『自分で考える子になる「こども手帳術」』から、連載#4、#5に続き、子どもの教育に悩む親からの相談への回答を紹介します。
Before:小2男子Nくんの例
「ただいまー!」と帰ってきたら、ランドセルを床に投げ、上着と靴下を脱ぎ捨て、遊びに夢中になります。おもちゃ箱をひっくり返して、全部を床に広げて遊ぶので、夕方になるとおもちゃ、学用品、洋服の全部が散乱している状態です。
子どもが片づけられないことに困っている話は多く耳にします。部屋が散らかっていることにより、忘れものが多くなる、したくに余計な時間がかかるなどの問題も発生してきます。ランドセルは所定の位置に戻す、出したものは片づけるなど、自分の身の回りの整理整頓はできる子なってほしいですよね。
でも、散らかってしまった部屋を片づけてほしいとき、「片づけなさい!」という一言で子どもを動かそうとしても、子どもは動けないことがほとんどです。その原因は、多くの場合、何をどうしたらいいのかがわかっていないことにあります。
「片づける」は、大人からすると1つの動作のように見えますが、散らかっているものはいろいろあります。おもちゃ、本、教科書など、ものによって片づける場所や収納方法が違うので、「片づける」は子どもにとって1つの動作ではないのです。1つひとつ片づけ方を知らなければ、子どもは一人で片づけられません。
まずは片づけ方を確認できる状態にし、それを習慣化できるように手帳を活用していきましょう。
▽困った・できない
- 片づけ方がわからない
- 親は片づけられると思って「片づけなさい」としか言わない
↓
▽ここを活用!
- デイリースケジュール
- お片づけリスト(好きな紙に穴をあけて片づける内容を書いたフセンを貼ったもの)
↓
▽こう変わる!
- 何をどこへ片づけるか、具体的な片づけ方を手帳で確認できる
- 「手帳を見て片づけてね」の一言で具体的なお願いになる
↓
▽できる!
自分で片づけをして、整理整頓ができる
片づけ方を手帳にまとめる
好きな紙に穴をあけて、片づける内容を書いたフセンを貼る場所を用意します。そして、片づけるものを1つひとつフセンに書いて貼れば「お片づけリスト」ができます。
いちいちフセンに書くのは面倒に思うかもしれませんが、子どもは「片づける」という一言では、片づけることができません。大人が思っている以上に、細かくはっきりさせておかなければ行動につなげるのが難しいのです。
親子で一緒に散らかっている部屋を見ながら話をするのがおすすめです。「(部屋に散らかっているものを手にして) これ、どうすればいいかな?」と相談しながらフセンに書き出してください。たとえば、「本を本棚へしまう」「おもちゃをおもちゃ箱へ入れる」「ゴミはゴミ箱へ捨てる」「上着をハンガーにかける」という感じです。
このときに、片づける場所、片づける方法なども改めて親子で一緒に確認してください。意外と片づける場所を決めていなかったり、片づけ方を理解していないことに気づく場合も多くあります。
書き出したフセンは、大きく2つに分類することができます。
①毎日、決まったタイミングでやること
②お片づけタイムにまとめてやること
①は、ランドセルのように「学校から帰ってきたら」ランドセル置き場に置く、上着のように「外から帰ってきたら」クローゼットにしまう、という決まったタイミングで片づけるものです。②は、本やおもちゃのように、 「遊んだとき」に片づけるという、タイミングが日によって大きく違うものです。
①のタイミングが決まっているものは、デイリースケジュールにやることフセンを作って貼ります。②の場合、1つ出したら1つ片づける、というのは、遊びに夢中になる子どもには難しいので、「遊びの終わりに、まとめて片づけをする時間」=「お片づけタイム」を設けて、そのときにまとめて片づけるようにするとスムーズです。
デイリースケジュールには、細かな内容が書かれたフセンは不要です。その代わり、「お片づけをする」や「お片づけタイム」などのやることフセンを貼ります。お片づけタイムにやることは、1つのシートに片づけ方を並べて貼って、お片づけ専用のリストを作っておきます。
やることとしてしっかり認識させる
