養育費は子どもの養育や監護のために重要ですが、元配偶者と関わりたくない・元配偶者に支払い能力があるとは思えないなどの理由で養育費について取り決めをせずに離婚してしまうケースが少なくありません。しかし、離婚した後でも取り決めをして養育費を貰うことは可能です。

そこで今回は、そもそも養育費とは何か、金額の決め方、養育費の相場など、養育費の基礎情報についてわかりやすく解説します。養育費の未払いを防止するための対策も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

養育費とは

養育費とは、子どもの監護(養ったり面倒を見たりすること)や教育のために必要な費用です。離婚をして子どもと離れて生活する親(支払者)から、子供と一緒に生活する親(受取者)に対して支払われます。

養育費は、子どもの衣食住などの生活に必要な費用としてだけでなく、子どもの教育費(学校の授業料や進学塾の学費など)、子どもの医療費などのために使われることが基本です。

本来、養育費を支払う理由としては、親に「生活保持義務」という法的な義務があることが理由です。生活保持義務を簡潔に説明すると、「子どもには支払者と同様の水準で生活をさせなければならない」ということです。

そのため、受取者は「養育費は子どものためであり、子どもの権利として受け取るもの」という前提でなくてはなりません。あくまでも養育費とは子どもの利益を優先して考えるべきものであり、民法にも協議離婚(夫婦が話し合いによって離婚すること)の際には養育費は子どもの利益を最も優先して考慮しなければならない、という旨が規定されています。

シングルマザーの4人に3人は養育費をもらえていない

厚生労働省の調査(平成28年度全国ひとり親世帯等調査)によれば、母子家庭において養育費を受け取っているのは全体のうち24.3%です。


出典:厚生労働省 子ども家庭局家庭福祉課「養育費について」

つまり、シングルマザーのおよそ4人に3人は、本来支払われるはずの養育費を受け取れていない計算になります。

また、同調査によると、養育費について取り決めをしている母子家庭は全体の42.9%であることもわかり、母子家庭の半分以上が養育費について取り決めをしていないことが見て取れます。

離婚をする場合、どちらが子どもの親権者になるかは必ず決めなければなりませんが、実は養育費に関しては必ずしも取り決めをする必要はありません。とはいえ、なぜ養育費について取り決めをせずに離婚してしまうケースが少なくないのでしょうか。

養育費の取り決めをせず離婚してしまう理由

同調査によれば、母子家庭において養育費に関する取り決めをしていない主な理由として以下のものが挙げられています。

・相手と関わりたくない(31.4%)
・相手に支払う能力がないと思った(20.8%)
・相手に支払う意志がないと思った(17.8%)

相手と関わりたくないため、あるいは相手に養育費を支払う能力・意思がないと思ったために、養育費について取り決めをしないまま離婚してしまうケースが少なくないことがわかります。

養育費を受け取る期間

養育費は法令で何歳まで支払う、何歳まで受け取るという明確な期間が定められているわけではありませんが、一般には「20歳になるまで受け取る」という取り決めをすることが多いです。

なお、2022年4月から成年年齢(民法で成人として扱われる年齢)が18歳に引き下げられましたが、これは子どもが18歳以降になったら養育費を受け取ることができないというわけではありません。

たとえば、20歳になるまで受け取るという取り決めをした場合、18歳を過ぎていても、20歳になるまでは原則として引き続き養育費を受け取ることができます。

大学進学の可能性を考える

注意点として、子どもが大学(4年制)に進学する場合、大学を卒業して働けるようになるのは基本的に22歳になってからです。そのため、養育費を受け取る期間を20歳までと決めてしまうと、子どもが大学に通っている期間に養育費をもらうことができなくなる可能性が高くなります。

その場合、協議を行うことによって養育費の受け取り期間を変更できる可能性はありますが、相手(支払者)が必ず応じるとは限りません。大学進学などのように、20歳以降も子どもの出費が多くなる可能性を考えると、「子どもが大学を卒業するまで養育費を受け取る」という合意を交わしておくことが重要です。

