【厳選】ママスマ編集部 おすすめ書籍を紹介

新たな生活に踏み出したシングルマザーの私たち。しかし、足元を見ればお金、教育、仕事、養育費などなど、不安と悩みは尽きません。それらの悩みに対し各方面の専門家、そして先輩たちが、書籍を通してたくさんの知恵を提供してくれています。ママスマ編集部では、そんな知恵とアドバイスの詰まった書籍を厳選、内容を抜粋して紹介してまいります。

女性から始める

「働き方教育」には三つの学びがある。

  • 社会性を学び、組織を知る
  • 生産性の上げ方を知る
  • 自分を知る

働き方教育とは、子育てと仕事の両立のしやすい社会をつくるなかで、社会や環境に責任を転嫁するのではなく、女性が子どもへの愛情を持つものとして自ら責任を果たしていく。そのように女性が変化していくことで、両立のしやすい社会ができていくという考え方である。

日本シングルマザー支援協会は、社会全体で取り組まなければならない課題が多いことを理解したうえで、女性自身の課題を先に解決する方法を選択している。

このような考えに至ったのは、スピードの問題からである。先に述べたように表面的な女性活躍のハードルは男性の意識だと言ったが、その男性が社会の多くを占めている以上、解決策が浮かぶことはほぼない。常に解決とは程遠い方法論が出てくるばかりで、実際に動かなければならない女性の心を打つことはない。

そのように女性の活躍が進まないなかで、経済力を持たない女性が突然の離婚や夫との死別などにより苦境に立たされる事例は増えている。そして、そこで育つ子どもの未来も閉ざされていく。子どもには男の子も女の子もいるので、男性の未来も閉ざされていくということになる。

10歳の子どもは10年経つと20歳になる。10年遅れとなることで、子どもは大人になってしまう。実際に若者の貧困層もすでに課題になっている。なぜ子どもたちは社会での活躍の方法を学ぶ機会がなかったのか?母親が知らなかったからだということも一因だと考えてもよいと思う。

社会全体の課題解決を待っていても、子どもの未来はよくならない。ならば女性の意識から変化をさせたほうが解決のスピードは速まり、未来が閉ざされる人は減ることになる。

女性の意識改革を始めれば、女性が経済力を持つようになり、数年で世帯年収も上がり、女性の責任者も増えることだろう。シングルマザーの50%以上が貧困と言われているが、シングルマザーの貧困率が下がる可能性が高い。現在のシングルマザーの平均年収は200万円となっている。この数字も飛躍的に上がる可能性が高まる。

と同時に子どもの貧困率も下がる。子どもの貧困率は昨今、注目を浴びる機会が多いが、経済力を持たない子どもにとっての貧困とは親の課題である。親の貧困率を改善することが子どもの貧困率の一番の解決となる。子どもを守りたいとの願いはみなにある。それが子どもの貧困率に注目が集まる要因にもなっているが、本質的な課題は大人の貧困である。大人の貧困は自己責任説が問われやすいが、すでにそれだけでは解決できず、個人の課題を超え、社会課題となっているのが現状だ。

これを実現することで、今の子どもたちが社会で活躍するころには、日本の国力も上がることが期待できる。

社会や環境への責任転嫁をするのではなく、当事者である女性自身が行動することで、社会が自然と変わっていくことになる。

江成道子
1968年東京生まれ。5歳の時に両親が離婚。20歳で中学の同級生と結婚、3人の子供に恵まれるが27歳で離婚。営業関係の仕事で子供を育てながら、再婚するも2度目の離婚。営業関係の仕事で子供を育てながら、再婚するも2度目の離婚。2度の結婚と離婚を通じ、生活が安定した中でシングルマザーを取り巻く様々な問題を考え、一番必要なことは「自立」であり「支援」ではないことに気づく。
2016年シングルマザーサポート株式会社を設立。また、シングルマザー自立のために一般社団法人シングルマザー支援協会を設立、代表理事として現在に至る。2018年2月、全国で初めて横浜市との窓口協定について、斉藤たつや議員と連携し実現。2018年8月号、雑誌「Forbes japan」、日本に影響のある99名に選ばれて掲載される。※画像をクリックするとAmazonに飛びます