デイリースケジュールに貼ったやることは、上から順番にやります。たとえば、学校から帰って、「ランドセルを片づける」「手を洗う」「宿題をやる」という感じです。すると、毎日繰り返すことで生活習慣の1つとして、だんだん身についていくでしょう。
そして、お片づけタイムには、親子で相談して作った「お片づけリスト」を見ながら、片づけをするように促します。
今まで、「片づけて!」と言われても何をどうしていいのかわからなった子どもも、リストを見れば「本は本棚に入れるんだな」「上着はハンガーにかけてしまうんだな」と一目でわかり、自分で片づけられるようになります。
しかし、最初から全部子どもだけでやることは難しいかもしれません。はじめはお片づけリストを見ながら親子で一緒に片づけをしてみてはいかがでしょうか。子どもなりに考えて片づけをしているつもりでも、親の思うような状態には片づけられないことも多いでしょう。
一緒に片づけをすることで、「片づいている状態」を共通認識として持つことができ、少しずつ子どもだけでも片づけができるようになります。
After:Nくんは手帳をこう使った!お母さんからのご報告
お片づけリストを作成
「お片づけタイム」と書いたフセンをデイリースケジュールに貼る
上着は脱いだらすぐにハンガーに、ランドセルは机の上へ、とやってほしい気持ちはありますが、まずは、毎日1回リセットするために、部屋を片づけることを目標にしました。
夕方、部屋に落ちて散らかっているものを手に取って、「これはここへ」と確認をしながら片づけを進め、それをすべてフセンに書き出すことからはじめました。「本を本棚へ入れる」「靴下は洗濯カゴに入れる」「鉛筆を机の引き出しにしまう」というようなフセンができあがりました。
できあがったお片づけ用のフセンを貼るページを作り、「お片づけリスト」として手帳に入れました。そして、デイリースケジュールには、「お片づけタイム」というフセンを夕食の前の時間帯に貼りました。
それからは、夕食を食べる前の10分間をお片づけタイムと決めて、ストップウォッチをセットし、「よーい、ドン!」のかけ声と共に、一緒に片づけをしています。床の上にものがなくなれば終わりとして、何分で片づいたかを、手帳に書き込んでいます。
早く終わらせたい、新記録を出したいという気持ちのほうが強くて、片づけ自体は雑な部分も多いですが、お片づけタイム自体は楽しんでやっています。
お片づけリストを作っていて感じたことは、親が思っている以上に、子どもはどこに何を片づければいいのかわかっていないのだな、ということでした。
適当に「この辺でいいや」と放り込むので、次に必要なときに見つからないし、ものが混在して、片づけても片づけても整頓されない状態になっていることを知りました。「片づけて!」と何度言ってもできなかった理由がこれなのでしょう。
もっと子どもがわかりやすいように、片づけ場所も考え直せば、よりきれいに片づけができるようになりそうです。
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著者:星野けいこ(ほしの・けいこ)
あな吉手帳術認定校講師。自分deカウンセリング講師。自身が2児の母としてストレスフルな生活をすごしていたときに「あな吉手帳」に出会い、生活、気持ちがラクになった経験から、同じように子育てを頑張っているママたちを応援する手帳活用方法を伝えたいと、あな吉手帳の考案者・浅倉ユキに師事。手帳術講師として活動中。 「こども手帳術講座」では、「子どもたちに手帳のある生活をプレゼントしよう!」を合言葉に、自分で考えて実行できる子になるための手帳活用方法&ママの見守り術を考案・発信している。著著に、『親子で楽しく! 自主性、自立心が育つ こども手帳術』(PARCO出版)、『自分で考える子になる「子ども手帳術」』(日本実業出版社)がある。
監修:浅倉ユキ(あさくら・ゆき)
あな吉手帳術考案者。ゆるベジ料理&手帳術研究家。おいしくて体にやさしい「ゆるベジ料理」のほか、「あな吉手帳術」「3ステップ時間管理術」「自分deカウンセリング」などの講座を「another〜kitchen」にて主宰。“あな吉”さんの愛称で多くのファンを持つ。「女性のストレス値を下げる」をテーマに多方面で活躍中。著書は、『あな吉さんの主婦のための幸せを呼ぶ!手帳術』(主婦と生活社)、『あな吉さんの「ゆる家事」レッスン』(筑摩書房)など多数。