養育費を受け取れるのは経済的に自立するまで

養育費の受け取り期間を決めておいたとしても、子どもがその期間よりも早く経済的に自立した場合には、以降の養育費は基本的にはもらえなくなる点に注意しましょう。

たとえば、子どもが20歳になるまで養育費を受け取ると決めていたものの、子どもが18歳で高校を卒業して就職し、経済的に自立して自分の収入で十分に生活できるようになった場合は、それ以降の養育費は基本的にもらえなくなります。養育費はあくまでも経済的に自立できない子どもを支援するための制度であるからです。

養育費の支払いは月々の「分割払い」が基本

養育費を支払う方法は月々の分割払いが基本ですが、双方が合意すれば一括払いで養育費を受け取ることができます。

ただし、養育費の一括払いは基本的には多額の現金を用意しなければならないため、通常は分割払いになるのが一般的です。ここでは、一括払いと分割払い、それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

養育費を分割払いにするメリットとデメリット

メリット
・毎月一定額が少しずつ支払われるので、浪費しにくい
・子どもの進学や収入の変化など、状況に応じて増額できる可能性がある

デメリット
・相手が途中で支払わなくなる可能性がある
・養育費について相手と関わりを持つ必要がある

養育費を一括払いにするメリットとデメリット

メリット
・一回の支払いだけで養育費を全額確実に受け取ることができる
・養育費について相手とそれ以降関わりをもたなくてすむ

デメリット
・贈与税を支払わなければならない可能性がある
・養育費を浪費してしまう危険性がある

養育費の決め方

養育費について取り決めをするプロセスや、養育費の金額の決め方について解説します。

養育費の話し合いは夫婦間から

・まずは夫婦間で養育費について協議する
養育費についての取り決めは、まずは夫婦間で協議(話し合い)をして、養育費の金額や支払い時期などを決めることが基本です。

なお、離婚する際に養育費について取り決めをしなかった場合でも、離婚後に養育費について協議して取り決めをすることは可能です。ただし、離婚後は状況によってはお互いに話し合いをすることが困難になる可能性があるので、なるべく離婚する前に養育費について取り決めをしておくのがおすすめです。

・協議がまとまらなければ調停や審判
協議がまとまらなければ、家庭裁判所に申し立てて離婚調停を行います。離婚調停では調停委員(中立的な立場で調停をサポートする人)を交えて話し合いをし、夫婦の双方が合意すれば養育費についての取り決めが成立します。

逆に、双方が合意しなければ調停は成立しないため、このような場合は家庭裁判所の裁判官が審判をして、養育費をどうするのか決定します。

また、調停が成立しなかった場合、離婚訴訟を起こして裁判によって養育費を決める方法もあります。

養育費の算出方法

養育費の算出方法は法律で決まっているわけではないので、支払者と受取者が合意すれば、合意した内容の金額で養育費が支払われることになります。

ただし、法律ではないものの、養育費算定表という、養育費がどのくらい支払われるべきかという目安がまとめられたものが裁判所によって公開されています。

養育費算定表の概要

裁判所が裁判などで養育費の金額を定める場合、基本的には養育費算定表を基準として養育費が算定されます。養育費算定表は裁判所のホームページで公開されており、誰でも回覧することができます。そのため、裁判外で養育費の取り決めをする場合などにも、金額の基準として養育費算定表が用いられる場合が少なくありません。

裁判所による養育費算定表作成の背景として、従来の養育費算定表では養育費の金額が少なく、生活が苦しいシングルマザーが増加していく傾向にありました。そのため、日弁連(弁護士の加入団体)による見直しの要請などが行われ、改定版の養育費算定表が令和元年12月23日に新しく公開されました。

改定版の養育費算定表では、従来の算定表に比べて多くのケースで1〜2万円ほど養育費が増額されている点が特徴です。

養育費算定表のポイント

養育費算定表は、見方が少し複雑で表の量も多いため、初めて見る人は戸惑うかもしれません。表を用いて養育費を算定するポイントをまとめると、以下のとおりです。

・養育費の支払者の年収が高いほど、養育費は多くなる(子どもに支払者と同等の経済水準で生活をさせるため)
・受取者の年収が低いほど、養育費は多くなる(受取者の収入が低いほど養育費でカバーする必要があるため)
・支払者が自営業の場合と給与所得者(サラリーマンなど給料を得ている人)の場合とでは、同じ年収であれば基本的に自営業者のほうが養育費は高くなりやすい
・養育費の対象となる子どもの数が多いほど、養育費は高くなる(子どもの人数が多いほど費用が多くなるため)
・養育費の対象となる子どもの年齢が高いほど、養育費は高くなる(子どもの年齢が上がるほど、一般に学費などの出費が多くなりやすいため)

養育費算定表に基づく具体例

改定版の養育費算定表を基準として、養育費の算定の具体例を見ていきます。

養育費の対象となる子どもが1人(0〜14歳)の場合、養育費の金額例は以下のとおりです。ここでは、比較しやすいように受取者の年収は同じにしています。

支払者の年収(給与) 受取者の年収(給与) 養育費の金額
125万円 100万円 0~1万円
150万円 100万円 1~2万円
225万円 100万円 2~4万円
400万円 100万円 4~6万円
575万円 100万円 6~8万円
725万円 100万円 8~10万円
900万円 100万円 10~12万円
1075万円 100万円 12~14万円

参考:裁判所 – 養育費・子1人表(子0~14歳)

受取者の年収が一定の場合、支払者の年収が高いほど、養育費の金額が高くなります。

こちらのぺージで養育費計算をシミュレーションすることができますので、ぜひご利用ください。
養育費計算シミュレーション

養育費の相場

裁判所ホームページに掲載されている司法統計をもとに、養育費の相場について解説します。以下のデータをご覧ください(※1、※2)。

養育費1万円以下 養育費2万円以下 養育費4万円以下 養育費6万円以下 養育費8万円以下 養育費10万円以下 10万円を超える 世帯合計
子どもの人数(※3)
1人
242世帯 908世帯 3292世帯 1815世帯 691世帯 285世帯 341世帯 7580世帯
2人 175世帯 576世帯 1730世帯 1379世帯 785世帯 429世帯 452世帯 5527世帯
3人 48世帯 170世帯 366世帯 343世帯 142世帯 181世帯 251世帯 1501世帯
4人 9世帯 36世帯 55世帯 31世帯 35世帯 20世帯 34世帯 220世帯
5人 3世帯 3世帯 13世帯 5世帯 7世帯 4世帯 14世帯 49世帯

参考:裁判所 司法統計 – 家事 令和元年度25 「離婚」の調停成立又は調停に代わる審判事件のうち母を監護者と定めた未成年の子有りの件数 夫から妻への養育費支払額別子の数別 全家庭裁判所

※1 司法統計における令和元年のデータに基づいて、養育費の相場の目安として独自に作成したものです。
※2 「離婚」の調停成立又は調停に代わる審判事件のうち、母を監護者と定めた場合であり、養育費が月払される場合のデータです。
※3 母が監護者となった未成年の子の数を意味します。

データを参照すると、子どもの人数に関係なく養育費が2万円以上4万円以下という世帯の人数が最も多く、反対に養育費が1万円以下という世帯の人数が最も少ないことがわかります。

あくまで司法統計に基づく目安ですが、養育費の金額の高低を知る手がかりとして活用してください。

養育費で決めておくべき項目

養育費で決めておくべき項目は、以下の通りです。

・養育費の金額(分割払いの場合は1ヶ月につきいくらか)
・養育費を支払う期間(子どもが満20歳に達するまで支払う、など)
・支払い方法(銀行振込の場合はどの銀行口座に支払うか)
・支払い期限(分割払いの場合は毎月何日に支払うか)

上記の項目について取り決めをしなかった場合、後で「言った」「言わない」のトラブルに発展する可能性が高いので、忘れずに取り決めをしておきましょう。

Q:養育費の増額は請求できる?
 

取り決めにもよりますが、養育費が支払われる期間は10年以上などと長期間にわたる場合が少なくありません。その間に進学や留学、病気の治療など、経済や家庭の状況に大きな変化が起こる可能性があります。

状況が変化して出費が増えた場合などに、養育費の増額を一切請求できないとすると、子どもの生活と成長を維持するという養育費の目的を十分に達成できない可能性があります。

そこで、状況が変化した場合には、支払者に対して養育費の増額を請求することができます。養育費を増額するのか、その場合はいくら増額するのか、などは受取者と支払者が協議して決めます。協議が成立しない場合は、家庭裁判所に申し立てて調停や審判を行い、増額の有無や金額を決定します。

 

養育費が支払われなくなったときの対処法

家庭裁判所において養育費に関する調停や審判が確定するなど、養育費を支払うことがすでに定まっているものの養育費が支払われない場合は、裁判所に申し立てをするなどして、いくつかの措置をとることができます。

具体的には、きちんと支払いをするように勧告する「履行勧告」、支払いをするように命令する「履行命令」、支払者の給料や財産を差し押さえる「強制執行」などが該当します。

ただし、支払者に養育費を支払ってもらうために裁判所に申し立てや手続きをするには、時間や手間が発生してしまいます。そこで、迅速に養育費を得るための解決策の1つとして、養育費保証サービスの解説をします。

養育費保証サービスとは

養育費保証とは、養育費の受取者が養育費保証を行う会社と保証契約を締結(契約を結ぶこと)して保証料を支払っておくことよって、万が一、支払者から養育費が支払われなくなった場合に養育費を立て替えて支払ってくれるサービスをさします。

養育費保証サービスを活用するメリット

養育費保証サービスを活用するメリットについて解説します。

メリット1:養育費を受け取れないリスクを抑えられる

養育費保証サービスに加入しておくと、支払者が養育費を支払わなくなったことによって養育費を受け取ることができなくなるというリスクを抑えられます。

支払者が養育費を支払わなくなった場合、一般的には支払者に請求することになりますが、請求をしても相手が素直に応じるとは限りません。仮に支払いがない期間が続くと、養育費を受け取ることができない状態も続いてしまいます。

養育費保証サービスに加入しておけば養育費が支払われなくなった場合に保証会社が立て替えて支払ってくれるので、このようなリスクを抑えることが可能です。

メリット2:パートナーに直接連絡せずに済む

養育費が支払われなくなった場合、基本的には受取者が自分で支払者に連絡をして、養育費を支払うように催促しなければなりません。

ところが、なるべく相手と関わりたくない・連絡をとりたくない場合、支払者へ連絡しなければならないのは精神的な負担になってしまうといえます。

養育費保証サービスを利用していれば、養育費の請求などは基本的に保証会社が対応してくれるので、受取者が相手に直接連絡する負担がなくなる点もメリットです。

なお、養育費保証サービスを利用する場合、以下の注意点を把握しておきましょう。
・保証サービスを利用するには、公正証書などの養育費の支払いについての書類が必要
・保証される期間には限度がある(最大で12ヶ月分まで保証するなど)

自治体が養育費保証の費用を助成してくれることも

養育費保証サービスを利用するには費用がかかりますが、自治体によっては養育費保証の費用の負担を軽減するために、助成制度を実施している場合があります。

以下、養育費保証の助成を実施している自治体の例と、助成内容の概要をご紹介します。

・宮城県仙台市
債務名義化されている(公正証書や調停調書など、執行力のある公文書で養育費の取り決めがあること)養育費について、新たに保証会社と1年以上の養育費保証契約を締結する場合、5万円を限度に補助

・千葉県千葉市
保証会社と1年以上の養育費保証契約を締結している、養育費の取決めに係る文書を交わしている、などの所定の要件を満たす場合に、養育費保証契約において支払った年間保証料を5万円の上限で助成

・東京都港区
養育費の受取者が養育費を保証する会社と養育費保証契約を締結する場合に、初回の養育費保証料の一部について5万円を上限として助成

・静岡県浜松市
養育費の取り決めを行っておらず、かつ児童扶養手当の受給者または児童扶養手当を受給できる所得水準の場合に、保証会社と養育費保証契約を締結する際の保証料を5万円を上限として補助

いずれの自治体も基本的には5万円を限度額として助成を実施しています。上記はあくまで一例なので、お住まいの自治体が助成を実施していないか確認してみましょう。

養育費保証に関してよくある質問

最後に、養育費保証に関してよくある質問とその回答を確認していきましょう。

義務者(父親)と子どもを会わせずに養育費をもらうことは可能ですか?

面会交流とは、子どもと離れて生活する親が、子どもと定期的に会って話をする・一緒に遊ぶ・電話や手紙で交流するなどの行為をさします。

中には、養育費と面会交流の関係を結び付けて考え、たとえば「面会交流をさせないならば養育費は払わない」と支払者に主張される場合が少なくありません。

しかし、養育費はあくまで子どもが健やかに成長することを金銭面で支えるための義務です。養育費は法的には義務であり、養育費を支払ったからといって面会交流が無条件に認められる、相手が面会交流を認めないからといって養育費を支払う義務が消滅するということにはなりません。

つまり、支払者が子どもと面会交流することを受取者が認めなかったとしても、それによって養育費を受け取ることができなくなってしまう、ということにはならないのです。

ただし例外として、支払者が子どもと面会交流をすることを認める取り決めをした場合は、支払者は子どもと面会交流をする権利が生じています。この場合、養育費をどうするかは別問題として、支払者が子どもと面会交流をすることを許さない場合は、支払者の面会交流権を侵害することになるので注意しましょう。

義務者(父親)から、再婚したため養育費を支払えないと言われましたがどうするべきでしょうか?

養育費を支払っている支払者が再婚したとしても、それは養育費の支払いを打ち切る理由にはなりません。養育費は子どもを扶養するための義務として支払っているものであり、再婚したからといって、支払者の支払い義務が消滅するわけではないからです。

支払者から「再婚したからもう養育費は支払えない」と言われても、そのまま応じる必要はないということです。

ただし、以下のような事情が生じた場合には、例外として裁判などで養育費の減額が認められる可能性があります。

・支払者が再婚し、再婚相手の収入が低いので扶養に入れる必要がある
・支払者が再婚し、子どもが生まれて養育しなければならない

支払者が再婚した配偶者の収入状況、あるいは子どもができたことによって支払者の経済的な負担が増大した場合には、支払者は受取者に対して養育費の減額を請求できる可能性があります。

もっとも、上記のような事情が生じたとしても、養育費の減額を行うためには支払者と受取者の双方が減額に同意するか、裁判所の手続きで減額が確定する必要があります。支払者が再婚したからといって、それだけで養育費の支払い義務が消滅するわけではないことをおぼえておきましょう。

養育費を貰いながら、生活保護を受給することはできますか?

生活保護の受給が認められるような状況であれば、養育費を貰いながら生活保護を受給することは可能です。生活保護はその家庭が最低限の生活を営めるように支給されるお金であり、養育費とは別の制度だからです。

また、すでに養育費を貰っているからといって、それだけで生活保護を受け取れなくなるわけではありません。そのため、病気などが理由で働けない場合や、生活にあてるだけの十分なお金や資産がない場合などは、養育費を貰っていても生活保護を申請すれば受給が認められる可能性があります。

ただし、生活保護制度においては、養育費は原則「収入」として扱われます。その場合、生活保護の支給額は養育費の分だけ差し引かれます。たとえば、生活保護の支給額が本来15万円の場合に、養育費として5万円を貰っていると、養育費の分だけ差し引かれて生活保護の支給額が10万円になることがあります。

ただし、子どもの学費など一定の目的のために養育費を使う場合は、「収入認定除外」という手続きを申請すれば、養育費が収入として扱われず、より多くの生活保護を受給できる場合もあります。収入認定除外として一般に認められる支出には以下のものがあります。

・保育園や幼稚園の入園料・保育料
・進学塾の学費
・参考書や問題集の購入費
・学校のクラブ活動や修学旅行の費用
・通学に用いる自転車の費用

注意点として、養育費を貰っていることを申告せずに生活保護を受給した場合、養育費の分を後で返還しなければならなくなる可能性があります。生活保護を申請する場合は、必ず養育費を申告しましょう。

養育費について理解して子どものためのお金を確保していこう

養育費について取り決めをせずに離婚するケースは少なくありませんが、離婚した後でも取り決めを行うことによって後から養育費をもらうことは可能です。養育費について取り決めをする際は、養育費の金額、養育費を貰う期間、支払い方法、支払い時期などが重要です。

支払者が養育費を支払わなくなるリスクは養育費保証サービスを利用することによって抑えることができるため、ぜひ検討してみましょう。